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徳之島のTNRは歴史的愚策だった~今後の奄美群島の猫対策はどうあるべきか






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 記事、                        
徳之島のTNRは歴史的愚策だった~増え続ける未去勢猫
徳之島のTNRは歴史的愚策だった~野良猫が在来希少生物を捕食しているという証拠
徳之島のTNRは歴史的愚策だった~給餌はむしろ猫による在来生物への捕食圧を高める
の続きです。
 奄美群島では、猫による在来希少種の捕食被害が深刻です。TNR団体が奄美群島のうちの徳之島で2014年から猫のTNRを行っています。その総括と言うべき学術論文が2019年11月7日に発表されました。結論から言えば、徳之島のTNRは歴史的愚策です。では今後は徳之島も含めて奄美群島の猫管理はどうするべきなのでしょうか。本論文はその点についても提言しています。



 希少な固有種が多く生息し、学術的価値が高い奄美群島。この奄美群島では、希少固有種のアマミノクロウサギなどが、人が持ち込んだ猫により捕食圧を受けています。奄美群島の一つ、徳之島における希少動物の猫による捕食対策を時系列にまとめました。

2014年:環境省は、2014年に徳之島におけるノネコの捕獲事業(譲渡先が見つからなければ殺処分の可能性がある)を開始しました。一方それに反対する日本のTNR団体「(財)どうぶつ基金」が、徳之島でTNR事業を開始し、現在も継続しています。
2017年:しかし徳之島においては、TNR事業開始後もアマミノクロウサギ等の希少生物が猫に捕食される例が確認されましたそのことを重く見た環境省は、徳之島を含めた奄美群島でのノネコ捕獲事業の強化を公表しました。
2019年:猫の捕獲に反対するTNR団体と、猫の捕獲を強化の方針を打ち出した環境省が対立しています。

 徳之島においては、TNRが「猫の捕獲」の代替案になりうるのでしょうか。つまり「捕獲(殺処分)」を行うのと同等に期待できる、「島内での猫による希少生物の捕食を減少させることができたのでしょうか。この点について総括した、詳細な分析を行った学術論文が2019年11月7日に発表されました。
 結論から言えば、徳之島におけるTNR事業は、「猫による希少生物の捕食圧を減少させる効果は全くありません」でした。むしろTNRをすることで人工給餌される猫がおり(条例では飼い猫以外の猫への給餌は禁止されているのですが)、人口給餌は逆に野生動物への捕食圧を高めるという結論が導き出されました。またTNR事業が継続しているにもかかわらず、猫の不妊去勢率は低いままです。
 それがこちらの論文です。Predation on endangered species by human-subsidized domestic cats on Tokunoshima Island 「徳之島における人間が援助しているイエネコ種による絶滅危惧種の捕食」 2019年11月7日(以下、「本論文」と記述する)。


Predation on endangered species by human-subsidized domestic cats on Tokunoshima Island 「徳之島における人間が援助しているイエネコ種による絶滅危惧種の捕食」 2019年11月7日

 この論文の要旨は次の通りになります。

(現状)
1、徳之島の飼い猫以外の猫は、ノネコ(feral cat)と野良猫)(stray cat)が明確に区分できるという前提である。
2、野良猫は希少生物の捕食はしないとの前提で、TNRが行われている。捕獲(~殺処分)はノネコのみ。
3、(条例で禁止されているにもかかわらず)野良猫への給餌が行われている(糞の分析調査)。

(課題)
1、徘徊するノネコ(feral cat)と野良猫(stray cat)は生息域を自由に越境し、野良猫も希少生物を捕食している(糞の分析調査)。したがって両者は区分できない。
2、自由に徘徊している猫の不妊去勢済み猫の比率は13%と低く、TNRが効果をあげたとはいえない。
3、禁止されているにもかかわらず野良猫への餌やりは行われており、それはむしろ希少生物の捕食圧を高めている。なぜならば人口給餌により猫は助けられ、それらの猫が希少生物の生息地の自然地域に移動するからである。

(対策の提言)
1、飼い猫の完全室内飼いを行うこと。
2、島の猫対策はTNRではなく、捕獲(殺処分も含める)をするべきである。
3、室内飼い猫以外の猫への給餌を完全に断つこと。




 徳之島のTNR事業は、徳之島のノネコと野良猫が明確に区分できるという前提で、野良猫のみを対象に実施していました。しかしノネコと野良猫は区分できず、生息域を自由に行き来し、食性もほぼ変わりませんでした。ノネコも野良猫も、希少動物をかなりの割合で捕食していました。
 また(これは私の推測ですが)TNR事業は、TNRの活動家や支援者が、野良猫に給餌を行うことにつながった可能性があります。さらに島の住民もTNR事業開始以降に、むしろ野良猫ノネコに対して給餌を行うことが増えた可能性があります。それは、ノネコ野良猫とも、ドライキャットフードの採餌率が7割近くにのぼることが糞便分析で明らかになっているからです。しかしノネコ野良猫に給餌をすることは、むしろ猫による在来生物への捕食圧を高めるのです。この事実は、すでに複数の論文が出されています。徳之島では、飼い猫以外への猫の給餌は、条例で禁止されているのですが。

 この点について本論文は、今後の徳之島における、猫の管理の在り方を次のように提言しています。特に強調しているのは「3、」の、自由に徘徊する猫への給餌禁止です。本論文においては、人為的な給餌が最も猫による捕食圧を高めているとしているからです。
1、飼い猫の完全室内飼いを行うこと。
2、島の猫対策はTNRではなく、捕獲(殺処分も含める)をするべきである。
3、室内飼いの飼い猫以外の猫への給餌を完全に断つこと。
 本論文、Predation on endangered species by human-subsidized domestic cats on Tokunoshima Island 「徳之島における人間が援助しているイエネコ種による絶滅危惧種の捕食」 2019年11月7日 から引用します。


The main predator management options are trapping, which has occurred on Tokunoshima Island, and lethal control.
In the case of human-driven hyper-predation, preventing the access of cats to artificial resources is a more cost-effective way of reducing the predator population in the long term.
Several methods should thus be combined, including lethal control and resource subsidization control, to develop an effective conservation strategy.
Tokunoshima Island has regulations about keeping pet cats indoors and prohibits the feeding of unowned cats.
However, as the mixing model showed high dependence on artificial resources, it is likely that many people are not following these regulations.
The effectiveness and validity of this method (TNR) should thus be reconsidered.
In conclusion, our study provides strong circumstantial evidence of anthropogenic resource subsidization on free-ranging cats.
It points out the possibility of human-driven hyper-predation and provides important support for promoting local and global invasive predator control management.

