「大学猫」は是か非か~ペンシルベニア州の自治体TNR禁止条例


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(Summary)
Lebanon County feeding bans draw ire of feral cat lovers
In response to complaints about a “feeder” on Walker Street, the council voted earlier this month to advertise an ordinance banning the feeding of stray animals like cats, squirrels and skunks.
Not everybody loves TNR.
記事、
・「大学猫」は是か非か~福井大学でのトラブル、
・「大学猫」は是か非か~アメリカ、ロサンゼルス郡では教育施設構内での餌やりは全面禁止
・「大学猫」は是か非か~アメリカ、フロリダ州立大学は餌やり禁止で猫戦争が頻発、の続きです。
福井大学構内で野良猫への餌やりをしていたチャールズ・ジャヌッツイ准教授は、大学から給餌を禁じられました。ジャヌッツイ准教授の出身地はアメリカ合衆国、ペンシルベニア州ですが、極めて厳しい「懲役1年までの刑事罰と罰金の併科」で野良猫の給餌を禁じる自治体があります。この自治体は、厳格な管理のもとでのTNRを許可していますが、「例外なく野良猫への給餌を禁じる自治体」がペンシルベニア州ではいくつかあります。出身国で禁じられている迷惑行為を、外国の勤務地でするとは呆れた人物です。
記事、「大学猫」は是か非か~福井大学でのトラブル、で引用した、福井大学でのチャールズ・ジャヌッツイ福井大学准教授の、大学構内での餌やりを報じるニュースソースを再び引用します。福井大学がキャンパス内の猫の世話を禁止、猫たちの未来は。2015年5月30日。
チャールズ・ジャヌッツイ氏は25年間、彼が勤める大学敷地内に暮らす野良猫の繁殖抑制に取り組んできた。
しかし現在、大学側との対立を余儀なくされている。
キャンパス内にいる野良猫への餌やりやその他の世話の一切が禁じられたため、ジャヌッツイ氏はインターネット署名を開始した。
ジャヌッツイ氏は、福井大学文京キャンパスで長年准教授を務めてきた。
ペンシルバニア出身のジャヌッツイ氏、「野良猫の世話は子供の時からしていました。福井に来てからもすぐ世話を始めました。周辺には見捨てられた野良猫だらけでしたから」。
それはTNRと呼ばれる、野良猫を捕獲(Trap)して去勢(Neuter)を施した後、元の場所に戻す(Release)活動を実践している。
「大学側は現在、キャンパス内での猫の餌付けを一切禁じ、私にも活動をすべて止めるように言い渡しました」。
ジャヌッツイ准教授に同情し、「だから日本は動物愛護後進国だ」、「福井大学は餌やりを認めるべきだ」といった意見がインターネット上で散見されます。しかし25年間もTNRを行ってきて、野良猫が減らないとは、TNRが効果がないということの証明にほかならないでしょう。また、25年間も餌やりを黙認してきた福井大学の温情や忍耐にも感心します。
ジャヌッツイ准教授は、故郷のペンシルベニア州で野良猫の給餌をしていたとありますが、この記述も「アメリカでは野良猫への給餌は寛容。日本は動物愛護に遅れている」と誤認させる記述で好ましくないと思います。では、ジャニッツイ准教授の出身地、ペンシルベニア州では、野良猫への給餌はどうなのでしょうか。
ペンシルベニア洲には、2,562の自治体があります(ペンシルベニア州)。そのうちで、TNRを制度化して、認可されたTNRマネジメントに限り、給餌が許可される自治体は6自治体です(ごく最近条例が施行されたタウンシップがありますが、それを加えても7自治体です。List of governments supporting trap-neuter-return)。
多くの自治体では、野良猫などへの給餌を条例で禁じています。今年の10月に、「最高刑を懲役1年と罰金の併科」で野良猫への給餌を禁じる条例が施行されたミルホール自治区があります。なお、ミルホール自治区は、条件を満たして認可を受けたTNRに限り、野良猫への給餌を認めています。この件に関しては、私は記事にしています。野良猫の餌やりの最高刑は懲役1年と罰金の併科~アメリカ、ミルホール市。
一方、ペンシルベニア州では、例外なく、つまりTNRを行ったとしても野良猫への給餌を禁じる自治体がいくつかあります。今年の9月に、条例が施行された自治体の例を挙げます。Lebanon County feeding bans draw ire of feral cat lovers 「レバノン郡の給餌禁止条例は野良猫偏愛者の怒りを招く」。2017年7月28日。
They’re a major carrier of rabies, according to the Centers for Disease Control and Prevention – and they can simply be annoying.
This suggests that all these efforts without an effective education of people to control the reproduction of house cats (as a prevention for abandonment) are a waste of money, time and energy.
Critics say the supposed scientific proof of TNR’s success is really wishful thinking by animal lovers who wish to avoid what wildlife writer Richard Conniff called the “deeply dispiriting business” of euthanizing cats.
One Cornwall resident living near a “feeder” of stray cats said that as many as 15 cats will tear through her trash bags, dig through her flower beds to use them as a litter box, and keep her awake at night with cat fights.
In response to complaints about a “feeder” on Walker Street, the council voted earlier this month to advertise an ordinance banning the feeding of stray animals like cats, squirrels and skunks.
Not everybody loves TNR.
Supporters and opponents of TNR agreed that it must comprehensively neuter most cats in a target area in order to be effective, and therefore requires substantial time and manpower.
Conniff said that he would instead like to see municipalities remove feral cats from public areas, and either make them available for adoptions or euthanize them.
