「猫は人を襲わない」は大嘘~高齢女性を襲った「殺人未遂犯」は野良猫だった



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 日本では、犬は狂犬病予防法などにより野犬、野良犬は行政機関に捕獲されます。その多くは殺処分されます。また、狂犬病予防法などでは、狂犬病予防接種と畜犬登録、係留は犬のみに義務付けられています。犬とともに、日本で最も人気が有り、飼育数も犬より多くなった猫では、飼育管理に関する法律の規定がなく、野放し状態です。その理由は「猫は人を襲わない。犬のように危険ではないから」です。しかしそれは大嘘です。


 私は今まで、日本が狂犬病予防接種を犬だけに義務付けている矛盾をしばしば取り上げてきました。国内のペットの狂犬病予防接種を義務付けている国は日本以外では、アメリカのいくつかの州だけと思われます(国外からの持ち込みは、ほぼすべての国で犬猫とも義務とされています)。さらに、アメリカで狂犬病ワクチンを義務付けている州は、ほとんどが犬猫(フェレットも含む)ともです。日本のように、「犬のみ義務としている」国は、国際的には例外かつ特異です(*1)。
 その理由は「猫は犬と違って人を襲わないから」とされています。甚だしきは「猫は狂犬病に感染しない」と誤解している人もいるぐらいです。しかし、アメリカでは狂犬病感染個体の発見数は、2015年では猫が犬の4倍です(*2)。日本での狂犬病の最後の感染例は猫でした(*3)。またこれから取り上げますが、猫が人を襲う事件はかなり発生しています。ですから、「猫は犬のように人を襲わないから狂犬病予防接種は必要ない」、「野良猫は温存しても良い」、「放し飼いは許容されるべきだ」は誤りです。

 狂犬病などの感染リスクを除外しても、猫による攻撃により、かなりの重傷を負った事件が国内外であります。最近も日本で、寝たきりの高齢女性が野良猫に襲われて重傷を負うという事件が発生しています。
 「殺人未遂犯は野良猫」 高齢女性重傷で熊本県警 2017年12月27日のニュースソースから引用します。


熊本県警は27日、同県御船町の住宅で11月に寝たきり状態の高齢女性が顔に負った多数の重い切り傷が、野良猫によるものだったと断定したと明らかにした。
県警は当初、殺人未遂容疑事件として捜査したが、家族が世話をしていた1匹の爪から、女性のものとみられる血液を検出した。
保健所は猫を一時預かっており、譲渡先を探している。



 この事件の報道を受けて、「猫を殺処分するな」という意見がSNSなどのインターネット上で拡散されました。人を現に襲った猫を「殺処分するな」という意見が、即拡散されるのには違和感を感じます。それよりも、適正な飼育管理のあり方などの議論にならないことは、日本の動物愛護の幼稚さを感じます。
 それはさて置き、猫が人を襲う事件は、国内外ではしばしば発生します。私はかつて、フランスで女性と女性が連れていたプードルが複数の野良猫に襲撃され、女性も犬も重傷を負った事件を取り上げています。そのニュースソースを再び引用します。Warning to tourists in France after attack by feral cats 「野良猫による攻撃がありました。フランスへ行かれる観光客に警告します」。2013年7月25日。


About six cats pounced on the unnamed dog owner as she walked her poodle in the city of Belfort,dragging her to the ground and mauling her.
She was bitten repeatedly and left with a torn artery which could have proved fatal, while the dog was also badly hurt.
It is thought that particularly high summer temperatures may have made the cats far more aggressive than usual.
"The feral cats bit her on the leg and on her arms. They even pierced an artery," Mrs Galliot told.
Tourists from countries like Britain should certainly be wary – they should certainly not approach these cats, or try to feed them.
There are an estimated 8,000 feral cats born in France every day .

約6匹の猫は、(フランスの)ベルフォールの街で、プードルを連れて散歩している女性をいきなり襲いました。
そして彼女を地面に引き倒し、裂傷を負わせました。
彼女は何度も噛みつかれて、犬もひどく傷つきました。
そして致命傷となる可能性が証明できる、動脈裂傷が残されました。
特に夏の高い気温が、猫をいつもよりはるかに攻撃的にした可能性があると思われます。
「野良猫は私の足と腕に噛み付きました。それは動脈まで達しました」と被害者のギャリオットさんは話しました。
イギリスなどからの観光客は、確かに警戒する必要があります - 観光客らは、これらの猫に近づいたり、餌やりしたりしようとしてはならないのは間違いありません。
フランスでは毎日、野良猫が8,000匹も生まれていると推定されています。



 さらに深刻な事件もあります。アメリカ、ニュージャージー州では、狂犬病に感染した猫が、多くの子供を突然襲いました。この事件は、偶然ビデオ撮影されています。ビデオを見ればわかりますが、子供たちは、何ら猫を刺激したり、挑発するような行為はしていませんでした。


(動画)

 Point Pleasant Beach Cat attack 「ポイント・プリーザントビーチでの猫の攻撃」。2009年8月25日公開。

Rabied cat attack Jersey shore August 2009, Hard to beleive(believeが正しいと思われる), town needs to act quickly.

