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「ペットを貨物室に預けなければならない日本の航空会社は終わっている」という、DaiGoの無知無学






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 今月2日に、羽田空港の滑走路上でJALの旅客機と海上保安庁の航空機が衝突炎上しました。海上保安庁機では乗員6名中5名が死亡、JAL機は379名の乗員乗客は無事でした。しかし貨物室に預けられていたペット2頭は救出できませんでした。この事件を受けて、ユーチューバーのDaiGo氏など複数人が「ペットを客室に同乗させることができない日本の航空会社は終わっている。海外では客室同乗が当たり前。このような事故ではペットは飼主と一緒に脱出できる」という批判を繰り広げています。しかしこれは誤りです。海外の航空会社でも多くがペットの客室での同乗を認めていません。また同乗を認めている航空会社でも航空約款ではペットは「貨物・手荷物」扱いですので、本件のような事故ではペットを携行して乗客は脱出することが禁じられています。ペットが絡むと、何かにつけて馬鹿の一つ覚えで海外出羽守がわらわらと湧いてくるのは不思議です。


 まずサマリーで示した、ユーチューバーのDaiGo氏のXの投稿がこちらです。


(画像)

 メンタリスト DaiGoから。2024年1月4日

DaiGo バカ


(動画)

 「日本の航空会社が終わってる」メンタリストDaiGo 航空会社の“ペットの貨物扱い”を非難も「人命優先」と波紋 【反応】 2024年1月5日

 上記のDaiGo氏の発言に対する批判的な意見。

羽田空港での日本航空と海上保安庁の航空機衝突事故では日本航空の旅客機乗客・乗員は脱出成功し、海上保安庁の機体にいた6人中5人が死亡。
機内の貨物室に預けられた2匹のペットは救出できなかった。
メンタリストのDaiGoは事故を受け日本の航空会社のペット取り扱いを批判し、緊急脱出可能ならペットも同行可能との意見を述べた。
ペットの緊急脱出は難しく、航空会社や旅客の異なる立場からさまざまな意見が寄せられている。





 DaiGo氏の発言、
1、ペットを貨物室に預けなければいけない決まりにしている日本の航空会社が終わってる。
2、海外なら家族同然に膝の上に乗せたり、ペットの席を取れるようになっている国も多い。
ですが、DaiGo氏は上記の発言では「海外ではペットは客室に普通に飼主と同乗できる。ケージから出して膝の上に自由に載せたりできる状態なので、こんかいのJALの事故のようなケースでは、(3、)ペットは飼主と共に避難できる」と、別のメディアで持論を述べています。しかしDaiGo氏のこの発言は誤りです。彼が無知無学で本当に知らないのでしょうか。

 まず「1、」ですが、ヨーロッパでは最大の航空会社と3位の航空会社はペットの客室同乗を認めていません。他にも多くのペット客室同乗不可の航空会社が多数あります。また他にも多くのヨーロッパ資本の航空会社がペットの客室同乗を認めていません。認めている航空会社であっても、到着地がアイルランドもしくはイギリスの場合は不許可としている会社があります。これは両国の検疫制度の関係と思われます。
 ヨーロッパに就航している航空会社はアラブ系資本の会社もいくつかありますが、アラブ機航空会社はペットの客室同乗を認めていない会社が多くあります。アメリカの航空会社もペットの客室の同乗を認めているところと認めていないところと様々です。日本でも客室にペット同乗ができる航空会社があります。

 次に「(ペットの旅客機での客室同乗では)海外なら家族同然に膝の上に乗せたり、ペットの席を取れるようになっている」ですが、これも誤りです。DaiGo氏には、その具体的な国と航空会社を挙げていただきたいです。客室でケージに密封していない状態の動物が写っている写真や動画もありますが、例外なく盲導犬馬や介助犬馬、精神科介助動物(Emotional Support Animals)です。アメリカのごく一部の航空会社は、精神科介助動物の客室搭乗を認めています。それにはその動物が特別の訓練を受けたことの証明が必要です。
 おそらく海外の航空会社では客室内でペットを自由にケージから出せる」というのは、盲導犬や介助犬、精神科介助動物を勘違いしていると思われます。(*)ペットは客室に同乗できたとしても、ケージから出すことを許可している航空会社は私は知りません。

(*)
Which Airlines Allow Emotional Support Animals

 その上で「3、」のように、「だから海外では緊急時には客室に同乗させたぺットと共に脱出できるのだ」とDaiGo氏は主張し、「日本航空会社は終わっている」と罵っているわけです。しかしこれも大きな勘違いです。
 旅客機の客室に同乗させたペットは、航空約款ではあくまでも「貨物・手荷物」です。ですから緊急時の脱出時で手荷物の傾向が禁止された場合は、ペットを連れて脱出できません。その点については、国際航空運送協会 IATA が「生きた動物の航空機における輸送規則(Live Animals Regulations (LAR))」のひな型を作成しています。全世界の航空会社の82%が同協会に加盟していますので、少なくとも82%以上の航空会社の航空約款では「客室に同乗させたペットは手荷物扱いとする」となっているはずです。

 航空機事故での緊急脱出時には、避難の妨げにならないように両手が自由になるように手荷物の携行は禁止されます。今回のJAL機炎上事件でも、脱出の際はポケットに入らなければ財布の携行も許されず、乗客はそれに従いました。だからこそ奇跡的な「死者ゼロ」の脱出ができたのです。
 当然同様の事故では、海外でもペットを客室内に同乗させていたとしてもケージから出すことが禁じられており、手荷物=ペットの携行は禁じられます。ですからペットを貨物室に預けても、客室に同乗させても今回の事故のような緊急時ではいずれにしてもペットは助からないのです。それが国際標準です。参考のために、アメリカの航空関係者によるQ&Aサイトから引用しておきます。


Do commercial airlines have procedures for evacuating pets from the cabin in an emergency?