捕食者(在来生物を捕食する猫)に対する主な管理代替案は、徳之島で始められた、わなでの捕獲と殺処分による制御です。
人により促進されてきたハイパープレデーション(過剰な捕食活動)の場合は、 猫が人工的な餌を採餌できないようにすることは、長期的に捕食者の数を減らす、より費用対効果の高い方法です。
したがって効果的な在来生物の保全戦略を策定するためには、殺処分による制御を含む、猫への人による給餌を制御するいくつかの方法を組み合わせる必要があります。
徳之島には、飼い猫を屋内に飼うことに関する規則があり、飼い猫以外への給餌は禁止されています。
しかし複数の例によれば、猫は人工的な給餌に高い依存性を示したため、多くの人々がこれらの規則(給餌禁止)を守っていない可能性があります。
この方法(TNR)の有効性と妥当性を再検討する必要もあります。
結論として私たちの研究は、自由に徘徊する猫に対する人為的な給餌があることの、強力な状況証拠を提供しています。
それはハイパープレデーション(過剰な捕食活動)を、人が促進した可能性を指摘しており、そして局所的および包括的な侵略的な捕食者の、制御管理を推進するための重要な支援となります。



 私見をいくつか付け加えます。現在施行されている徳之島町の猫飼養条例での「飼い猫以外への猫の給餌禁止」規定は、処罰規定は最高でも過料2万円が上限です。例えば、「飼い猫の飼い主明示」、「飼い猫の放し飼い禁止」、「飼い猫以外への給餌給水禁止」、「飼い猫の遺棄の禁止」などです。罰則規定の引き上げを行い、実効性を持たせることが必要でしょう。特に「給餌禁止」の厳罰化は必要と感じます。またマイクロチップは努力規定ですが、これを義務化し、自由に徘徊している猫は捕獲すること。マイクロチップにより飼い主を特定し、放し飼いの処罰を実効性のあるものにすることも必要でしょう。
 いずれにしても徳之島におけるTNR事業は、なんら猫の数を減らすことはありませんでした。それ以上にノネコ野良猫への給餌を促進することにより、さらに猫による在来生物の捕食圧を高めたのです。まさに無益有害な歴史的愚策と言ってよいでしょう。


(参考資料)

○徳之島町飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例 平成25年12月12日条例第43号


(動画)

 奄美大島ノネコ捕獲ワナは灼熱地獄54度以上!実証実験!2019/08/04 
 あい変わらず詭弁を炸裂させている、徳之島のTNR実施団体の代表者。「徳之島での箱わなでの猫の捕獲」に反対しています。その理由の一つは、「箱わなは希少生物の誤捕獲があり、希少生物も殺すことになる」です。事実、ケナガネズミ1匹が誤捕獲されて死んだことが確認されています。しかしノネコ野良猫1個体が1年間に哺乳類や鳥類を数百個体捕食する可能性を考えれば、猫の箱わなでの捕獲の利益の方がはるかに高いといえます。誤捕獲が問題ならば、ハンターによる目視での射殺や、猫白血病ウイルスの感染駆除などを、海外先進国に倣って取り入れればよいのです。

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徳之島のTNRは歴史的愚策だった~給餌はむしろ猫による在来生物への捕食圧を高める






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徳之島のTNRは歴史的愚策だった~増え続ける未去勢猫
徳之島のTNRは歴史的愚策だった~野良猫が在来希少生物を捕食しているという証拠
の続きです。
 奄美群島では、猫による在来希少種の捕食被害が深刻です。TNR団体が奄美群島のうちの徳之島で2014年から猫のTNRを行っています。その総括と言うべき学術論文が2019年11月7日に発表されました。結論から言えば、徳之島のTNRは歴史的愚策です。いわゆる野良猫(stray cat)は、希少生物を捕食していないという前提で、TNRが実施されています。さらに条例で禁止されているにもかかわらず、飼い猫以外の野良猫ノネコにキャットフードなどの給餌が行われていることも判明しました。これはむしろ、猫による在来生物への捕食圧を高めるのです。



 希少な固有種が多く生息し、学術的価値が高い奄美群島。この奄美群島では、希少固有種のアマミノクロウサギなどが、人が持ち込んだ猫により捕食圧を受けています。奄美群島の一つ、徳之島における希少動物の猫による捕食対策を時系列にまとめました。

2014年:環境省は、2014年に徳之島におけるノネコの捕獲事業(譲渡先が見つからなければ殺処分の可能性がある)を開始しました。一方それに反対する日本のTNR団体「(財)どうぶつ基金」が、徳之島でTNR事業を開始し、現在も継続しています。
2017年:しかし徳之島においては、TNR事業開始後もアマミノクロウサギ等の希少生物が猫に捕食される例が確認されました。そのことを重く見た環境省は、徳之島を含めた奄美群島でのノネコ捕獲事業の強化を公表しました。
2019年:猫の捕獲に反対するTNR団体と、猫の捕獲を強化の方針を打ち出した環境省が対立しています。