狂犬病に感染した猫が、2009年8月にジャージー州の海岸で子供を襲いました。
信じがたいです。
町は早急に、対策を講じる必要があります。




 上記の事件を受けての、自治体の対応と、その後の経過を伝えるニュースがあります。Point Pleasant Beach plans cat roundup after rabies outbreak 「ポイント・プリーザント・ビーチ自治体は、狂犬病発生後、猫対策の計画をまとめました」。2009年8月29日。さらにニュージャージー州の自治体では現在、TNRも含めて、野良への給餌を厳しい罰則により、一切禁じる条例が多数制定されています。


Point Pleasant Beach plans to round up feral cats after an outbreak of rabies in a town home to an estimated 300 stray cats.
Attacks by cats, including two children in separate incidents, alarmed residents, who expressed concerns in a Wednesday town hall meeting, according to the report.
A cat that tested positive for rabies attacked 17-year-old Kenny Pringle in his backyard, the report said.
Council members said the stray cat problem stems from people abandoning pets, and others providing foodand water to colonies.

ポイント・プリーザント・ビーチは住宅地での狂犬病発生後、推定300匹の野良猫を捕獲する予定です。
別々の事件で2人の子供が猫に攻撃され、警戒した住民の報告書により水曜日の自治体議会で懸念が表明されました。
狂犬病検査で陽性の猫が、17歳のケニー·プリングル君を彼の家の裏庭で攻撃したと、報告書は述べています。
自治体議会議員らは、野良猫の問題は、ペットを捨てる人々がいて、そして他の人がそれらの猫の群れに水や食料を与えることが原因だと述べています。



 以上の事件により、「猫は人を襲わない。だから犬と異なり危険ではないから、狂犬病対策もしなくて良い。また放し飼いでよく、野良猫を温存させても問題はない」が、誤りであることがお分かりいただけると思います。次回記事では、他国の猫が人間を襲った事件をいくつか取り上げます(続く)。


(参考資料)

State Rabies Laws 「アメリカ合衆国 州の狂犬病法」。AVMA(全米獣医師学会)資料

The Burden of Rabies 「狂犬病の負担」。
 CDC(アメリカ連邦疾病予防管理センター)の統計によれば、2015年の狂犬病感染個体数は、猫が犬の4倍である。

狂犬病に関するQ&Aについて
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続・「アメリカでは猫の殺害が懲役16年になった判決」は日本の動物愛護管理法違反事件の参考にならない



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(Summary)
No charges for Texas veterinarian who killed cat with bow and arrow
BELLVILLE, Texas - A Houston-area veterinarian who killed a cat with a bow and arrow will not face charges at this time after an Austin County grand jury declined to indict her for animal cruelty, reports CBS affiliate KHOU.


 前回記事、「アメリカで猫の殺害が懲役16年になった判決」は日本の動物愛護管理法違反事件の参考にならない、の続きです。今年、税理士である大矢誠被告人が、野良猫(非占有、無主物の猫)を私有地内で捕獲して殺害する様子の動画をインターネットで公開しました。その容疑大矢被告人は逮捕、起訴され、一審で「懲役1年10ヶ月執行猶予4年」の判決が言い渡されました(*)。起訴前から、「日本の動物虐待に対する罪は軽すぎる。大矢誠被告人の実刑にすべし」という署名サイトがいくつも立ち上がりました。では海外先進国と比較して、日本の動物虐待に対する処罰は軽いのでしょうか。「日本の動物虐待に対する処罰が軽すぎる」という根拠に、「アメリカで猫の殺害が懲役16年になった判決」を根拠として挙げている方が多いです。しかしこのアメリカの判決は、大矢誠被告人の事件とは異質です。前回記事では、アメリカの本事件は主たる犯罪が「窃盗罪」であり、大矢誠被告人の事件とは異質であることを書きました。アメリカでは、大矢誠被告人と近似の事件である、私有地内に侵入した近隣の飼い猫を弓矢で射殺した女性獣医師は刑事訴追を受けていません。さらにアメリカの複数の州では、野良猫の狩猟を推進しており、飼い猫とは法律上異なる扱いをしています。

(*)【猫惨殺裁判】杉本彩 執行猶予判決に怒る 「法律で裁かれなくても見合った罰は下るはず」(2017年12月13日)
なおこの記事でも、「アメリカでは猫殺害事件では懲役16年の判決となった」とありますが、この事件が窃盗罪であることに触れていません。
都合の良いつまみ食い、「事実の抜き書き」報道であり、マスメディアの報道としてあるまじきことだと思います。


 日本の動物愛護管理法(動物の愛護及び管理に関する法律)44条4項の1においては、特定の動物を「人が占有していない。非占有」であっても、占有されているものと同位の保護をしています。つまり44条1項の、「みだりな殺傷」の処罰は、特定の動物に対しては、人の占有、非占有にかかわらず、同じ処罰を受けます。
 しかし、「特定の動物が人の占有非占有にかかわらず同位の保護を受ける」規定がある、日本の動物愛護管理法は、国際的にはむしろ例外です。私が今まで述べてきたとおり、ドイツの連邦動物保護法(Tierschutzgesetz)が適用されるのは、「人に占有」されている動物だけです。特に犬猫は、仮に飼い主があったとしても、飼い主が管理していない状態(非占有)であれば、ドイツ連邦狩猟法(Bundesjagdgesetz)23条により、一年を通じて積極的な狩猟駆除の対象とされています。オーストリアも同様です。オーストラリアは積極的な犬猫の狩猟駆除を国家事業として行い、民間人ハンターにも推奨しています。特にニュージーランドの一部自治体では、「野良猫の駆除は土地所有者の義務である」とされています。スイス、オランダは猫に関しては外来生物と同じ扱いで、一年を通じて狩猟駆除が推奨されてます。これらの国にはもちろん犬猫の保護を規定した法律がありますが、占有(飼い犬猫)と非占有(野良犬猫、もしくは飼い主がいても管理していない状態)とは明確に区分しています。