Pets are technically cargo/baggage as you note in the question, and treated as such.
In other words in case of an emergency evacuating the passengers is a priority and as you would be instructed to leave your baggage behind you would more than likely be instructed to leave any pets behind.
The Federal Aviation Administration (FAA) allows each airline to decide if they will allow you to travel with your pet in the passenger cabin.
If an airline does allow you to bring your pet into the cabin, we consider your pet container to be carry-on baggage and you must follow all carry on baggage rules (14 CFR part 121, section 121.589).
The exception to this is service animals which are not treated as pets.

質問に記載されているようにペットは厳密にいえばには貨物/手荷物であり、そのように扱われます。
言い換えれば緊急事態の場合には乗客を避難させることが最優先となりますので、手荷物を機内に残すよう指示されるのと同じように、ペットも残していくよう指示される可能性が高いということです。
アメリカ連邦航空局 (FAA) は、客室内でのペットの同伴を許可するかどうかを各航空会社が自由裁量で決定できるとしています。
ただし航空会社がペットの客室内の持込みを許可している場合は、ペットを入れた容器は機内持ち込みの手荷物とみなされ、「機内持ち込み手荷物に関するすべての規則」に従う必要があります。
ペットとして扱われない介助動物(盲導、介助動物)は例外です。



 次回以降は、DaiGo氏の発言の「1、ペットを貨物室に預けなければいけない決まりにしている日本の航空会社が終わってる」、「2、海外なら家族同然に膝の上に乗せたり、ペットの席を取れるようになっている国も多い」が誤りであることを述べます。
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猫飼育者の女が高齢男性を撲殺した事件でマスコミが速攻で「猫」という文言を消した不思議






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Domestic/Inländisch

 今年の7月18日に広島県で猫を飼育している女が、同じアパートに住む80歳の男性を猫の飼育を巡ってトラブルになり、その男性を殴るけるなどして殺害しました。最初に事件を報道したマスコミは、容疑者の女が猫を飼育していてそれを巡ってトラブルになっていたことを伝えましたが、直後にマスコミはことごとく「猫」の文言を削除しました。さらに再公開されたこの事件を伝える記事も異例の速さで削除しました。おそらく猫愛誤活動家らがマスコミに集団で申し入れをし、「猫」を削除させたのだと思います。猫愛護活動家らは、猫飼育者の粗暴で凶悪な事件が表ざたになるのは都合が悪いらしいです。


 今月18日に広島市で猫飼育者の64歳の女が同じアパートに住む80歳の男性を殴るけるなどして殺害した事件がありました。第一報では、その女は猫を飼っており、猫の飼育に関して80歳男性とトラブルになっていたとしていました。私は64歳の女の容疑者は複数の猫を放飼いし、かつ野良猫にもアパート周辺で餌をやっていたのではないかと推測します。
 以下は、その事件を伝える、広島テレビTSSのネット配信ニュースの最初の報道の「猫」の文言が入った記事のスクショの画像です。現在はこの記事も削除されています。


(画像)

FNN 64歳の女


 同じ事件をヤフーニュースが報じています。7月18日の第一報の記事の見出しが最初の画像、同日にすぐに文章から「猫」の文言を削除し「ペット」と改められた記事が再公開されました。それぞれの記事のその見出しが下の画像です。


(画像)

最初に公開された記事
ペット 猫 トラブル

同日に速攻で「猫」の文言が削除された記事
ペットトラブル 殺人事件


 そして上記の記事は、異例の速さで数日後に削除されました(ペットの猫を巡るトラブルの可能性 同じアパートに住む80歳の男性を蹴り死亡させた疑い)。現在も同じ事件を報道する記事では、すべてで「猫」の文言はありません。例えば以下の記事です。ものの見事に「猫」には一切触れていません。


アパートで80歳男性を蹴り、死なせたとして、64歳の女が逮捕された。 2024年7月18日 FNN

傷害致死の疑いで逮捕された無職・池田絹子容疑者(64)は17日夜、広島市の自宅アパートの廊下で、同じアパートで隣の部屋に住む土谷哲男さん(80)の顔や腹を複数回蹴るなどして死亡させた疑いがもたれている。
警察は2人に面識があり、何らかのトラブルがあったとみて、事件のいきさつを調べている。



 猫愛誤活動家らにとっては、猫飼育者が凶悪犯罪を多く犯していることが知れ渡るのは余程都合が悪いのだと思います。地域猫/TNRを進めたい団体などは、地域で猫活動/TNRを行うことで粗暴で殺人すら起こしかねない猫愛誤活動家らが跋扈するのが知れ渡れば、地域猫活動/TNR活動に反対する人が増え、支障をきたしかねないとでも思っているのでしょう。
 実際に猫愛誤家が起こした凶悪犯罪は多いのです。ですから私たちは猫愛誤に騙されずに、地域ねで地域猫やTNRの話が出たならば、全力で反対しなければなりません。地域猫/TNRを口実に粗暴な凶悪犯罪者予備軍を地域にのさばらせば、地域の治安は著しく悪化します。