 徳之島においては、TNRが「猫の捕獲」の代替案になりうるのでしょうか。つまり「捕獲(殺処分)」を行うのと同等に期待できる、「島内での猫による希少生物の捕食を減少させることができたのでしょうか。この点について総括した、詳細な分析を行った学術論文が2019年11月7日に発表されました。
 結論から言えば、徳之島におけるTNR事業は、「猫による希少生物の捕食圧を減少させる効果は全くありません」でした。むしろTNRをすることで人工給餌される猫がおり(条例では飼い猫以外の猫への給餌は禁止されているのですが)、人口給餌は逆に野生動物への捕食圧を高めるという結論が導き出されました。またTNR事業が継続しているにもかかわらず、猫の不妊去勢率は低いままです。
 それがこちらの論文です。Predation on endangered species by human-subsidized domestic cats on Tokunoshima Island 「徳之島における人間が援助しているイエネコ種による絶滅危惧種の捕食」 2019年11月7日(以下、「本論文」と記述する)。


Predation on endangered species by human-subsidized domestic cats on Tokunoshima Island 「徳之島における人間が援助しているイエネコ種による絶滅危惧種の捕食」 2019年11月7日

 この論文の要旨は次の通りになります。

(現状)
1、徳之島の飼い猫以外の猫は、ノネコ(feral cat)と野良猫)(stray cat)が明確に区分できるという前提である。
2、野良猫は希少生物の捕食はしないとの前提で、TNRが行われている。捕獲(~殺処分)はノネコのみ。
3、(条例で禁止されているにもかかわらず)野良猫への給餌が行われている(糞の分析調査)。

(課題)
1、徘徊するノネコ(feral cat)と野良猫(stray cat)は生息域を自由に越境し、野良猫も希少生物を捕食している(糞の分析調査)。したがって両者は区分できない。
2、自由に徘徊している猫の不妊去勢済み猫の比率は13%と低く、TNRが効果をあげたとはいえない。
3、禁止されているにもかかわらず野良猫への餌やりは行われており、それはむしろ希少生物の捕食圧を高めている。なぜならば人口給餌により猫は助けられ、それらの猫が希少生物の生息地の自然地域に移動するからである。

(対策の提言)
1、飼い猫の完全室内飼いを行うこと。
2、島の猫対策はTNRではなく、捕獲(殺処分も含める)をするべきである。
3、室内飼いの飼い猫以外の猫への給餌を完全に断つこと。




 徳之島で猫のTNR事業を行っている、「(財)どうぶつ基金」は、「野良猫に餌をやることはノネコ化を防ぐことになる。そのために野良猫に餌を与えることは在来生物の保護につながる」との発言を行っています。(財)どうぶつ基金のHPの記事、ノネコ管理計画の疑問点と問題点と提案 2019年4月10日の記事では、次のような発言があるからです。「ノラ猫に餌やりを禁止していると、ノネコを増やす原因にならないか心配です」。 
 「野良猫に餌やりすることは、猫による在来生物への捕食を防止することになり、在来生物の保護になる」と主張している動物愛誤活動家が多いのは事実です。しかし本論文では、「人口給餌はむしろ猫による在来生物への捕食圧を高める。在来生物保護によっては有害」と断じています。

 本論文では、オーストラリアの世界遺産の島、マッコーリ島の例を挙げています。マッコーリ島では、先に移入した猫が約60年間在来野生生物の固有種のインコと共存してきました。しかしその後新たに移入されたウサギが野生下で定着増殖し、猫の餌となりました。そのウサギを捕食した猫は急速に数を増やし、10年後にインコを絶滅に追いやりました。それと同様の効果が、徳之島での猫の人口給餌(註 マッコーリ島でのウサギの移入と同じ効果がキャットフードによる人口給餌にある)でも表れているとしています。
 Predation on endangered species by human-subsidized domestic cats on Tokunoshima Island 「徳之島における人間が援助しているイエネコ種による絶滅危惧種の捕食」 2019年11月7日 から引用します。


The presence of abundant exotic prey promotes population growth of invasive predators, thereby enhancing the predation pressure on native prey (hyper-predation).
Not only the exotic prey but also feeding by humans is likely to cause “hyper-predation”.
Here, we combined fecal and stable isotope analyses to reveal short- and long-term food habits of free-ranging cats on Tokunoshima Island.
Although 20.1% of the feral cat feces contained evidence of forest-living species, stable isotope analysis suggested that the cats were mostly dependent on artificial resources.
These results indicate that the invasive free-ranging cats are aided by anthropogenic feeding, and they move from the human habituated area to natural areas with high biodiversity.
These findings suggest the possibility of human feeding indirectly accelerates the effect of cat predation. 

We obtained different brands of dried cat food (n = 9) and hair samples of Amami rabbit (n = 7), Ryukyu rat (n = 7), and black rats (n = 7) as candidate cat dietary resources.
that artificial resources were the largest component in energy consumption of the “feral” (67.8%; 95% highest density region: 62.8–72.8%) and “stray” cats (69.0%; 59.3–78.8%), followed by farmland animals (“feral”: 17.9%; 13.4–22.3%, “stray”: 18.5%; 9.7–27.3%) and forest animals (“feral”: 14.3%; 11.6–17.1%, “stray”: 12.4%; 9.7–27.3%).