 大矢誠被告人が殺害した猫は野良猫(非占有。無主物)です。つまり上記の国々(ドイツ、オーストリア、スイス、オランダ、オーストリア、ニュージーランド)では、飼い猫の殺害の規定を受けません。例えばドイツでは、狩猟免許を持っていれば、大矢誠被告人の行為を罰することはできません。ドイツには、動物の、特段残酷な殺害を加重処罰する「動物虐待規定(animal cruelty)」はありません(「連邦狩猟法」Bundesjagdgesetz19条では、狩猟動物の殺害においてできるだけ苦しめないとはありますが、処罰規定はありません)。仮に狩猟免許がなくても、無資格狩猟は行政罰のみです(ただしドイツ16州のうち、ノルトライン-ヴェストファーレン州のみは猫の狩猟を禁じている。違反は5,000ユーロまでの行政罰)。
 同様に、アメリカの複数の州では、野良猫を積極的に狩猟駆除すべきと定めています。例えばワイオミング州ですが、1年を通じてほぼ無制限に野良猫の狩猟が合法です。また、野良犬猫もしくは無登録の犬猫(飼い主があったとしても)は、殺害して良いとされています。つまり大矢誠被告人が殺害した猫は野良猫であり、ワイオミング州では合法となります。以下に、ワイオミング州の根拠となる州法を引用します。


Predatory Animal Control Laws, Rules, and Regulation
CHAPTER 6 - PREDATORY ANIMALS
ARTICLE 1 - CONTROL GENERALLY
11-6-101. Permission to eradicate upon refusal of entry by property owner.
Whenever predatory animals become a menace to livestock owned or controlled by any resident of Wyoming and the owner or lessee of any real estate in the vicinity where the livestock is ranged or pastured refuses permission to the owner of the livestock,his agents or employees, to enter upon the real estate for the purpose of destroying such predatory animals, entry may be obtained as provided by W.S.
11-6-102. Application to county commissioners; hearing; determination; limitation on use of firearms.
The owner of the livestock may file a written application with the board of county commissioners of the county where the real estate is located, applying for permission to eradicate predatory animals.
ARTICLE 3 - WYOMING ANIMAL DAMAGE MANAGEMENT PROGRAM
11-6-302. Definitions.
(a) As used in this article:
(ix) "Predatory animal" means:
(A) Coyote, jackrabbit, porcupine, raccoon, red fox, skunk or stray cat

農業、畜産およびその他の動物
第6章 有害動物
第1条 管理の総則
11-6-101 不動産所有者による、それらの動物の侵入防止に基づき、その動物を根絶することの許可。
有害動物がワイオミング州の住人によって所有または管理されている家畜に対する脅威になり、そのような有害動物を殺害する目的で不動産に入ることを、家畜が牧場や牧畜されている周辺の不動産の所有者または賃借人が、家畜の所有者、代理人または従業員に対して許可をしなかった場合は、ワイオミング州によって立ち入りの許可が与えられ、行うことができます。
11-6-102 郡の委員会への申請。聴聞、決定、銃器の使用制限。
家畜の所有者は、不動産が所在する郡の郡委員会に書面で申請し、有害動物を根絶する許可を申請することができます。
第3条 ワイオミング州における動物の害を制御するプログラム
11-6-302 定義
(a)この条文で使用されているもの
(ix)「有害動物」とは、
(A)コヨーテ、ジャックラビット、ヤマアラシ、アライグマ、アカキツネ、スカンクまたは野良猫


TITLE 11. AGRICULTURE, LIVESTOCK AND OTHER ANIMALS. CHAPTER 31. DOGS AND CATS. ARTICLE 1. IN GENERAL.
§ 11-31-211 Property rights in unlicensed dog or cat; no right of action for destruction.
The owner of a dog or cat has no property right in an unlicensed dog or cat, nor does he have any right of action against any person for the destruction of the dog or cat.

農業、畜産およびその他の動物に関する州法 第31章犬と猫  第1条総則
§11-31-211 無免許(飼育のための許可登録を行っていない)の犬または猫の財産権について。
殺害されたことに対しての権利はありません。
犬または猫の飼い主においては、無免許の犬または猫には財産権がありませんし、また、犬または猫が殺害されたとしても、いかなる人に対しても行動する権利(註 損害賠償を求めるなど)がありません。



 その他の点でも、アメリカの判例をもって「日本の動物虐待の罪は軽すぎる」とするのは、無知蒙昧です。無知蒙昧な方には、耳かき一杯の法律論を説明したとしても、頭が飽和状態で入らない徒労となるとは思いますが。
 前回記事で書いたとおり、アメリカの刑事司法制度においては、量刑は単純加算されます。ですから有罪になった場合は、量刑が日本より極端に重くなることが多々あります。この点については、教えて!goo 山ほど同様の犯罪を繰り返した場合の量刑の決め方について、のベストアンサーが良い回答をしています。
 さらにアメリカの場合は、刑事事件では起訴前段階から一般市民が参加する制度が有り、裁判においても陪審制を採用しています。一般市民が裁判に参加することで、判決が極端に振れる傾向があります。
 これ以上は長くなりますので触れません。結論を言えば、「アメリカでは猫を殺害した犯人に対しては懲役16年の判決がある。だからそれに比べれば日本の動物虐待の処罰は軽すぎる」と騒いでいる人達は、あまりにも無知蒙昧で愚かです。都合の良い事実のつまみ食いで、誤った事実を拡散するのは実に有害です。生半可な、断片的な情報のつまみ食いで法律を論じるのは無責任です。