(画像)

 猫愛誤家が起こした凶悪犯罪は実は大変多いです。

猫愛誤 犯罪リスト

「猫は人を襲わない」は大嘘~高齢女性を襲った「殺人未遂犯」は野良猫だった






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Domestic/Inländisch

 日本では、犬は狂犬病予防法などにより野犬、野良犬は行政機関に捕獲されます。その多くは殺処分されます。また、狂犬病予防法などでは、狂犬病予防接種と畜犬登録、係留は犬のみに義務付けられています。犬とともに、日本で最も人気が有り、飼育数も犬より多くなった猫では、飼育管理に関する法律の規定がなく、野放し状態です。その理由は「猫は人を襲わない。犬のように危険ではないから」です。しかしそれは大嘘です。


 私は今まで、日本が狂犬病予防接種を犬だけに義務付けている矛盾をしばしば取り上げてきました。国内のペットの狂犬病予防接種を義務付けている国は日本以外では、アメリカのいくつかの州だけと思われます(国外からの持ち込みは、ほぼすべての国で犬猫とも義務とされています)。さらに、アメリカで狂犬病ワクチンを義務付けている州は、ほとんどが犬猫(フェレットも含む)ともです。日本のように、「犬のみ義務としている」国は、国際的には例外かつ特異です(*1)。
 その理由は「猫は犬と違って人を襲わないから」とされています。甚だしきは「猫は狂犬病に感染しない」と誤解している人もいるぐらいです。しかし、アメリカでは狂犬病感染個体の発見数は、2015年では猫が犬の4倍です(*2)。日本での狂犬病の最後の感染例は猫でした(*3)。またこれから取り上げますが、猫が人を襲う事件はかなり発生しています。ですから、「猫は犬のように人を襲わないから狂犬病予防接種は必要ない」、「野良猫は温存しても良い」、「放し飼いは許容されるべきだ」は誤りです。

 狂犬病などの感染リスクを除外しても、猫による攻撃により、かなりの重傷を負った事件が国内外であります。最近も日本で、寝たきりの高齢女性が野良猫に襲われて重傷を負うという事件が発生しています。
 「殺人未遂犯は野良猫」 高齢女性重傷で熊本県警 2017年12月27日のニュースソースから引用します。


熊本県警は27日、同県御船町の住宅で11月に寝たきり状態の高齢女性が顔に負った多数の重い切り傷が、野良猫によるものだったと断定したと明らかにした。
県警は当初、殺人未遂容疑事件として捜査したが、家族が世話をしていた1匹の爪から、女性のものとみられる血液を検出した。
保健所は猫を一時預かっており、譲渡先を探している。



 この事件の報道を受けて、「猫を殺処分するな」という意見がSNSなどのインターネット上で拡散されました。人を現に襲った猫を「殺処分するな」という意見が、即拡散されるのには違和感を感じます。それよりも、適正な飼育管理のあり方などの議論にならないことは、日本の動物愛護の幼稚さを感じます。
 それはさて置き、猫が人を襲う事件は、国内外ではしばしば発生します。私はかつて、フランスで女性と女性が連れていたプードルが複数の野良猫に襲撃され、女性も犬も重傷を負った事件を取り上げています。そのニュースソースを再び引用します。Warning to tourists in France after attack by feral cats 「野良猫による攻撃がありました。フランスへ行かれる観光客に警告します」。2013年7月25日。


About six cats pounced on the unnamed dog owner as she walked her poodle in the city of Belfort,dragging her to the ground and mauling her.
She was bitten repeatedly and left with a torn artery which could have proved fatal, while the dog was also badly hurt.
It is thought that particularly high summer temperatures may have made the cats far more aggressive than usual.
"The feral cats bit her on the leg and on her arms. They even pierced an artery," Mrs Galliot told.
Tourists from countries like Britain should certainly be wary – they should certainly not approach these cats, or try to feed them.
There are an estimated 8,000 feral cats born in France every day .

約6匹の猫は、(フランスの)ベルフォールの街で、プードルを連れて散歩している女性をいきなり襲いました。
そして彼女を地面に引き倒し、裂傷を負わせました。
彼女は何度も噛みつかれて、犬もひどく傷つきました。
そして致命傷となる可能性が証明できる、動脈裂傷が残されました。
特に夏の高い気温が、猫をいつもよりはるかに攻撃的にした可能性があると思われます。
「野良猫は私の足と腕に噛み付きました。それは動脈まで達しました」と被害者のギャリオットさんは話しました。
イギリスなどからの観光客は、確かに警戒する必要があります - 観光客らは、これらの猫に近づいたり、餌やりしたりしようとしてはならないのは間違いありません。
フランスでは毎日、野良猫が8,000匹も生まれていると推定されています。



 さらに深刻な事件もあります。アメリカ、ニュージャージー州では、狂犬病に感染した猫が、多くの子供を突然襲いました。この事件は、偶然ビデオ撮影されています。ビデオを見ればわかりますが、子供たちは、何ら猫を刺激したり、挑発するような行為はしていませんでした。


(動画)

 Point Pleasant Beach Cat attack 「ポイント・プリーザントビーチでの猫の攻撃」。2009年8月25日公開。

Rabied cat attack Jersey shore August 2009, Hard to beleive(believeが正しいと思われる), town needs to act quickly.