The Myerstown Borough Council passed an ordinance in September 2016 banning feeding completely.
A move one TNR advocate calls “panic policy making” and “criminalizing kindness.”
野良猫は、アメリカ連邦疾病対策予防センター(the Centers for Disease Control and Prevention CDC)によれば、狂犬病の主要な媒体であり、単に迷惑だとしています。
TNRのすべての努力は、飼い猫の繁殖を抑制するための(捨て猫防止のための)、人々に対する効果的な教育がなければ、お金、時間、エネルギーが無駄になることを示しています。
野生動物に関する作家であり、評論家である、リチャード・コニフ氏は、TNRの成功の科学的な証明は、「ひどく失望させるビジネス」と呼ばれる猫の安楽死を避けたいと望んでいる、動物愛好家による希望に過ぎないと言います。
あるコーンウォールの居住者は、野良猫の「餌やりさん」の近くに住んでいると、15匹もの猫がゴミ袋を破り、自分の家の花壇を掘りおこしてゴミ箱に使い、夜になると猫のケンカで目を覚ますと語りました。
ウォーカー・ストリートの「餌やりさん」に関する苦情を受けて、自治体議会は今月、猫、リス、スカンクなどの野生動物への給餌を禁止する条例を公布するための採決を行いました。
誰もがTNRを好ましいとはしていません。
TNRの支持者と反対者の双方が、TNRが効果的であるためには、ターゲットとする地域のほとんどの猫すべてで不妊去勢しなければならず、したがって相当な時間と人員が必要であることに同意しました。
コニフ氏はTNRの代わりに、地方自治体が野良猫を公共の場所から排除し、飼い猫として譲渡したり、安楽死させたりすることを望むと述べました。
マイヤーズ・タウン・ボローの自治体は、2016年9月に完全に給餌を禁止(註 いかなる場合でも。もちろんTNRを行ったとしても)する条例を可決しました。
一人のTNR擁護派は、それを「恐怖の政策策定」、そして「優しさに対する犯罪だ」と呼びかけました。
迷惑餌やり(nuisance feeder)のチャールズ・ジャヌッツイ准教授ですが、生まれ故郷のペンシルベニア洲では、刑事処罰を受ける可能性がある行為を、外国の勤務先だから強硬にしようというのでしょうか。日本は、野良猫の餌やりに対しては寛容です。福井大学も相当忍耐を重ねてきたと推測します。
その上で、日本のペット産業の的はずれな批判をして、自らの迷惑行為を正当化しようという魂胆は相当厚かましいです。アメリカの方がはるかに犬猫の殺処分が多いですし、野良猫への給餌に対する処罰は厳しいです。福井大学の餌やり禁止措置は、当然だと私は思います。
(動画)
同志社大学キャンパス猫。2016/02/29 に公開。2014年5月 同志社大学京田辺キャンパスにて。同大学敷地内には、沢山の猫が生息しています。
Do-Cat(同志社猫サークル) (@Do_Cat_C) | Twitter。京田辺キャンパスが活動中心地。大学は、構内の衛生状態などを考えないのでしょうか。これは猫の交尾行動です。大学猫って、不妊去勢しているんじゃないのですか?
(追記)
福井大学構内での、野良猫餌やり禁止についてご存知の方からコメントをいただきました。以下に引用します。「大学猫」は是か非か~福井大学でのトラブル。
該当大学の関係者です.
結論を先に申しますと,「大学猫」とやらの活動は現在行われておりません.
この大学猫活動は,ニュース・ソースにある教員が,キャンパス内の取り壊し予定の空き校舎を利用して行っていました.
ある日突然,学長(理事だったっけ?)から餌やり禁止のメール配信があって,構成員全員がようやくある程度の事情を知ったのです.
その後は一部の人間による抗議活動があり,署名が学長や理事の元に届けられたのかもしれません.
2017-11-17(00:46) : ネコ大好き 様
2千数百人の人署名が集まったというのも,このニュースソースを見て初めて知ったくちです.
この2千人の内訳はわかりませんが,インターネットで集めたということらしいので,東京や大阪など無関係の人たちが混じっていることは確かでしょう.
もし,本当に大学猫活動に理解を求め,大学当局の決定を覆したいなら,何で署名簿を持って正門に立ち,また各構成員を順番に回って署名を集めなかったのか.
どうみてもデメリットの方が大きく,大学猫は認められません.
「エサやり禁止」のお達しが来て,その後何事もなく,気が付いたら空き校舎近くから猫がいなくなっていた,と言うのが一構成員の偽らざる感想でございます.
2017-11-17(23:37) : ネコ大好き 様
やはりといいますか。私がかねてより主張していることですが、「野良猫被害を解消するには、最も効果が高いのは徹底的に餌やりを禁じることである。それだけで9割以上が問題解決となる。捕獲して殺処分する必要すらない」の実例を、「ネコ大好き」様が紹介してくださいました。ジャヌッツイ准教授が25年間もTNR活動をしても野良猫はいなくならなかったのに、2015年に餌やりを禁止して以降、最長でも2年で野良猫が消滅したのです。
アメリカでは2014年頃に、TNR活動を原因とする発疹チフスがカリフォルニア州の自治体で流行し、多くの人が感染しました。その事件以降に、アメリカの自治体で「例外のない野良猫への給餌禁止条例」の成立が増えています。日本でも、明らかに効果がなく、デメリットだけの地域猫活動が否定され、給餌禁止へと方針転換するには、重大な地域猫活動を原因とする感染症が流行するまで待たなければならないという気がします。
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