(画像)

 アメリカ、CBSニュース、No charges for Texas veterinarian who killed cat with bow and arrow 「弓と矢で猫を殺したテキサス州の女性獣医師に対する刑事告発はありません」。2015年6月25日、から。これが女性獣医師が猫を弓矢で殺害し、FaceBookでその死体を公開した画像。

クリスティン 刑事訴追なし


 「私有地内に侵入した猫を弓矢で殺害して、その死体をFaceBookで公開した女性獣医師」の事件は、日本では間違いなく動物愛護管理法44条1項の、「みだりな愛護動物の殺傷」となり、有罪になると考えられます。ですから「日本が著しく動物虐待に対する処罰が海外と比べて軽い」とは言えません。「(飼い)猫を(窃盗して)殺害したアメリカの事件は懲役16年になった。だから日本は動物虐待に対して海外と比べて処罰が軽い」と主張している人たちは、原文でアメリカの事件(猫を殺害して懲役16年になった判決)を読んでいるとは思えません。
 日本での本事件の報道では、殺害された猫が飼い猫であることを意識的なのかどうかはわかりませんが、触れていないからです。「都合の良いところだけの抜き書き」です。したがって、アメリカの本事件(猫を殺害して懲役16年になった判決)をもって、「日本の動物虐待に対する処罰は軽い」と主張している人たちは、あまりにも無知蒙昧です。アメリカの「猫の殺害で懲役16年の判決」になった事件と日本の本事件を比較するのであれば、アメリカの事件の概要を原文で確認する責任があります。

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「アメリカで猫の殺害が懲役16年になった判決」は日本の動物愛護管理法違反事件の参考にならない



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No charges for Texas veterinarian who killed cat with bow and arrow
BELLVILLE, Texas - A Houston-area veterinarian who killed a cat with a bow and arrow will not face charges at this time after an Austin County grand jury declined to indict her for animal cruelty, reports CBS affiliate KHOU.


 今年、税理士である大矢誠被告人が、野良猫(非占有、無主物の猫)を私有地内で捕獲して殺害する様子の動画をインターネットで公開しました。その容疑大矢被告人は逮捕、起訴され、一審で「懲役1年10ヶ月執行猶予4年」の判決が言い渡されました(*)。起訴前から、「日本の動物虐待に対する罪は軽すぎる。大矢誠被告人の実刑にすべし」という署名サイトがいくつも立ち上がりました。では海外先進国と比較して、日本の動物虐待に対する処罰は軽いのでしょうか。「日本の動物虐待に対する処罰が軽すぎる」という根拠に、「アメリカで猫の殺害が懲役16年になった判決」を根拠として挙げている方が多いです。しかしこのアメリカの判決は、大矢誠被告人の事件とは異質です。

(*)「猫虐待」元税理士に懲役1年10月 、執行猶予4年…東京地裁判決 弁護士ドットコムニュース(2017年12月12日)


 「日本の動物虐待の罪は軽すぎる」という根拠に、「アメリカでは猫の殺害で懲役16年の判決がある」と拡散している人たちですが、以下の検索結果にあります。大矢誠 アメリカ 懲役16年。結論から言えば、「アメリカの猫の殺害での懲役16年の判決」と、大矢誠被告人の事件は全く異質、かつアメリカと日本の司法制度が異なるために比較することは愚かです。アメリカの本事件は、殺害した猫は盗んだ飼い猫です。アメリカの本事件は、窃盗罪などとの量刑が加算(*1)されているという点では、大矢誠被告人の事件とは全く異なります。
 まず、アメリカ、カリフォルニア州における、「猫の殺害で懲役16年の判決」ですが、アメリカのメディアによるニュースソースを引用します。Serial cat killer sentenced to 16 years in jail 「16年の懲役刑の判決を言い渡された連続猫の殺害犯」。2017年7月17日。


Robert Farmer, 25, was sentenced to 16 years for abducting, torturing and killing nearly two dozen cats that he stole from the streets of a San Jose neighborhood.
A judge read the names of the cats aloud during Farmer’s sentencing, and noted that the body of a tabby cat named Go-Go had not yet been found.
Go-Go’s owner, Miriam Petrova, said Friday’s sentencing provided closure for her and others whose pets were Farmer’s victims.

ロバート・ファーマー被告人(25歳)は、サンノゼ近郊の街から盗んだ約2ダースの猫を捕獲、虐待し、殺害したために16年間の懲役刑の判決を受けました。
裁判官はファーマー被告人の判決の際に、猫の名前を朗読しましたが、「ゴーゴー」と呼ばれる縞模様の猫の死体はまだ見つかっていないと指摘しました。
ゴーゴー(猫の名前)飼い主である、ミリアン・ペトロヴァ氏は、金曜日の判決では、彼女と他の人たちのがファーマー被告人の犠牲だったと語りました。