豊富な外来生物の獲物の存在は、侵略的な外来生物である捕食者である個体数増加を促し、これにより、在来の固有種である被食者に対する捕食圧が高まります(ハイパープレデーション 「過剰な捕食活動」)。
外来動物の獲物のみならず、人間による給餌も、「ハイパープレデーション 過剰な捕食活動」を引き起こす可能性があります。
我々は、糞便と安定同位体分析を組み合わせることで、徳之島の自由に徘徊する猫の短期および長期の食習慣を明らかにしました。
ノネコの糞便の20.1%には、森林に生息する野生種が捕食されている証拠が含まれていましたが、安定同位体分析により、これらのノネコは主に人工的な餌に依存していることが示唆されました。
これらの結果は、侵略性の自由に徘徊する猫が人為的な給餌によって助けられ、人間の居住地から生物多様性の高い自然地域に移動していることを示しています。
これらの発見は人による給餌が、猫の野生動物の捕食の効果を間接的に進めている可能性を示唆しています。

我々は猫の餌の元となるものとして、さまざまなブランドのドライキャットフード(n = 9)とアマミノクロウサギ(n = 7)、リュウキュウネズミ(n = 7)、クロネズミ(n = 7)の毛サンプルを入手しました。
安定同位体分析R(SIAR)によれば、人による給餌が「ノネコ」(67.8%; 95%最高密度領域:62.8–72.8%)および「野良猫」(69.0%; 59.3–78.8%))のエネルギー消費量の最大成分であることを示しました。
そして、農村に住む動物(「ノネコ」:17.9%、13.4ー22.3%、「野良猫」:18.5%、9.7ー27.3%)、および森林にすむ動物(「ノネコ」:14.3%、11.6ー17.1%、「野良猫」:12.4%; 9.7–27.3%)と続きます(註 「ノネコ」「野良猫」に関わらず徳之島の猫は、人による給餌(ドライキャットフード)に最も依存しており、いずれも7割近くを占めているということです。そして「ノネコ」「野良猫」に関わらず、在来生物を捕食していることが明らかになったということです)。



 いわゆる「ノネコ」も、「野良猫」とほぼ変わらない割合、しかも非常に高い割合(必要カロリーの7割近く)を人による給餌に頼っていたことは驚きです。実は徳之島町は、条例により飼い猫以外の猫への給餌を禁じています(○徳之島町飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例 平成25年12月12日条例第43号)。この条例の施行は2013年ですから、徳之島のTNR事業の開始よりも先んじています。
 しかしこれほどの人工給餌が行われているということはいったいどういうことでしょうか。私は、徳之島のTNR団体が給餌を行い、かつ住民にも給餌を推奨したのではないかと推測します。「捕食者の侵略的外来種への給餌は、むしろ在来生物への捕食圧を高める」。これはすでに本論文以前から指摘されていることです。徳之島でのTNRは、全くTNR猫の比率を高めることに成功しておらず、それはすなわち猫の個体数減少効果は全くないと、私は前回記事で本論文から引用しました。さらにTNRはおそらく自由に徘徊する猫への給餌を進める結果となり、それがさらに在来生物への捕食圧を高めています。徳之島のTNRは歴史的な失敗であり、かつ稀有な環境破壊事業です。  


(動画) 

 絶滅危惧のネズミを猫が襲う瞬間を撮影 鹿児島・徳之島 (朝日新聞社) 2018/02/28公開     

鹿児島県徳之島町天城山付近で、絶滅の恐れがある国の天然記念物ケナガネズミを猫が襲う瞬間の動画が撮影された。 
同島と奄美大島では野生化した猫(ノネコ)に希少動物が捕食される被害が問題化しており、環境省や町は捕獲ワナの増設など対策を強化する。


           

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徳之島のTNRは歴史的愚策だった~野良猫が在来希少生物を捕食しているという証拠






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 記事、徳之島のTNRは歴史的愚策だった~増え続ける未去勢猫、の続きです。
 奄美群島では、猫による在来希少種の捕食被害が深刻です。TNR団体が奄美群島のうちの徳之島で2014年から猫のTNRを行っています。その総括と言うべき学術論文が2019年11月7日に発表されました。結論から言えば、徳之島のTNRは歴史的愚策です。いわゆる野良猫(stray cat)は、希少生物を捕食していないという前提で、TNRが実施されています。対してノネコ(feral cat)は野生生物生息地と生息域が重なり、野生生物を捕食しているという前提で捕獲(殺処分)が行われています。しかし最近公表された学術論文は野良猫とノネコを明確に区分することはできず、野良猫も糞から希少生物を捕食している証拠が見つかりました。


 希少な固有種が多く生息し、学術的価値が高い奄美群島。この奄美群島では、希少固有種のアマミノクロウサギなどが、人が持ち込んだ猫により捕食圧を受けています。奄美群島の一つ、徳之島における希少動物の猫による捕食対策を時系列にまとめました。

2014年:環境省は、2014年に徳之島におけるノネコの捕獲事業(譲渡先が見つからなければ殺処分の可能性がある)を開始しました。一方それに反対する日本のTNR団体「(財)どうぶつ基金」が、徳之島でTNR事業を開始し、現在も継続しています。
2017年:しかし徳之島においては、TNR事業開始後もアマミノクロウサギ等の希少生物が猫に捕食される例が確認されましたそのことを重く見た環境省は、徳之島を含めた奄美群島でのノネコ捕獲事業の強化を公表しました。
2019年:猫の捕獲に反対するTNR団体と、猫の捕獲を強化の方針を打ち出した環境省が対立しています。

 徳之島においては、TNRが「猫の捕獲」の代替案になりうるのでしょうか。つまり「捕獲(殺処分)」を行うのと同等に期待できる、「島内での猫による希少生物の捕食を減少させることができたのでしょうか。この点について総括した、詳細な分析を行った学術論文が2019年11月7日に発表されました。
 結論から言えば、徳之島におけるTNR事業は、「猫による希少生物の捕食圧を減少させる効果は全くありません」でした。むしろTNRをすることで人工給餌される猫がおり(条例では飼い猫以外の猫への給餌は禁止されているのですが)、人口給餌は逆に野生動物への捕食圧を高めるという結論が導き出されました。またTNR事業が継続しているにもかかわらず、猫の不妊去勢率は低いままです。
 それがこちらの論文です。Predation on endangered species by human-subsidized domestic cats on Tokunoshima Island 「徳之島における人間が援助しているイエネコ種による絶滅危惧種の捕食」 2019年11月7日


