ジェンダーと牝馬
Domestic/inländisch
私はこのブログで度々私が馬好きであることを述べてきました。乗馬の心得があり、最近は一時期不調だった体調も回復し、時折乗馬クラブで騎乗しています。また私は競走馬のファンです。しかし馬券は買ったことがありません。少しは競走馬たちの飼葉代に貢献したほうが良いかもしれません。不定期に、好きな馬のことも記事にしようと思います。
日本では長らく「牝馬は牡馬より走らない」と言われてきました。競走馬のせりでも牝馬は牡馬に比べて安めの落札価格になることが多かったのです。しかし近年の牝馬の活躍は目を見張るものがあります。日本の最高峰レースと言われるジャパンカップで、牝馬ジェンテルドンナは、2012年、2013年の史上初の連覇を成し遂げました。2011年の勝者ブエナビスタ、2009年の勝者も牝馬のウオッカでした。
しかし重賞レースを牝馬が制するのは、海外では珍しいことではありません。10月5日に行われた、世界最高峰と言われる凱旋門賞では、フランス産駒の4歳牝馬、トレヴ昨年に続いて連覇を成し遂げました。実はこの凱旋門賞では牝馬の優勝は珍しいことではありません。最近の4年間は牝馬の優勝が続いています。
(動画)
2014年凱旋門賞、優勝の4歳牝馬トレヴは事前のレースが不調であったため、6番人気でした。一番人気は英国の産駒の3歳牝馬、タグルーダでした。タグルーダは3着でした。日本産駒は、3歳牝馬のハープスターが6着、5歳牡馬のジャスタウェイが8着、5歳牡馬のゴールドシップが14着でした。
私は、昨年3番人気だったトレヴの優勝を的中させました。今年は、私はタグルーダの優勝を予想していました。まさかトレヴが連覇するとは思いませんでしたね。トレヴ、強すぎます。下の一覧は、最近4年間の凱旋門賞の優勝馬です。
・2014年
トレヴ 仏 牝4
・2013年
トレヴ 仏 牝3
・2012年
ソレミア 仏 牝4
・2011年
デインドリーム 独 牝3
牝馬の優勝が際立って少ないのは、日本の競馬の特徴とも言えました。それはおそらく日本では、ジェンダーの意識が強く、それが競走馬の育成や調教にまで影響を与えているのではないかと勘ぐっています。
「牝馬は走らない」という先入観から、十分な育成や調教が行われず、それがレースでも良い結果を出せなかったのではないでしょうか。日本でも、ジェンダーの意識が薄れるに連れて、牝馬も台頭してきたという感じがします。私はこれからも牝馬に期待します。
実は長い世界競馬の歴史をへても、未だに破られていない、驚異の54戦無敗記録を持つ馬は牝馬でした。この歴史的名牝はハンガリーの産駒で、名前をキンチェム(ハンガリー語で「大切な人」という意味)と言いました。
この馬は、数々の興味深い、もはや伝説とも言えるエピソードを多く残した個性的な馬でもありました。ハンガリーの競馬場は、この馬の偉業をたたえるために、「キンチェム競馬場」と改名されています。ハンガリー国内には、多くのキンチェムの銅像が立てられています。主要駅には、キンチェムが使った馬具などの遺品が展示されています。
亡くなった時は、国の多くの公共機関がこぞって反旗を掲げ、教会はは追悼の鐘を鳴らしました。まさに「人以外では最も偉大な動物」だと言えましょう。
日本でも、最多無敗記録11戦11勝記録を持つ馬は牝馬です。その馬は、牝馬として日本競馬史上唯一のクラシック競走3勝を挙げたクリフジです。
クリフジは、前述のキンチェムほどは個性的ではなかったようで、伝説的なエピソードはあまり残っていません。ただ「顔が大きくてブサイクな馬。でも性格は温厚ですこぶる良い」と場主が親しみを込めて言っていたとか、「体格がゴツクて牡馬みたいだ」との言い伝えがあります。その他には「あまりにも強すぎてレースが面白くない」とも。
歴史的名牝キンチェムとクリフジについては、折々紹介します。
(追記)
西宮市にある、甲山乗馬クラブ。HPはこちら。甲山乗馬クラブ。拙宅の近くといえば近くです。
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