 上記のニュースソースにあるとおり、アメリカ、カリフォルニア州で20数匹の猫を殺害し、懲役16年の判決を受けた被告人の事件では、殺害された猫は「飼い猫」です。そして被告人は自己所有地の外で、他人の所有物である飼い猫を捕獲(窃盗)しました。ですから本事件は、動物虐待事件というよりは、むしろ窃盗罪と理解すべきでしょう。種となる犯罪事実は窃盗罪で、それに動物の殺害などの刑が加算された判決と考えるのが妥当です。猫の殺害よりも、窃盗罪の方がはるかに法定刑が重いのでから。
 例えば同様の事件が日本で起きた場合は、窃盗罪と動物愛護管理法44条1項違反(愛護動物のみだりな殺傷の禁止)などとの併合罪になります。窃盗罪は、最高で懲役10年になります。動物愛護管理法44条1項違反では、最高で懲役2年となります。それを併合罪ではなく量刑を単純加算するアメリカでは、懲役16年という判決は、日本との刑事司法制度との違いを考慮すれば、特段アメリカが動物虐待に対しての処罰が重いとは言えません。
 ましてや、大矢被告人(猫を殺害し、その様子の動画をインターネット上で公開した)の事件では、殺害された猫は野良猫(無主物)です。つまり窃盗罪は成立しません。また野良猫の捕獲は自己所有地内で行われていました。また大矢被告人は野良猫から財産に対する被害を受けており、野良猫の殺害は、その防除という意味もあります。

 アメリカでは上記の、「飼い猫20数匹を窃盗し殺害した事件での懲役16年の判決」より、大矢被告人の猫殺害事件により近い事件があります。それはテキサス州で発生した事件ですが、女性獣医師が自己所有地に侵入した近隣の飼い猫を、弓で射殺した事件です。女性獣医師は、射殺された猫の死体をFaceBookで公開しました。女性獣医師は「私有地内に侵入する猫から、私有財産を守るためにその猫を殺害した」のです。この事件では、女性獣医師は刑事訴追を受けませんでした。
 なぜならばテキサス州法では「自己所有地内に侵入する犬猫から私有財産を守るために、侵入する犬猫を殺害することは合法」だからです。まさに大矢誠被告人の事件は、このテキサス州の、女性獣医師が自己所有地内に侵入した猫を射殺した事件に近似しています。
 ALDF Fights to Bring Kristen Lindsey to Justice 「ALDF(アメリカの大手動物愛護団体)は、クリスティン・リンジーに正義の制裁を与えるために戦います」。2016年4月、から引用します。


A grand jury investigated the killing but, in June 2015, found there was “insufficient proof” to charge Lindsey with animal cruelty.
The Austin County District Attorney’s office then closed the case, claiming it could not confirm where the cat was killed, whether the cat had an owner, and whether the cat was killed “in a cruel manner.”

大陪審(*1、)がクリスティン・リンジー獣医師の猫の殺害について調査しましたが、2015年6月に、それが動物に対する残虐行為であることを証明するには不十分であることが判明しました。
オースティン郡の地方検察庁は、猫がどこで殺されたか、飼い主がいるかどうか、猫が 「残酷な方法で殺された」のかどうかを確認することができないと主張して、事件を終結させました。


*1大陪審

大陪審(だいばいしん、英: grand jury)は、一般市民から選ばれた陪審員で構成される、犯罪を起訴するか否かを決定する機関をいう。
起訴陪審(きそばいしん)ともいう。
大陪審は、アメリカ合衆国において、権力分立(チェック・アンド・バランス)の仕組みの一貫と考えられており、検察官の処分だけで事件が裁判(トライアル)に付されるのを防ぐという意図がある。


 このような記事もあります。No charges for Texas veterinarian who killed cat with bow and arrow 「弓と矢で猫を殺したテキサス州の女性獣医師に対する刑事告発はありません」。2015年6月25日。


BELLVILLE, Texas - A Houston-area veterinarian who killed a cat with a bow and arrow will not face charges at this time after an Austin County grand jury declined to indict her for animal cruelty, reports CBS affiliate KHOU.
The jury "no-billed" the animal doctor, indicating they examined all the evidence and determined there was insufficient proof to charge.

テキサス州ベルヴィル - オースティン郡の大陪審が動物の残虐行為により、女性獣医師を刑事起訴することを拒否した後に、弓と矢で猫を殺したヒューストン地区の女性獣医師は、現在刑事告発されることはないと、CBS系列のKHOUは報道しています。
陪審員は女性獣医師に対して、「刑事告発状を提出していない」と言い、さらにすべての証拠を精査しましたが、本事件では、刑事告発を請求するには不十分であるとの判断を示しています。



(画像)

 アメリカ、CBSニュース、No charges for Texas veterinarian who killed cat with bow and arrow 「弓と矢で猫を殺したテキサス州の女性獣医師に対する刑事告発はありません」。2015年6月25日、から。これが女性獣医師が猫を弓矢で殺害し、FaceBookでその死体を公開した画像。

クリスティン 刑事訴追なし


 「私有地内に侵入した猫を弓矢で殺害して、その死体をFaceBookで公開した女性獣医師」の事件は、日本では間違いなく動物愛護管理法44条1項の、「みだりな愛護動物の殺傷」となり、有罪になると考えられます。ですから「日本が著しく動物虐待に対する処罰が海外と比べて軽い」とは言えません。ですから「飼い猫を窃盗して殺害したアメリカの事件は懲役16年になった。だから日本は動物虐待に対して海外と比べて処罰が軽い」と主張している人たちは、原文でアメリカの事件(猫を殺害して懲役16年になった判決)を読んでいるとは思えません。日本での本事件の報道では、殺害された猫が飼い猫であることを意識的なのかどうかはわかりませんが、触れていないからです。「都合の良いところだけの抜き書き」です。したがって、アメリカの本事件(猫を殺害して懲役16年になった判決)をもって、「日本の動物虐待に対する処罰は軽い」と主張している人たちは、あまりにも無知蒙昧です。
 さらにアメリカの刑事司法においては、日本とはかなり異なる点があります(たとえば量刑の考え方など)。ですから、アメリカの刑事事件の判決をそのまま日本と比較することは妥当とは言えません。残念ながらツイッターで大騒ぎしている衆愚に対しては、法律的なことは理解する能力が無いでしょうが。その点については、次回以降の記事で取り上げます(続く)。