狂犬病に感染した猫が、2009年8月にジャージー州の海岸で子供を襲いました。
信じがたいです。
町は早急に、対策を講じる必要があります。




 上記の事件を受けての、自治体の対応と、その後の経過を伝えるニュースがあります。Point Pleasant Beach plans cat roundup after rabies outbreak 「ポイント・プリーザント・ビーチ自治体は、狂犬病発生後、猫対策の計画をまとめました」。2009年8月29日。さらにニュージャージー州の自治体では現在、TNRも含めて、野良への給餌を厳しい罰則により、一切禁じる条例が多数制定されています。


Point Pleasant Beach plans to round up feral cats after an outbreak of rabies in a town home to an estimated 300 stray cats.
Attacks by cats, including two children in separate incidents, alarmed residents, who expressed concerns in a Wednesday town hall meeting, according to the report.
A cat that tested positive for rabies attacked 17-year-old Kenny Pringle in his backyard, the report said.
Council members said the stray cat problem stems from people abandoning pets, and others providing foodand water to colonies.

ポイント・プリーザント・ビーチは住宅地での狂犬病発生後、推定300匹の野良猫を捕獲する予定です。
別々の事件で2人の子供が猫に攻撃され、警戒した住民の報告書により水曜日の自治体議会で懸念が表明されました。
狂犬病検査で陽性の猫が、17歳のケニー·プリングル君を彼の家の裏庭で攻撃したと、報告書は述べています。
自治体議会議員らは、野良猫の問題は、ペットを捨てる人々がいて、そして他の人がそれらの猫の群れに水や食料を与えることが原因だと述べています。



 以上の事件により、「猫は人を襲わない。だから犬と異なり危険ではないから、狂犬病対策もしなくて良い。また放し飼いでよく、野良猫を温存させても問題はない」が、誤りであることがお分かりいただけると思います。次回記事では、他国の猫が人間を襲った事件をいくつか取り上げます(続く)。


(参考資料)

State Rabies Laws 「アメリカ合衆国 州の狂犬病法」。AVMA(全米獣医師学会)資料

The Burden of Rabies 「狂犬病の負担」。
 CDC(アメリカ連邦疾病予防管理センター)の統計によれば、2015年の狂犬病感染個体数は、猫が犬の4倍である。

狂犬病に関するQ&Aについて

続・「アメリカでは猫の殺害が懲役16年になった判決」は日本の動物愛護管理法違反事件の参考にならない



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(Summary)
No charges for Texas veterinarian who killed cat with bow and arrow
BELLVILLE, Texas - A Houston-area veterinarian who killed a cat with a bow and arrow will not face charges at this time after an Austin County grand jury declined to indict her for animal cruelty, reports CBS affiliate KHOU.


 前回記事、「アメリカで猫の殺害が懲役16年になった判決」は日本の動物愛護管理法違反事件の参考にならない、の続きです。今年、税理士である大矢誠被告人が、野良猫(非占有、無主物の猫)を私有地内で捕獲して殺害する様子の動画をインターネットで公開しました。その容疑大矢被告人は逮捕、起訴され、一審で「懲役1年10ヶ月執行猶予4年」の判決が言い渡されました(*)。起訴前から、「日本の動物虐待に対する罪は軽すぎる。大矢誠被告人の実刑にすべし」という署名サイトがいくつも立ち上がりました。では海外先進国と比較して、日本の動物虐待に対する処罰は軽いのでしょうか。「日本の動物虐待に対する処罰が軽すぎる」という根拠に、「アメリカで猫の殺害が懲役16年になった判決」を根拠として挙げている方が多いです。しかしこのアメリカの判決は、大矢誠被告人の事件とは異質です。前回記事では、アメリカの本事件は主たる犯罪が「窃盗罪」であり、大矢誠被告人の事件とは異質であることを書きました。アメリカでは、大矢誠被告人と近似の事件である、私有地内に侵入した近隣の飼い猫を弓矢で射殺した女性獣医師は刑事訴追を受けていません。さらにアメリカの複数の州では、野良猫の狩猟を推進しており、飼い猫とは法律上異なる扱いをしています。

(*)【猫惨殺裁判】杉本彩 執行猶予判決に怒る 「法律で裁かれなくても見合った罰は下るはず」(2017年12月13日)
なおこの記事でも、「アメリカでは猫殺害事件では懲役16年の判決となった」とありますが、この事件が窃盗罪であることに触れていません。
都合の良いつまみ食い、「事実の抜き書き」報道であり、マスメディアの報道としてあるまじきことだと思います。