Predation on endangered species by human-subsidized domestic cats on Tokunoshima Island 「徳之島における人間が援助しているイエネコ種による絶滅危惧種の捕食」 2019年11月7日

 この論文の要旨は次の通りになります。

(現状)
1、徳之島の飼い猫以外の猫は、ノネコ(feral cat)と野良猫)(stray cat)が明確に区分できるという前提である。
2、野良猫は希少生物の捕食はしないとの前提で、TNRが行われている。捕獲(~殺処分)はノネコのみ。
3、(条例で禁止されているにもかかわらず)野良猫への給餌が行われている(糞の分析調査)。

(課題)
1、徘徊するノネコ(feral cat)と野良猫(stray cat)は生息域を自由に越境し、野良猫も希少生物を捕食している(糞の分析調査)。したがって両者は区分できない。
2、自由に徘徊している猫の不妊去勢済み猫の比率は13%と低く、TNRが効果をあげたとはいえない。
3、禁止されているにもかかわらず野良猫への餌やりは行われており、それはむしろ希少生物の捕食圧を高めている。なぜならば人口給餌により猫は助けられ、それらの猫が希少生物の生息地の自然地域に移動するからである。

(対策の提言)
1、飼い猫の完全室内飼いを行うこと。
2、島の猫対策はTNRではなく、捕獲(殺処分も含める)をするべきである。
3、室内飼いの飼い猫以外の猫への給餌を完全に断つこと。




 今回記事では上記の論文に基づいて、「野良猫とノネコが明確に区分できる」、「野良猫は希少な野生動物を捕食しない」と言う前提で野良猫を捕獲(殺処分)せずにTNRを進めてきたことが誤りだつたことを述べます。本論文では、次の事柄が述べられています。

・野良猫とノネコは区分できない。生息域を野良猫ノネコは自由に行き来する。
・また野良猫がノネコに移行することはたやすい。
・さらに野良猫も希少な野生動物を捕食している。

 つまり、「野良猫とノネコは明確に区分できる」、「野良猫がノネコに移行することはない」、「野良猫は希少な野生動物を捕食しない」と言う前提で野良猫は捕獲(殺処分)せずに、TNRを行ってきた」ことが、完全に誤りだったこと言うことです。以下に、該当する記述を、Predation on endangered species by human-subsidized domestic cats on Tokunoshima Island 「徳之島における人間が援助しているイエネコ種による絶滅危惧種の捕食」 2019年11月7日 から引用します。


Scientifically, the term “feral” means completely independent and rarely interacting with humans, whereas “stray” cats do not have an owner but still depend on human care.
The division of “feral” and “stray” cats by the government suggests their assumption that cats rarely migrate between forests and residential areas, but it is still unclear whether this division is scientifically appropriate due to the lack of studies on free-ranging cats on Tokunoshima Island.
Tokunoshima Island is characterized by small forested areas, so it is rather likely that “feral” cats and “stray” cats have access to both wild animals in the forest and artificial food in the villages.
In total, 208 “feral” cats (75 females, 123 males, and 10 unidentified) and 54 “stray” cats (22 females, 30 males, and 2 unidentified) were captured, and 198 fecal samples (from 174 “feral” cats and 24 “stray” cats) were obtained.
A total of 13.4% of the cats (31 “feral” and 4 “stray”) were ear-tipped, which means that they had been captured as “stray” cats and sterilized.
Six threatened species (at least 43 individuals) were detected in 13.5% of the fecal samples.

科学的には「ノネコ(feral cat)」という用語は、完全に人から独立しており、ほとんど人に依存していないことを意味します。
一方、「野良猫(stray cat)」)は、飼い主はいませんが、人が世話を受け、それに依存しています。
政府による「ノネコ」と「野良猫」の区分は、猫が森林と人の居住地域の間をめったに移動しないという仮定を意味していますが、徳之島では自由に徘徊する猫に関する研究が不足しているために、この区分が科学的に適切であるかどうかはまだ不明です。
徳之島の森林地帯は小さいことが特徴であるために、「ノネコ」と「野良猫」はともに、森林に生息する野生動物と、村落の人工的な餌の両方から採餌することができる可能性が高いです。
合計で、208匹の「ノネコ」(メス75匹、オス123匹、不明10匹)と54匹の「野良猫」(メス22匹、オス30匹、不明2匹)が捕獲され、198の糞便サンプル(174匹の「ノネコ」と24頭の「野良猫」)が得られました(註 捕獲された場所で「ノネコ」と「野良猫」を区分したと思われる)。
合計13.4%の猫(31匹の「ノネコ」と4匹の「野良猫」)が耳カットされており、つまりこれらの猫の全ては「野良猫」として捕獲され、不妊去勢されていたということです(註 つまり捕獲場所から「ノネコ」とされる猫31匹が「野良猫」としてTNRの対象となっていた)。
(註 アマミノクロウサギを含む)6つの絶滅危惧種(少なくとも絶滅危惧種43個体分)が、糞便サンプルの13.5%で検出されました。



 この論文においては証拠から、「ノネコ」、「野良猫」は明確に区分はできない」と結論付けています。「ノネコ」の生息域で捕獲した本来「ノネコ」であるはずの猫の13.4%に、TNR事業による耳カットがあったからです。このことは、かつて人の居住地域で捕獲され、不妊去勢後にリリースされた「野良猫」が森林に移動して「ノネコ」になったことを意味します(もしくは「ノネコ」、「野良猫」は森林、人の居住地域間を自由に移動し、区分することができない)。
 つまり、TNR事業を行う前提である、「ノネコと野良猫は明確に区分できる。野良猫は希少な野生動物の生息域には入らず捕食することがないので殺処分する必要はない。増殖を抑制する(新たな「ノネコ」の供給を絶つ)TNRを行うだけでも、野生動物の捕食を防止できる」と言うことが根底から覆ることになります。TNRを行った野良猫も希少生物が生息する森林地帯に入り、ノネコに転化していることが証明されたからです。徳之島での野良猫のTNRは、全く希少生物の捕食防止には効果がなかったということです。