(追記)

 なお、「ドイツでは大矢誠被告人と同じことをすれば懲役10年以上になる」という「珍」情報も流布されてますが、あまりにもひどい、荒唐無稽な嘘情報です。ドイツでは、仮にその猫が「飼い猫」であったとしても、殺害は最高で懲役3年もしくは2万5,000ユーロまでの罰金です。懲役3年というのは、日本の器物損壊罪と同じ処罰で、特段ドイツが動物の殺害で日本より処罰が厳しいとは言えません(Tierschutzgesetz)。
 さらに、野良猫(無主物。もしくは非占有猫)であれば、ドイツ連邦狩猟法(Bundesjagdgesetz)が適用されます。ドイツ連邦狩猟法23条においては犬猫の狩猟駆除を「狩猟鳥獣を守るため、ハンターの責務である」と推奨しています。仮に狩猟免許のないものが無資格で非占有犬猫を狩猟駆除(殺害)した場合は、5,000ユーロ(日本円で約65万円)までの行政罰にとどまります。ドイツ16州のうち、唯一ノルトライン-ヴェストファーレン州では猫の狩猟を禁じていますが、違反は最高で5,000ユーロまでの行政罰です。その点に関しては、私は以下のような記事を書いています。

「ドイツでは野良猫の殺害は懲役10年になる」という、「猫伯爵」という方のあまりにも面白いドイツ法解説(大笑い)
ドイツでは、野良猫殺害の処罰は最高で5,000ユーロ(65万円)の過料である~猫伯爵氏の珍情報を笑う
ドイツ連邦共和国 ノルトライン=ヴェストファーレン州狩猟法 改正法 2017年10月6日現在~ドイツ連邦共和国では野良猫殺害の刑事罰はない


(画像)

 yoko@動物虐待反対!、のスクリーンショット。
 
猫伯爵

 ドイツ連邦共和国では、野良猫(=無主物。非占有猫)の殺害そのものを刑事罰で罰する法律はありません。したがって、野良猫(無主物)を殺害して、懲役10年以上になった判例はただの一つもありません。懲役10年以上どころか、刑事罰すらありません。野良猫(無主物)は、ドイツ連邦狩猟法(Bundesjagdgesetz)の適用となり、積極的駆除の対象となります。
 ドイツ連邦共和国16州のうち、唯一ノルトライン=ヴェストファーレン州では、州狩猟法の改正により野良猫の狩猟による殺害を禁じました。処罰は行政罰のみで、最高で過料5,000ユーロ(65万円。1ユーロ130円)までが課されます。したがって、ノルトライン=ヴェストファーレン州においても、野良猫の殺害そのものでは刑事罰を受けません。
 ノルトライン=ヴェストファーレン州に限っても、野良猫の殺害での懲役刑はありえません。友人の、ドイツ人弁護士の方に、この条文を教えてあげましょう(大笑い)。ドイツ人の弁護士の方に、「ドイツで大矢誠被告人と同じことをしたら懲役10年以上になる」という判例、根拠法と該当する条文、学説、などをドイツ語原文でぜひ示していただきたいものです。

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日本でも、肉親の飼い犬が赤ちゃんを咬み殺す事件が発生しましたが・・・



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 3月9日に、東京都八王子市で、生後10ヶ月の女の赤ちゃんが、肉親の飼い犬(母親の実家の飼い犬。ゴールデン・レトリバー)に噛み殺される事件がありました。犬の飼い主の刑事責任は、本件事件ではどの程度に問われるのでしょうか。同様の事件は海外でもしばしば発生します。私は海外の同様の事件との比較に興味があります。日本は、飼い主と犬に対しては極めて寛容と感じます。


 まず、東京都八王子市の、生後10ヶ月の女の赤ちゃんが、飼い犬(母親の実家の飼い犬)に噛み殺された事件のニュースから引用します。乳児、飼い犬にかまれ死亡 東京・八王子、祖父母宅。2017年3月10日(東京新聞)。


9日午後4時半ごろ、東京都八王子市北野台の住宅で、生後10カ月の安田翠ちゃん=同市=が、この家に住む祖父母に飼われている大型犬ゴールデンレトリバーに頭部をかまれ、約2時間半後に死亡した。
警視庁南大沢署によると、犬は室内に放し飼いにされており、ハイハイしていた翠ちゃんに突然かみついた。
近くにいた祖母が止め、すぐに翠ちゃんを離した。
犬は普段おとなしく、これまでかみついたりほえたりすることはなかったという。
翠ちゃんは、母親の実家であるこの家に一時的に預けられていた。南大沢署が詳しい状況を調べている。



(動画)