 日本の動物愛護管理法(動物の愛護及び管理に関する法律)44条4項の1においては、特定の動物を「人が占有していない。非占有」であっても、占有されているものと同位の保護をしています。つまり44条1項の、「みだりな殺傷」の処罰は、特定の動物に対しては、人の占有、非占有にかかわらず、同じ処罰を受けます。
 しかし、「特定の動物が人の占有非占有にかかわらず同位の保護を受ける」規定がある、日本の動物愛護管理法は、国際的にはむしろ例外です。私が今まで述べてきたとおり、ドイツの連邦動物保護法(Tierschutzgesetz)が適用されるのは、「人に占有」されている動物だけです。特に犬猫は、仮に飼い主があったとしても、飼い主が管理していない状態(非占有)であれば、ドイツ連邦狩猟法(Bundesjagdgesetz)23条により、一年を通じて積極的な狩猟駆除の対象とされています。オーストリアも同様です。オーストラリアは積極的な犬猫の狩猟駆除を国家事業として行い、民間人ハンターにも推奨しています。特にニュージーランドの一部自治体では、「野良猫の駆除は土地所有者の義務である」とされています。スイス、オランダは猫に関しては外来生物と同じ扱いで、一年を通じて狩猟駆除が推奨されてます。これらの国にはもちろん犬猫の保護を規定した法律がありますが、占有(飼い犬猫)と非占有(野良犬猫、もしくは飼い主がいても管理していない状態)とは明確に区分しています。

 大矢誠被告人が殺害した猫は野良猫(非占有。無主物)です。つまり上記の国々(ドイツ、オーストリア、スイス、オランダ、オーストリア、ニュージーランド)では、飼い猫の殺害の規定を受けません。例えばドイツでは、狩猟免許を持っていれば、大矢誠被告人の行為を罰することはできません。ドイツには、動物の、特段残酷な殺害を加重処罰する「動物虐待規定(animal cruelty)」はありません(「連邦狩猟法」Bundesjagdgesetz19条では、狩猟動物の殺害においてできるだけ苦しめないとはありますが、処罰規定はありません)。仮に狩猟免許がなくても、無資格狩猟は行政罰のみです(ただしドイツ16州のうち、ノルトライン-ヴェストファーレン州のみは猫の狩猟を禁じている。違反は5,000ユーロまでの行政罰)。
 同様に、アメリカの複数の州では、野良猫を積極的に狩猟駆除すべきと定めています。例えばワイオミング州ですが、1年を通じてほぼ無制限に野良猫の狩猟が合法です。また、野良犬猫もしくは無登録の犬猫(飼い主があったとしても)は、殺害して良いとされています。つまり大矢誠被告人が殺害した猫は野良猫であり、ワイオミング州では合法となります。以下に、ワイオミング州の根拠となる州法を引用します。


Predatory Animal Control Laws, Rules, and Regulation
CHAPTER 6 - PREDATORY ANIMALS
ARTICLE 1 - CONTROL GENERALLY
11-6-101. Permission to eradicate upon refusal of entry by property owner.
Whenever predatory animals become a menace to livestock owned or controlled by any resident of Wyoming and the owner or lessee of any real estate in the vicinity where the livestock is ranged or pastured refuses permission to the owner of the livestock,his agents or employees, to enter upon the real estate for the purpose of destroying such predatory animals, entry may be obtained as provided by W.S.
11-6-102. Application to county commissioners; hearing; determination; limitation on use of firearms.
The owner of the livestock may file a written application with the board of county commissioners of the county where the real estate is located, applying for permission to eradicate predatory animals.
ARTICLE 3 - WYOMING ANIMAL DAMAGE MANAGEMENT PROGRAM
11-6-302. Definitions.
(a) As used in this article:
(ix) "Predatory animal" means:
(A) Coyote, jackrabbit, porcupine, raccoon, red fox, skunk or stray cat

農業、畜産およびその他の動物
第6章 有害動物
第1条 管理の総則
11-6-101 不動産所有者による、それらの動物の侵入防止に基づき、その動物を根絶することの許可。
有害動物がワイオミング州の住人によって所有または管理されている家畜に対する脅威になり、そのような有害動物を殺害する目的で不動産に入ることを、家畜が牧場や牧畜されている周辺の不動産の所有者または賃借人が、家畜の所有者、代理人または従業員に対して許可をしなかった場合は、ワイオミング州によって立ち入りの許可が与えられ、行うことができます。
11-6-102 郡の委員会への申請。聴聞、決定、銃器の使用制限。
家畜の所有者は、不動産が所在する郡の郡委員会に書面で申請し、有害動物を根絶する許可を申請することができます。
第3条 ワイオミング州における動物の害を制御するプログラム
11-6-302 定義
(a)この条文で使用されているもの
(ix)「有害動物」とは、
(A)コヨーテ、ジャックラビット、ヤマアラシ、アライグマ、アカキツネ、スカンクまたは野良猫


TITLE 11. AGRICULTURE, LIVESTOCK AND OTHER ANIMALS. CHAPTER 31. DOGS AND CATS. ARTICLE 1. IN GENERAL.
§ 11-31-211 Property rights in unlicensed dog or cat; no right of action for destruction.
The owner of a dog or cat has no property right in an unlicensed dog or cat, nor does he have any right of action against any person for the destruction of the dog or cat.