(動画)

 飼い猫が野生化し小動物を襲い生態系破壊 2017/03/18
 こちらは奄美大島での撮影。奄美群島での猫によるアマミノクロウサギなどの捕食被害はかねてより糞便調査で明らかだったのです。TNRで猫の捕食圧を受けている野生動物が保護できるという詭弁は、私には理解できません。

徳之島のTNRは歴史的愚策だった~増え続ける未去勢猫






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 奄美群島では、猫による在来希少種の捕食被害が深刻です。TNR団体が奄美群島のうちの徳之島で2014年から猫のTNRを行っています。その総括と言うべき学術論文が2019年11月7日に発表されました。結論から言えば、徳之島のTNRは歴史的愚策です。2014年のTNRの開始以降も、猫(ノネコ、野良猫に関わらず)捕食圧は深刻です。また継続的なTNR活動におかかわらず、不妊去勢された猫の比率は13%と低水準で増えていません。さらに条例で禁止されているにもかかわらず、野良猫への給餌が行われています。これはむしろ在来生物の捕食圧を高めるのです。


 希少な固有種が多く生息し、学術的価値が高い奄美群島。この奄美群島では、希少固有種のアマミノクロウサギなどが人が持ち込んだ猫により捕食圧を受けています。奄美群島の一つ、徳之島における希少動物の猫による捕食対策を時系列にまとめました。

2014年:環境省は、2014年に徳之島におけるノネコの捕獲事業(譲渡先が見つからなければ殺処分の可能性がある)を開始しました。一方それに反対する日本のTNR団体「(財)どうぶつ基金」が、徳之島でTNR事業を開始し、現在も継続しています。
2017年:しかし徳之島においては、TNR事業開始後もアマミノクロウサギ等の希少生物が猫に捕食される例が確認されましたそのことを重く見た環境省は、徳之島を含めた奄美群島でのノネコ捕獲事業の強化を公表しました。
2019年:猫の捕獲に反対するTNR団体と、猫の捕獲を強化の方針を打ち出した環境省が対立しています。

 徳之島においては、TNRが「猫の捕獲(殺処分)」の代替案になりうるのでしょうか。つまり「捕獲(殺処分)」を行うのと同等に期待できる、「島内での猫による希少生物の捕食を減少させることができた」のでしょうか。この点について総括した、詳細な分析を行った学術論文が2019年11月7日に発表されました。
 結論から言えば、徳之島におけるTNR事業は、「猫による希少生物の捕食圧を減少させる効果」は全くありませんでした。むしろTNRをすることで人口給餌される猫がおり(条例では飼い猫以外の猫への給餌は禁止されているのですが)、人口給餌は逆に野生動物への捕食圧を高めるという結論が導き出されました。それがこちらの論文です。Predation on endangered species by human-subsidized domestic cats on Tokunoshima Island 「徳之島における人間が援助しているイエネコ種による絶滅危惧種の捕食」 2019年11月7日


Predation on endangered species by human-subsidized domestic cats on Tokunoshima Island 「徳之島における人間が援助しているイエネコ種による絶滅危惧種の捕食」 2019年11月7日

 この論文の要旨は次の通りになります。

(現状)
1、徳之島の飼い猫以外の猫は、ノネコ(feral cat)と野良猫)(stray cat)が明確に区分できるという前提である。
2、野良猫は希少生物の捕食はしないとの前提で、TNRが行われている。捕獲(~殺処分)はノネコのみ。
3、(条例で禁止されているにもかかわらず)野良猫への給餌が行われている(糞の分析調査)。

(課題)
1、徘徊するノネコ(feral cat)と野良猫(stray cat)は生息域を自由に越境し、野良猫も希少生物を捕食している(糞の分析調査)。したがって両者は区分できない。
2、自由に徘徊している猫の不妊去勢済み猫の比率は13%と低く、TNRが効果をあげたとはいえない。
3、禁止されているにもかかわらず野良猫への餌やりは行われており、それはむしろ希少生物の捕食圧を高めている。なぜならば人口給餌により猫は助けられ、それらの猫が希少生物の生息地の自然地域に移動するからである。

(対策の提言)
1、飼い猫の完全室内飼いを行うこと。
2、島の猫対策はTNRではなく、捕獲(殺処分も含める)をするべきである。
3、室内飼いの飼い猫以外の猫への給餌を完全に断つこと。



 各論については、次回以降の記事でいくつかを取り上げます。先に、私がこの論文の記述で驚愕したことを述べておきます。この論文によると、2018年に徳之島で捕獲した猫のうち、不妊去勢済みを証明する耳カットがあった猫は、全体の13%に過ぎなかったということです。その記述を、Predation on endangered species by human-subsidized domestic cats on Tokunoshima Island 「徳之島における人間が援助しているイエネコ種による絶滅危惧種の捕食」 から引用します。


According to the local Tokunoshima Island government, 2,797 “stray” cats were captured and sterilized from April 2014 to March 2018.
However, only 13% of the captured cats were ear-tipped, and this proportion is not increasing.
The results imply the huge number of cats on the island and their successful reproduction.
We assume that stable and inexhaustible human-derived resources enable cats to sustain this large population.