 ビデオニュースはこちら。ハイハイしていた赤ちゃん、ゴールデンレトリバーに突然かまれて死亡 東京・八王子市。2017年3月10日。


 同様の事件が海外でもしばしば発生します。2016年にはイギリスで、生後6ヶ月の女の赤ちゃんが、母親が飼っているピットブル種の犬に殺害されました。母親は一審で、懲役14年の判決が言い渡されています。
 Mother whose six-month-old baby girl was mauled to death by her American pit bull pleads guilty to being in charge of a banned dog. 「生後6ヵ月の女の赤ちゃんが、自分が飼っているアメリカン・ピットブルにより噛み殺された母親は、法廷で自分が法律で禁止されているその犬を世話する役割だったと言い訳をしました」。2016年6月13日、から引用します。


Claire Riley had previously boasted about how her dog was 'nuts'.
The animal attacked and mauled to death six-month-old Molly-Mae.
Mother now admits owning the 'dangerously, out of control' dog.
The mother of a baby girl who was mauled to death by a banned American pit bull dog has admitted responsibility for the death.
The American pit bull was described as 'the most aggressive dog' a vet had ever seen, which saw tragic Molly-Mae 'as prey.'
Riley faces a maximum jail term of 14 years when she is sentenced.

クレア・ライリー氏(自分の飼い犬に我が子を殺された母親)は、かつて彼女の犬「ナッツ(赤ちゃんを殺害したアメリカン・ピットブル種の犬)を自慢していました。
ナッツは、生後6ヶ月のモリー・メイちゃん(クレア・ライリー氏の子供)を攻撃して死に至らせました。
母親であるクレア・ライリー氏は現在、「危険で制御不能な」犬を飼っていたことを認めています。
禁止されたアメリカン・ピットブルドッグによって殺された乳児の母親は、その死の責任を認めています。
アメリカン・ピットブルは、獣医師が今まで見たことのある中では、「最も攻撃的な犬」と言われ、悲劇的なモリー・メイちゃん(殺された女の赤ちゃん)を餌食にしてしまいました。
判決が言い渡され、クレア・ライリー氏(ころされた赤ちゃんの母親)は、最長14年間の懲役に直面しています。



 2014年2月に、日本で飼い犬が人を殺害した事件では、判決が確定した事件では、上記のイギリスとは驚くほど軽い刑が言い渡されています。北海道で故意に土佐犬を放し、その犬が女性を襲って死亡させた事件では、飼い主は重過失致死罪に問われ、わずか2年6ヶ月の懲役刑と罰金20万円が確定しています。飼い主は救護もせずその場から逃走したたにもかかわらず土佐闘犬
 飼い主は重過失致死容疑で逮捕され、同年7月、札幌地方裁判所苫小牧支部にて懲役2年6月、罰金20万円の実刑判決が下されました。日本では飼い犬による死傷事件は、過失傷害致死罪で最高刑で懲役2年以下か、よほど飼い主側の落ち度がひどくても重過失致死罪で最高刑が懲役5年以下なのです。対してイギリス、ドイツなどでは厳しく、死亡事件で紹介したイギリスの事件では懲役14年の判決です。日本は、咬傷事故に対する飼い主と犬に対しては、異常に寛容な気がします。咬傷犬を強制的に殺処分する根拠法がない国も、おそらく先進国では日本だけだと思います。


(画像)

 ドイツでベビーカーを襲って、幼児に怪我をさせたロットワイラー種の犬は、強制殺処分となりました。また世論も、犬の殺処分に賛成しています。行政による、強制殺処分が決定されたロットワイラー種の、「パシャ」。
Gutachten bekräftigt: Rottweiler soll eingeschläfert werden。「世論は肯定しました ロットワイラーを安楽死させることに対して」。2015年7月13日。

Der Hund, der am Rhein in Duisburg ein Kleinkind angegriffen hat, muss sterben.
Zu diesem Ergebnis kommt das tierärztliche Gutachten.

Der Hund hatte sich vergangenen Montag beim Gassi gehen auf dem Rhein deich in Neuen kamp von der Leine losgerissen und war auf eine Gruppe Spaziergänger los gestürmt.
"Pascha" fiel dann eine Zweijährige an und verletzte das Kind schwer .
Der Rottweiler hätte nämlich einen Maulkorb tragen müssen.
Außerdem will die Stadt der Besitzerin künftig die Haltung sogenannter "Listen-Hunde" verbieten.

デュイスブルク、ライン川で幼児を攻撃した犬は、死ななければなりません(行政による強制殺処分)。
それは行政獣医師の結論であり証明書にあります。

先週の月曜日に、ノイエンカンプのライン川の堤防に散歩に行った時に犬は、リードを引きちぎってベビーカーのグループを襲撃しました。
「パシャ」はその後に2歳の子供をベビーカーから引き落として、その子供は重傷を負いました。
ロットワイラーは、実際には口輪をする必要があります。
州は、将来は、いわゆる「リストの犬(原則飼育が禁止されているが、条件を満たせば飼育が許可される)」の飼育を完全に禁止したいと考えています。

 
ロットワイラー

「ネコに餌」与えるため...空き家敷地侵入 3容疑者を逮捕~当然です



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Domestic/Inländisch

 2017年2月28日に、福島県で「空家の敷地内に無断で侵入し、野良猫の餌やりをした」男女3人が福島県警に逮捕されました。当然だと思います。私有地に無断に入り、野良猫の餌場にすることは住居侵入罪(住居の敷地のみであっても同法が適用されて有罪となった判例がある)や、建物がない土地(駐車場など)であっても軽犯罪法違反という刑法犯罪になります。今まで「たかが野良猫の餌やり」と、警察が放置してきたほうが異常なのです。


 まず、「空家の敷地内に、野良猫に餌をやるために無断で侵入した男女3人が逮捕された事件」のニュースから引用します。「ネコに餌」与えるため...空き家敷地侵入 3容疑者を逮捕。2017年3月1日。福島民友記事から。