農業、畜産およびその他の動物に関する州法 第31章犬と猫  第1条総則
§11-31-211 無免許(飼育のための許可登録を行っていない)の犬または猫の財産権について。
殺害されたことに対しての権利はありません。
犬または猫の飼い主においては、無免許の犬または猫には財産権がありませんし、また、犬または猫が殺害されたとしても、いかなる人に対しても行動する権利(註 損害賠償を求めるなど)がありません。



 その他の点でも、アメリカの判例をもって「日本の動物虐待の罪は軽すぎる」とするのは、無知蒙昧です。無知蒙昧な方には、耳かき一杯の法律論を説明したとしても、頭が飽和状態で入らない徒労となるとは思いますが。
 前回記事で書いたとおり、アメリカの刑事司法制度においては、量刑は単純加算されます。ですから有罪になった場合は、量刑が日本より極端に重くなることが多々あります。この点については、教えて!goo 山ほど同様の犯罪を繰り返した場合の量刑の決め方について、のベストアンサーが良い回答をしています。
 さらにアメリカの場合は、刑事事件では起訴前段階から一般市民が参加する制度が有り、裁判においても陪審制を採用しています。一般市民が裁判に参加することで、判決が極端に振れる傾向があります。
 これ以上は長くなりますので触れません。結論を言えば、「アメリカでは猫を殺害した犯人に対しては懲役16年の判決がある。だからそれに比べれば日本の動物虐待の処罰は軽すぎる」と騒いでいる人達は、あまりにも無知蒙昧で愚かです。都合の良い事実のつまみ食いで、誤った事実を拡散するのは実に有害です。生半可な、断片的な情報のつまみ食いで法律を論じるのは無責任です。


(画像)

 アメリカ、CBSニュース、No charges for Texas veterinarian who killed cat with bow and arrow 「弓と矢で猫を殺したテキサス州の女性獣医師に対する刑事告発はありません」。2015年6月25日、から。これが女性獣医師が猫を弓矢で殺害し、FaceBookでその死体を公開した画像。

クリスティン 刑事訴追なし


 「私有地内に侵入した猫を弓矢で殺害して、その死体をFaceBookで公開した女性獣医師」の事件は、日本では間違いなく動物愛護管理法44条1項の、「みだりな愛護動物の殺傷」となり、有罪になると考えられます。ですから「日本が著しく動物虐待に対する処罰が海外と比べて軽い」とは言えません。「(飼い)猫を(窃盗して)殺害したアメリカの事件は懲役16年になった。だから日本は動物虐待に対して海外と比べて処罰が軽い」と主張している人たちは、原文でアメリカの事件(猫を殺害して懲役16年になった判決)を読んでいるとは思えません。
 日本での本事件の報道では、殺害された猫が飼い猫であることを意識的なのかどうかはわかりませんが、触れていないからです。「都合の良いところだけの抜き書き」です。したがって、アメリカの本事件(猫を殺害して懲役16年になった判決)をもって、「日本の動物虐待に対する処罰は軽い」と主張している人たちは、あまりにも無知蒙昧です。アメリカの「猫の殺害で懲役16年の判決」になった事件と日本の本事件を比較するのであれば、アメリカの事件の概要を原文で確認する責任があります。

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「アメリカで猫の殺害が懲役16年になった判決」は日本の動物愛護管理法違反事件の参考にならない



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No charges for Texas veterinarian who killed cat with bow and arrow
BELLVILLE, Texas - A Houston-area veterinarian who killed a cat with a bow and arrow will not face charges at this time after an Austin County grand jury declined to indict her for animal cruelty, reports CBS affiliate KHOU.


 今年、税理士である大矢誠被告人が、野良猫(非占有、無主物の猫)を私有地内で捕獲して殺害する様子の動画をインターネットで公開しました。その容疑大矢被告人は逮捕、起訴され、一審で「懲役1年10ヶ月執行猶予4年」の判決が言い渡されました(*)。起訴前から、「日本の動物虐待に対する罪は軽すぎる。大矢誠被告人の実刑にすべし」という署名サイトがいくつも立ち上がりました。では海外先進国と比較して、日本の動物虐待に対する処罰は軽いのでしょうか。「日本の動物虐待に対する処罰が軽すぎる」という根拠に、「アメリカで猫の殺害が懲役16年になった判決」を根拠として挙げている方が多いです。しかしこのアメリカの判決は、大矢誠被告人の事件とは異質です。

(*)「猫虐待」元税理士に懲役1年10月 、執行猶予4年…東京地裁判決 弁護士ドットコムニュース(2017年12月12日)


 「日本の動物虐待の罪は軽すぎる」という根拠に、「アメリカでは猫の殺害で懲役16年の判決がある」と拡散している人たちですが、以下の検索結果にあります。大矢誠 アメリカ 懲役16年。結論から言えば、「アメリカの猫の殺害での懲役16年の判決」と、大矢誠被告人の事件は全く異質、かつアメリカと日本の司法制度が異なるために比較することは愚かです。アメリカの本事件は、殺害した猫は盗んだ飼い猫です。アメリカの本事件は、窃盗罪などとの量刑が加算(*1)されているという点では、大矢誠被告人の事件とは全く異なります。
 まず、アメリカ、カリフォルニア州における、「猫の殺害で懲役16年の判決」ですが、アメリカのメディアによるニュースソースを引用します。Serial cat killer sentenced to 16 years in jail 「16年の懲役刑の判決を言い渡された連続猫の殺害犯」。2017年7月17日。


Robert Farmer, 25, was sentenced to 16 years for abducting, torturing and killing nearly two dozen cats that he stole from the streets of a San Jose neighborhood.
A judge read the names of the cats aloud during Farmer’s sentencing, and noted that the body of a tabby cat named Go-Go had not yet been found.
Go-Go’s owner, Miriam Petrova, said Friday’s sentencing provided closure for her and others whose pets were Farmer’s victims.

