「アメリカは犬の飼育頭数はうち7割〜8割が大型犬」というわんちゃんホンポの大デマ記事

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(summary)
Packaged Facts' Pet Owner Survey indicates that a higher percentage of US households have small dogs (under 25 pounds) than medium dogs (25-40 pounds) or large dogs (40+ pounds), with the figures at 52%, 32% and 42%, respectively. The percentage of pet owners with small and large dogs increased slightly, while those with medium dogs held steady.
頻繁に驚くようなデマ記事を掲載する、「わんちゃんホンポ」というサイトがあります。最近も「わんちゃんホンポランキング 愛犬と一緒に移住してみたい国ランキング」という記事がありますが、書かれていることはほど全てが嘘です。記述について順次取上げていきます。今回はアメリカに関する記述「生体販売禁止が進められている」、「犬の飼育の7〜8割が大型犬」が全く根拠がないデマであることを述べます。
頻繁に驚くようなデマ記事を掲載する、「わんちゃんホンポ」というサイトですが、最近の記事で海外に関する情報の記述のほぼ全てがデマという記事があります。その記事と、誤りの箇所を示します。なお私がわからない言語の国のことは調べていません。ですから私的がなくともその記述が正しいと言うことではありません。
・わんちゃんホンポランキング 愛犬と一緒に移住してみたい国ランキング 2021年10月29日
アメリカは、生体販売の禁止などが進められている動物保護先進国としても知られる国です。
犬を飼いたいと思った人がまず訪れる場所は、ペットショップではなくアニマルシェルター(保護施設)。
犬の飼育頭数においては世界的に見ても多くうち7割〜8割が大型犬だといいます。
『ニュージーランド』♪
SPCA(Society for the Prevention of Cruelty to Animals)をはじめとする多くの保護団体が存在し、殺処分は一切行われない。
『オーストリア』。
いずれも動物の陳列販売は禁止。
そして一番人気の犬種は雑種、アニマルシェルターでのお迎えが一般的。
『イギリス』!
ペットショップでの生体販売は禁止。
殺処分ゼロを実現した『オランダ』!
ペットショップなどでの陳列販売はされていない。
『デンマーク』!
屋外飼育や鎖に繋いでの飼育の禁止。
ペットショップなどでの生体販売の禁止。
動物が動物らしく生きるための権利を守る!
『カナダ』!
一部の地域ではペットショップでの生体販売は禁止。
今回はアメリカ合衆国の上記の記述が全くのデマであることを述べます。問題の記事で述べられていることは次の通りです。しかし全くのデタラメです。順を追って述べます。
1、アメリカでは生体販売禁止が進められている。
2、アメリカでは犬の購入はペットショップではなくアニマルシェルターが多い。
3、アメリカで飼育されている犬の7〜8割が大型犬。
真実は以下の通りです。
1、アメリカでは生体販売禁止が進められている。
〜
アメリカでは、(ペットの)生体販売の禁止は推進されていません。アメリカ合衆国では(ペットの)生体販売そのものを禁じる法令は連邦法、州法、条例の全てで未だに無いはずです。この記事のライターは、具体的な法令の名称と該当する条文を原文でしめしていただきたい。
2、アメリカでは犬の購入はペットショップではなくアニマルシェルターが多い。
〜
アメリカでの犬の入手シェアにしめる「アニマルシェルター等から」は23%です。それに対して主にペットショップ(と思われる)入手方法は32%です。さらに2020年は、犬の入手に占めるアニマルシェルターのシェアは19%にまで減少しました。この記事のライターは、裏付けとなる出典を示されたい。
(画像)
Pet Statistics「ペットの統計」 から アメリカのアニマルシェルターの統計 2019年

3、アメリカで飼育されている犬の7〜8割が大型犬。
〜
2015年のマーケティング会社の調査によれば、アメリカで飼われている全犬に占める大型犬割合はわずか25%です。また同調査によれば、小型犬の比率が上がってきており、その傾向はその後も続くとされるとあります。したがって現在はさらに大型犬比率が下がっているものと思われます。以下に、それを裏付ける資料から引用します。
・Ownership of small dogs on the rise 「アメリカでは小型犬の飼育が増加しています」 2015年1月31日
The percentage of households owning any pet has increased slightly over the past few years, according to Packaged Facts.
Today, 45 million US households own dogs, and 30 million households own cats.
While the US dog population is growing, the size of the animals is smaller.
Packaged Facts' Pet Owner Survey indicates that a higher percentage of US households have small dogs (under 25 pounds) than medium dogs (25-40 pounds) or large dogs (40+ pounds), with the figures at 52%, 32% and 42%, respectively. The percentage of pet owners with small and large dogs increased slightly, while those with medium dogs held steady.
Packaged Facts expects the shift to smaller dogs to continue in the years ahead, with the aging human population as a key driver.
Further, the shift to smaller dogs could have numerous ramifications for the US pet market.
Packaged Facts(註 マーケティング調査会社)によると、アメリカではペットを飼っている世帯の割合は過去数年間でわずかに増加しています。
現在アメリカの4,500万世帯が犬を飼っており、3,000万世帯が猫を飼育しています。
アメリカの犬の数が増えている間に、犬のサイズは小さくなっています。
Packaged Factsのペット飼主調査によると、アメリカの家庭では中型犬(25〜40ポンド)や大型犬(40ポンド以上)よりも小型犬(25ポンド未満)を飼っている割合が高く、52%、32%、 それぞれ42%です(註 異なる大きさの犬の品種を複数飼育している家庭があるので合計は100%にならない)。
小型犬と大型犬を飼っているペットの飼主の割合はわずかに増加しましたが、中型犬を飼っている飼主の割合は安定していました。
Packaged Factsは、人口の高齢化が主な推進力となり、アメリカでは小型犬への移行が今後も続くと予想しています。
さらに小型犬への以降は、アメリカのペット市場に多くの影響を与える可能性があります。
上記の資料では、中型犬、大型犬、小型犬の飼育割合は次のとおりになります。複数の大きさが異なる犬種を犬を飼っている飼主がいるために合計は100%になりません。( )内は、すべての犬の飼育割合に占める中大小型犬の比率です。
中型犬 52% (41%)
大型犬 32% (25%)
小型犬 42% (33%) *( )内は合計99%になるが、四捨五入のため。
つまりアメリカ合衆国における犬全体に占める大型犬の比率は、25%に過ぎません。わんちゃんホンポの記事にある「アメリカでは飼育されている犬の7〜8割が大型犬である」との数値は、過去に遡っても見つかりませんでした。この記事のライターは、それが真実というのならば出典を示していただきたいです。
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