会津若松署は28日、邸宅侵入の疑いで、いずれも無職で会津若松市の女(68)、男(55)、男(60)の3容疑者を逮捕した。
逮捕容疑は、昨年6月29日午後8時20分ごろ、同市にある空き家の敷地内に侵入した疑い。
同署によると、68歳女、55歳男の両容疑者の指示を受けた60歳男の容疑者が、ネコに餌を与えるため空き家の敷地に入ったという。
3容疑者は知人同士で同じ家に住んでおり、今回の空き家以外でもネコに餌を与えていたという。



 私は今まで多くの、私有地内で野良猫の餌やり被害を取り上げています。土地所有者・利用者は、「無断で私有地に侵入した者」を罰する法律があるにもかかわらず、警察は何ら対応をしないために、私有地内での餌やり被害になすすべもなく被害に耐えるばかりでした。例えば、私は過去にこのような記事を書いています。

野良猫への無許可餌やりを処罰する時期に来ているー2
 
 この記事の概要です。兵庫県西宮市の市営駐車場で野良猫への餌やりをするグループがあり、駐車場経営者と駐車場の近隣住民は野良猫の被害に困り果てていました。野良猫によるクルマの傷、駐車場内や近隣での野良猫の糞尿被害、残り餌が腐敗して悪臭や害虫が発生する、近隣カラスが来て糞尿をおとすなどです。
 駐車場経営者と町内会役員は駐車場で餌やりの現場を抑え、警察官を呼びました。しかし餌やり犯グループ(複数の女)は、身分を明かすことなく、「これは地域猫と言って合法的な活動」と一方的にまくし立てました。立ち会った警察官も、なんら法的措置を講じることはありませんでした。困った駐車場経営者と町内会長は西宮市会議員に相談しました。西宮市議は餌やり犯らに議員事務所まで来るように指示しました。訪れた餌やり犯らは、またしても一方的に「これは地域猫と言って合法的な行為である。これをやめさせようとするのは違法だ。あんたらの方が違法」とまたしても一方的にまくし立てました。餌やりはその後も続けられました。

 昨年のことです。私事ですが、私は取り壊し予定の建物があり、解体業者の見積のために玄関に鍵をかけていませんでした。すると近所から私に「あなたの建物が猫屋敷にされている」という通報の電話がかかってきました。駆けつけてみると、果たして玄関(引違い戸)が全開になっており、玄関には猫の寝床のダンボールが置かれ、カリカリが置かれていました。私は室内にいる猫5匹を追い出しまし、玄関を施錠しました。ほどなくその建物の解体工事を終わらせました。
 私が思うには、野良猫に餌をやる人は決定的に知能がみたないということです。仮に猫が室内にいたまま玄関を施錠すれば、猫は餓死します。また猫がいたまま建物を解体すれば、猫は圧死する可能性があります。

 いずれにしても、私有地内での無許可餌やりは、建物があれば(建物に入らず敷地内だけであっても)、住居侵入罪(刑法130条 懲役3年以下)が成立します。また、建物がない、駐車場、空き地であっても、無断侵入は軽犯罪法32条違反(1年の懲役または100万円の罰金)が成立します。
 他人の私有地内、さらには建物にまで無断で侵入して野良猫の餌やりをすることは、上記のとおり明らかに犯罪なのです。それを今まで警察が摘発することがほとんどなかったのは、現場の警察官が「たかが野良猫への餌やり」と軽く考えたことや、温情、お目こぼしに過ぎません。それを餌やり犯は、「権利」と勘違いしています。

 野良猫への餌やりによる被害は、民事訴訟では数年前から、事件によっては数百万円という、比較的高額の損害賠償が認められてきました。一般的にも、野良猫への餌やりによる被害は「取るに足らない些細な問題」ではないということが認識されつつあります。「私有地での、野良猫への餌やりによる被害は尋常ではない。大変酷い』ということを、被害者は粘り強く一般世論にアピールし続ける必要があるでしょう。そのためにも諦めずに、被害者は、警察に被害届を出す、相談することも必要でしょう。そのような積み重ねが、徐々に世論を動かし、司法の考えをあらためるきっかけになると思います。
 いわゆる「野良猫系愛護(誤)」ですが、「私有地であっても土地所有者の同意を得ずに餌やりするのは権利」と、全く支離滅裂な主張をしている人がいます。また、弁護士でさえ「私有地内であっても野良猫の餌やりを現行犯で逮捕することはできない」と歪曲した法解釈を開陳しています。それらの主張の紹介と矛盾について、折々記事にします。


(画像)

 神戸市長田区の民営マンション。マンション敷地内であるため、ここでの餌やりは、明らかに住居侵入罪(刑法130条 懲役3年以下)が成立します。

軽犯罪法2


(画像)

 神戸市兵庫区の、私営駐車場での餌やり。土地内に建物がありませんが、軽犯罪法32条違反(1年の懲役または100万円の罰金)が成立します。
 迷惑な私有地内での餌やりは、現行法でも十分処罰できるのです。「餌やり禁止条例」を制定する以前に、現行法での処罰を厳格化すればいいだけです。私はそれを望みます。


兵庫区駐車場餌やり
プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
当ブログのレコード
・1日の最高トータルアクセス数 8,163
・1日の最高純アクセス数 4,956
・カテゴリー(猫)別最高順位7,227ブログ中6位
・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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