ロバート・ファーマー被告人(25歳)は、サンノゼ近郊の街から盗んだ約2ダースの猫を捕獲、虐待し、殺害したために16年間の懲役刑の判決を受けました。
裁判官はファーマー被告人の判決の際に、猫の名前を朗読しましたが、「ゴーゴー」と呼ばれる縞模様の猫の死体はまだ見つかっていないと指摘しました。
ゴーゴー(猫の名前)飼い主である、ミリアン・ペトロヴァ氏は、金曜日の判決では、彼女と他の人たちのがファーマー被告人の犠牲だったと語りました。



 上記のニュースソースにあるとおり、アメリカ、カリフォルニア州で20数匹の猫を殺害し、懲役16年の判決を受けた被告人の事件では、殺害された猫は「飼い猫」です。そして被告人は自己所有地の外で、他人の所有物である飼い猫を捕獲(窃盗)しました。ですから本事件は、動物虐待事件というよりは、むしろ窃盗罪と理解すべきでしょう。種となる犯罪事実は窃盗罪で、それに動物の殺害などの刑が加算された判決と考えるのが妥当です。猫の殺害よりも、窃盗罪の方がはるかに法定刑が重いのでから。
 例えば同様の事件が日本で起きた場合は、窃盗罪と動物愛護管理法44条1項違反(愛護動物のみだりな殺傷の禁止)などとの併合罪になります。窃盗罪は、最高で懲役10年になります。動物愛護管理法44条1項違反では、最高で懲役2年となります。それを併合罪ではなく量刑を単純加算するアメリカでは、懲役16年という判決は、日本との刑事司法制度との違いを考慮すれば、特段アメリカが動物虐待に対しての処罰が重いとは言えません。
 ましてや、大矢被告人(猫を殺害し、その様子の動画をインターネット上で公開した)の事件では、殺害された猫は野良猫(無主物)です。つまり窃盗罪は成立しません。また野良猫の捕獲は自己所有地内で行われていました。また大矢被告人は野良猫から財産に対する被害を受けており、野良猫の殺害は、その防除という意味もあります。

 アメリカでは上記の、「飼い猫20数匹を窃盗し殺害した事件での懲役16年の判決」より、大矢被告人の猫殺害事件により近い事件があります。それはテキサス州で発生した事件ですが、女性獣医師が自己所有地に侵入した近隣の飼い猫を、弓で射殺した事件です。女性獣医師は、射殺された猫の死体をFaceBookで公開しました。女性獣医師は「私有地内に侵入する猫から、私有財産を守るためにその猫を殺害した」のです。この事件では、女性獣医師は刑事訴追を受けませんでした。
 なぜならばテキサス州法では「自己所有地内に侵入する犬猫から私有財産を守るために、侵入する犬猫を殺害することは合法」だからです。まさに大矢誠被告人の事件は、このテキサス州の、女性獣医師が自己所有地内に侵入した猫を射殺した事件に近似しています。
 ALDF Fights to Bring Kristen Lindsey to Justice 「ALDF(アメリカの大手動物愛護団体)は、クリスティン・リンジーに正義の制裁を与えるために戦います」。2016年4月、から引用します。


A grand jury investigated the killing but, in June 2015, found there was “insufficient proof” to charge Lindsey with animal cruelty.
The Austin County District Attorney’s office then closed the case, claiming it could not confirm where the cat was killed, whether the cat had an owner, and whether the cat was killed “in a cruel manner.”

大陪審(*1、)がクリスティン・リンジー獣医師の猫の殺害について調査しましたが、2015年6月に、それが動物に対する残虐行為であることを証明するには不十分であることが判明しました。
オースティン郡の地方検察庁は、猫がどこで殺されたか、飼い主がいるかどうか、猫が 「残酷な方法で殺された」のかどうかを確認することができないと主張して、事件を終結させました。


*1大陪審

大陪審(だいばいしん、英: grand jury)は、一般市民から選ばれた陪審員で構成される、犯罪を起訴するか否かを決定する機関をいう。
起訴陪審(きそばいしん)ともいう。
大陪審は、アメリカ合衆国において、権力分立(チェック・アンド・バランス)の仕組みの一貫と考えられており、検察官の処分だけで事件が裁判(トライアル)に付されるのを防ぐという意図がある。


 このような記事もあります。No charges for Texas veterinarian who killed cat with bow and arrow 「弓と矢で猫を殺したテキサス州の女性獣医師に対する刑事告発はありません」。2015年6月25日。


BELLVILLE, Texas - A Houston-area veterinarian who killed a cat with a bow and arrow will not face charges at this time after an Austin County grand jury declined to indict her for animal cruelty, reports CBS affiliate KHOU.
The jury "no-billed" the animal doctor, indicating they examined all the evidence and determined there was insufficient proof to charge.