地元の徳之島自治体によると、2014年4月から2018年3月までに2,797匹の「野良猫(stray cat)」が捕獲され、不妊去勢されました。
しかし捕獲された猫のうち、わずか13%しか不妊去勢済みを示す耳カットがなく、この割合は増えていません。
この結果は、島にいる膨大な数の猫と、それらの猫が繁殖に成功しているこを暗示しています。
安定的で継続的な、人由来による餌により、猫はこの大きな個体群の維持が可能であると考えられます。



 2014年から現在にかけて継続してTNR事業が行われているにもかかわらず、経年を経ても自由に徘徊する猫の不妊去勢率は上がりませんでした。その要因については論文では触れていません。私は次のように分析します。

1、当初の野良猫の数の推計値が過少であった。そもそも野良猫とノネコは明確に区分できず、それらの双方の生息域を自由に行き来している。「野良猫」の推計値を基にしてTNRの必要数を計算したとしても無意味。
2、未去勢猫が不妊去勢済み猫に対して生存競争で優位になり、不妊去勢猫が早く死んだ。それを未去勢猫の繁殖個体によりすぐに充当された。
3、TNR事業を行った団体の、TNR数の公表が過大であった。


 いずれも可能性が考えられますし、1、2、3の複合要因かもしれません。しかし私は「2」の要因が最も大きいと思います。この事実、すなわち「5年を経ても島内の不妊去勢済み猫の比率は上がっていない」というだけでも、徳之島におけるTNR事業が完全に失敗であったことを示しています。TNR団体は「TNRにより野良猫が減少し、いずれは島の希少生物の捕食は軽減~なくなる」と主張してこの事業を進めているからです。

 TNR団体による記事、徳之島ごとさくらねこTNR事業 2014年10月04日においては、「徳之島にいる猫(推定3,000匹)の不妊去勢手術を実施する」と記述しています。おそらくこの3,000匹とは、「野良猫(stray cat)」のみの数であり、ノネコ(feral cat)を含めていないのではないでしょうか。
 同団体の別の記事、第6回徳之島ごとさくらねこTNR 新聞記事 2016年02月02日 においては、
①TNRの期間 2014年~2016年にかけての約3年間
②TNR実施数 2,140(猫の生息総数3,000匹の71%)

との記述があります。そして同団体によれば、その後も徳之島でTNR事業を続けているとのことです。2016年時点で「島の(自由に徘徊している猫)の71%が不妊去勢され、その後もTNR事業が続けられ、その結果、2019年の不妊去勢猫の比率が13%と言うことはいずれにしても、完全にTNRにより猫の生殖抑制に失敗したということです。徳之島におけるTNRは、まさに歴史的愚策といっても差し支えないでしょう。


(動画)

 徳之島ごとさくらねこ一斉TNR 2017/09/20
 この動画では、徳之島のTNR団体が「アマミノクロウサギ猫被害死体ゼロに」としています。しかし今回取り上げた論文では、ノネコ野良猫とも、糞分析の結果から、アマミノクロウサギを含めて、在来希少生物が猫の捕食被害を受けているを証明しています。それは次回以降の記事で書きます。それにしても「悪性外来種とその捕食圧を受けている在来生物との共生を目指す」とは意味不明です。




(参考資料)

ノネコから解放されたアマミノクロウサギ 〜駆除による回復評価〜 Population release of Amami rabbit by feral cat control in Tokunoshima island 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨

2017年02月01日 (お知らせ)ネコによるアマミノクロウサギの捕食について(徳之島) (環境省)

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「奄美大島のノネコの殺処分は世界遺産登録機関であるユネスコの理念に反する」という支離滅裂な主張~「ノネコ殺処分・安楽死計画の根拠は科学的ではない」の非科学性を検証する






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 記事、 
「ノネコ殺処分・安楽死計画の根拠は科学的ではない」の非科学性を検証する   、
「ノネコ・野良猫は在来生物と共存関係にある」という妄言~「ノネコ殺処分・安楽死計画の根拠は科学的ではない」の非科学性を検証する
「アマミノクロウサギの死因は交通事故が多い」はトリック~「ノネコ殺処分・安楽死計画の根拠は科学的ではない」の非科学性を検証する
「アマミノクロウサギの生息域が拡大し、生息数が増えた」という嘘のからくり~「ノネコ殺処分・安楽死計画の根拠は科学的ではない」の非科学性を検証する
猫に捕食されている希少生物を保護するためにTNRを行う狂った日本~「ノネコ殺処分・安楽死計画の根拠は科学的ではない」の非科学性を検証する
の続きです。
 アマミノクロウサギなどの希少生物が猫の捕食被害を受けている徳之島で、TNRを行っている愛護(誤)団体などは、「奄美群島全域で猫のTNRをすべきで捕獲殺処分をするべきではない」と主張しています。奄美群島はユネスコの世界自然遺産登録の申請をしていますが、これらの団体などは「ノネコの殺処分は世界遺産登録機関であるユネスコの理念に反する」と主張しています。しかしそれは正反対で、支離滅裂もはなはだしいです。海外の、猫が在来生物を食害していた世界自然遺産登録地では、厳格に猫などの外来生物を駆除(殺処分)し、根絶しました。



 「ノネコの殺処分は世界遺産登録機関であるユネスコの理念に反する」と主張しているのは、徳之島でTNRを実施したTNR団体で活動している獣医師です。その主張を引用します。
 ノネコ殺処分・安楽死計画の根拠は科学的ではない。沖縄、奄美大島。2017年10月23日 。


アマミノクロウサギ絶滅危惧の原因はノネコにあり殺処分・安楽死を、というキャンペーンの根拠に獣医師らが疑問を呈している。
不妊手術を検討する前に大量殺処分を実施してしまうことは、世界遺産登録機関であるユネスコの理念に反する。