テキサス州ベルヴィル - オースティン郡の大陪審が動物の残虐行為により、女性獣医師を刑事起訴することを拒否した後に、弓と矢で猫を殺したヒューストン地区の女性獣医師は、現在刑事告発されることはないと、CBS系列のKHOUは報道しています。
陪審員は女性獣医師に対して、「刑事告発状を提出していない」と言い、さらにすべての証拠を精査しましたが、本事件では、刑事告発を請求するには不十分であるとの判断を示しています。



(画像)

 アメリカ、CBSニュース、No charges for Texas veterinarian who killed cat with bow and arrow 「弓と矢で猫を殺したテキサス州の女性獣医師に対する刑事告発はありません」。2015年6月25日、から。これが女性獣医師が猫を弓矢で殺害し、FaceBookでその死体を公開した画像。

クリスティン 刑事訴追なし


 「私有地内に侵入した猫を弓矢で殺害して、その死体をFaceBookで公開した女性獣医師」の事件は、日本では間違いなく動物愛護管理法44条1項の、「みだりな愛護動物の殺傷」となり、有罪になると考えられます。ですから「日本が著しく動物虐待に対する処罰が海外と比べて軽い」とは言えません。ですから「飼い猫を窃盗して殺害したアメリカの事件は懲役16年になった。だから日本は動物虐待に対して海外と比べて処罰が軽い」と主張している人たちは、原文でアメリカの事件(猫を殺害して懲役16年になった判決)を読んでいるとは思えません。日本での本事件の報道では、殺害された猫が飼い猫であることを意識的なのかどうかはわかりませんが、触れていないからです。「都合の良いところだけの抜き書き」です。したがって、アメリカの本事件(猫を殺害して懲役16年になった判決)をもって、「日本の動物虐待に対する処罰は軽い」と主張している人たちは、あまりにも無知蒙昧です。
 さらにアメリカの刑事司法においては、日本とはかなり異なる点があります(たとえば量刑の考え方など)。ですから、アメリカの刑事事件の判決をそのまま日本と比較することは妥当とは言えません。残念ながらツイッターで大騒ぎしている衆愚に対しては、法律的なことは理解する能力が無いでしょうが。その点については、次回以降の記事で取り上げます(続く)。


(追記)

 なお、「ドイツでは大矢誠被告人と同じことをすれば懲役10年以上になる」という「珍」情報も流布されてますが、あまりにもひどい、荒唐無稽な嘘情報です。ドイツでは、仮にその猫が「飼い猫」であったとしても、殺害は最高で懲役3年もしくは2万5,000ユーロまでの罰金です。懲役3年というのは、日本の器物損壊罪と同じ処罰で、特段ドイツが動物の殺害で日本より処罰が厳しいとは言えません(Tierschutzgesetz)。
 さらに、野良猫(無主物。もしくは非占有猫)であれば、ドイツ連邦狩猟法(Bundesjagdgesetz)が適用されます。ドイツ連邦狩猟法23条においては犬猫の狩猟駆除を「狩猟鳥獣を守るため、ハンターの責務である」と推奨しています。仮に狩猟免許のないものが無資格で非占有犬猫を狩猟駆除(殺害)した場合は、5,000ユーロ(日本円で約65万円)までの行政罰にとどまります。ドイツ16州のうち、唯一ノルトライン-ヴェストファーレン州では猫の狩猟を禁じていますが、違反は最高で5,000ユーロまでの行政罰です。その点に関しては、私は以下のような記事を書いています。

「ドイツでは野良猫の殺害は懲役10年になる」という、「猫伯爵」という方のあまりにも面白いドイツ法解説(大笑い)
ドイツでは、野良猫殺害の処罰は最高で5,000ユーロ(65万円)の過料である~猫伯爵氏の珍情報を笑う
ドイツ連邦共和国 ノルトライン=ヴェストファーレン州狩猟法 改正法 2017年10月6日現在~ドイツ連邦共和国では野良猫殺害の刑事罰はない


(画像)

 yoko@動物虐待反対!、のスクリーンショット。
 
猫伯爵

 ドイツ連邦共和国では、野良猫(=無主物。非占有猫)の殺害そのものを刑事罰で罰する法律はありません。したがって、野良猫(無主物)を殺害して、懲役10年以上になった判例はただの一つもありません。懲役10年以上どころか、刑事罰すらありません。野良猫(無主物)は、ドイツ連邦狩猟法(Bundesjagdgesetz)の適用となり、積極的駆除の対象となります。
 ドイツ連邦共和国16州のうち、唯一ノルトライン=ヴェストファーレン州では、州狩猟法の改正により野良猫の狩猟による殺害を禁じました。処罰は行政罰のみで、最高で過料5,000ユーロ(65万円。1ユーロ130円)までが課されます。したがって、ノルトライン=ヴェストファーレン州においても、野良猫の殺害そのものでは刑事罰を受けません。
 ノルトライン=ヴェストファーレン州に限っても、野良猫の殺害での懲役刑はありえません。友人の、ドイツ人弁護士の方に、この条文を教えてあげましょう(大笑い)。ドイツ人の弁護士の方に、「ドイツで大矢誠被告人と同じことをしたら懲役10年以上になる」という判例、根拠法と該当する条文、学説、などをドイツ語原文でぜひ示していただきたいものです。

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プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
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1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
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よろしくお願いします。

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