 しかし、奄美群島の希少生物を食害する外来種である猫を殺処分することが「世界遺産登録機関であるユネスコの理念に反する」との主張は支離滅裂です。この発言をした獣医師も、報道したメディアも、自らの無知蒙昧を恥じるべきでしょう。
 ユネスコの世界自然遺産とは、「顕著な普遍的価値を有する地形や地質、生態系、絶滅のおそれのある動植物の生息・生育地など」であり、「地球の生成と人類の歴史によって生み出され、過去から現在へと引き継がれてきたかけがえのない宝物」としています。その上で、「世界中の人びとが過去から引継ぎ、未来へと伝えていかなければならない人類共通の遺産」と定義されてます(世界遺産とは 公益財団法人 日本ユネスコ協会連盟)。
 つまり、「奄美群島の普遍的価値を有する、アマミノクロウサギなどの絶滅危惧種を含む生態系を保全し、元のままの形で次世代に引き継いでいくこと」が、世界自然遺産の登録の理念なのです。つまりアマミノクロウサギなどを食害する外来種の猫を島外排出、引き取り手がなければ殺処分やむなしとの方針は、世界自然遺産登録の理念に全く合致しているのです。

 奄美群島と同様に、島嶼での貴重な生態系が価値があるとされ、世界自然遺産に登録された近年のケースを取り上げます。近年オーストラリアで世界自然遺産に登録された島嶼には、マッコーリー諸島があります(オーストラリアの世界遺産)。
 マッコーリー島は、かつて人間が持ち込んだ猫などの外来種が移入しており、貴重な在来生物を食害していました。しかしオーストラリア政府は、世界自然遺産登録を機に、大変厳格にこれらの島内の猫の駆除(殺処分)を行い、ほぼ根絶に成功しました。猫などの外来種の駆除は、銃による射殺とわな、探知犬によります。
 オーストラリア政府の文書、This week at Macquarie Island: 17 February 2017 「今週のマッコーリー諸島 2017年2月17日」。2017年2月17日、から引用します。


Macquarie Island was discovered in 1810 by commercial fur sealers, and over the ensuing 80 years, six feral animal species established populations on the island as well.
Dogs and cats were reported as being feral in 1820.
Cats severely affected the island’s native fauna with estimates that a population of about 500 cats was killing around 60,000 seabirds per year.
Opportunistic cat control began in 1974 .
The cat eradication strategy grew from a single winter ranger in 1985 to a team of six in 1998 and employed techniques including hunting and trapping.
The last cat was shot on the island in June 2000, bringing the total of cats destroyed to 1689.
In late 2000, two dogs trained in cat detection were deployed to the island for the verification phase.
These dog teams combed the island to make sure that all signs of cats were gone.
The eradication was a success.

マッコーリー島は1810年に商業的なアザラシの毛皮業者によって発見され、その後80年間にわたり6種の移入野生動物種が島で増殖しました。
犬と猫は1820年に野生化していると報告されました。
約500匹の猫の集団が、年間約6万羽の海鳥を殺していたと推定されていて、島の原生動物相に深刻な影響を与えていました。
その場しのぎの猫の管理は、1974年に始まりました。
猫の根絶戦略は、1985年に1人の冬期の自然保護官から始まり、1998年には6人のチームに拡大し、狩猟やわななどの技術を採用しました。
最後の猫は、2000年6月に島で射殺されて、総数は1,689匹の猫が殺害されました。
2000年代後半には、猫探知の訓練を受けた2頭の犬が、猫の生存を確認する段階にある島に配備されました。
これらの猫探知犬のチームは、猫のすべての兆候がなくなったことを確認するために島をくまなく探しました。
マッコーリー島の猫根絶は成功しました。



 このように、オーストラリア政府は、マッコーリー諸島の世界自然遺産の登録を申請することを機会に、徹底した外来生物(猫など)の駆除を進めて、根絶にほぼ成功しました。それが、ユネスコの世界自然遺産登録の理念に合致するからです。その他に、オーストラリアでは多くのユネスコの世界自然遺産や世界複合遺産が登録されていますが、いずれも猫などの外来生物は駆除~根絶に成功したり、根絶の努力を続けています。複合遺産のタスマニア原生地域でも、現在、猫の根絶事業に大変力を入れています。
 まさに、徳之島で猫TNRを行っている団体関係者の、不妊手術を検討する前に大量殺処分を実施してしまうことは、世界遺産登録機関であるユネスコの理念に反する」は、正反対の大嘘です。このような発言をした方や報道したメディアは、本気でそう思っているのでしょうか。もしそうならば、あまりにも愚かですし、自らの無知蒙昧を恥じ入るべきです。このような方は、野生動物や生態系保全にはかかわらず、発言もしないでいただきたい。


(動画)

 Macquarie Island Pest Eradication - Hunting 「マッコーリー島における有害生物の根絶-狩猟」 2012/07/18 に公開
 探知犬による、ウサギや猫の探査作業。根絶に成功したとされながらも、その後も有害な外来生物が生き残っていないか、再移入していないかを徹底して調べています。それが、ユネスコ世界自然遺産の登録の意義、「顕著な普遍的価値を有する地形や地質、生態系、絶滅のおそれのある動植物の生息・生育地など」であり、「地球の生成と人類の歴史によって生み出され、過去から現在へと引き継がれてきたかけがえのない宝物」を、「世界中の人びとが過去から引継ぎ、未来へと伝えていかなければならない人類共通の遺産」を守るということです。
 奄美群島でノネコ対策がおろそかになり、アマミノクロウサギが仮に絶滅してしまったのならば、それこそユネスコの世界自然遺産登録の理念に反します。正直、「バカも休み休み言え」と言いたくなります。




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プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
当ブログのレコード
・1日の最高トータルアクセス数 8,163
・1日の最高純アクセス数 4,956
・カテゴリー(猫)別最高順位7,227ブログ中6位
・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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