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無効と思われる「保護犬等の譲渡契約」がまかり通っている原因はドイツのデマ情報か?






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(Zusammenfassung)
LG Hamburg 309 S 149/09
Die Rechtssprechung bewertet eine Negierung der Eigentumsübertragung (ebenso wie die Einräumung umfangreiche Besuchs- und Auskunftsrechte) als überraschend und somit gem. § 305c BGB unwirksam.




 記事、
「トライアル中の保護動物の治療費は譲り受け予定者が負担する」はドイツは司法判断で完全否定
続・「トライアル中の保護動物の治療費は譲り受け予定者が負担する」はドイツは司法判断で完全否定
続々・「トライアル中の保護動物の治療費は譲り受け予定者が負担する」はドイツは司法判断で完全否定
日本の保護犬猫譲渡契約での「引渡し後の治療費は全て譲受人は負担する」は民法に違反し、無効となる可能性がある
保護犬猫譲渡契約の異常性~ペットショップ等の営利事業者の売買契約と比較して
「保護犬譲渡契約は負担付贈与契約である」という、弁護士の呆れた詭弁
の続きです。
 日本で行われている保護犬等の譲渡契約では、多くの条項が無効と解釈されます。連載では「犬等の引渡後後の治療費はすべて譲受人が負担する」が無効であることを述べました。その他でも「引渡し後の保護団体による調査を譲受人は拒めない、引渡後の報告義務、第三者への譲渡禁止、違約の場合の無条件返還」は譲受人の所有権を侵害する行為ですので無効と思われます。なぜこのようなことがまかり通っているのでしょうか。思い当たることは、ドイツのデマ情報です。



 日本で行われている保護団体による保護犬用の譲渡契約の典型例を引用します。動物保護団体が、「保護犬猫譲渡契約書のひな型(弁護士監修)」を公開しています。以下に引用します。

保護犬・保護猫の正式譲渡における注意点から
正式譲渡契約書 (犬用)(ファイルのダウンロードはマイクロソフトオフィス対応の端末のみ可)

1. 所有権について
譲渡される犬の所有権は、本「正式譲渡契約書」をもって、譲渡する団体(以下、団体)から譲受される方(以下、譲受者)に移ります。

2. 譲渡された犬の返還について
a. 下記の事実が認められた場合、その時点で所有権は団体に戻され、譲渡された犬は団体に返還することとなります。
・動物を飼うのに不都合な事実の隠蔽(経済面、住宅面、健康面など)があった場合
・譲渡された犬の業者への転売、虐待、繁殖目的での譲渡など、本正式譲渡契約の主旨に反する行為が若干でも認められた場合や、その疑いを抱かせるような行為・態度が認められた場合(等)
b. 譲渡時の約束を譲受者が守っていないと団体が判断した場合は、団体は譲渡した犬の返還を請求することができ、譲受者はこれに応じなければなりません。
c. 正式譲渡後であっても、譲受者が動物の飼育者として不適格だと思われた場合や、団体と譲受者との信頼関係が損なわれた場合には、譲受者は団体の返還請求に応じなければなりません。

4. 近況報告および面会請求について
a. 正式譲渡後は、下記の頻度と内容で近況報告をお願いします。
b. 譲受者は、正式譲渡契約後も、団体からの写真請求や面会請求に随時応じ
なければなりません。(等)

7. 費用の負担について
譲渡後の犬の飼育にかかる食費、治療費などを含むすべての費用は、譲受者の負担とします。

8. 正式譲渡後の事故などについて
b. 譲渡された犬を死亡させてしまった場合は、獣医師による死亡診断書を団体にご提出ください。また、正式譲渡契約後であっても、団体が譲渡した犬の死亡に不審を感じた場合、団体は譲受者に対し、獣医師による死亡診断書の提出を求めることができ、譲受者はこれに応じなければなりません。
d. 譲渡された犬による咬傷事故等については、譲受者がすべての責任を負うものとします(等)



 この「契約書のひな型」の条項「7. 費用の負担について 譲渡後の犬の治療費などを含むすべて(註 犬の引渡し前からあった疾病の治療費も含まれるとの意味になる)の費用は、譲受者の負担とします」が、無効と考えられることを、私は連載記事で述べました。
 さらに、「4. 近況報告および面会請求について a. 正式譲渡後は、下記の頻度と内容で近況報告をお願いします。 b. 譲受者は、正式譲渡契約後も、団体からの写真請求や面会請求に随時応じなければなりません(等)」と「2. 譲渡された犬の返還について a. 下記の事実が認められた場合、その時点で所有権は団体に戻され、譲渡された犬は団体に返還することとなります」も、譲受人の所有権の侵害であり無効と思われます。
 日本でこのように無効な保護犬等譲渡契約」がまかり通っている理由ですが、私はおそらくドイツのデマ情報が根拠と思われます。「2」と「4」ですが、ドイツのティアハイムの保護犬等の譲渡ではそのような契約が行われているとの、大学j准教授の論文があるからです。その論文から引用します。


犬の譲渡システム ―― ティアハイム・ベルリンを事例として ―― 岩 倉 由 貴 2014年3月

(ティアハイムの犬の譲渡では)一人暮らしで就業している人は犬の譲渡対象者になりづらい。
自宅外で仕事をしていれば長時間家を空けることになるからである。
申込書に仕事をしている場合は就業時間を記入する欄があり,ここに朝8時から夕方5時までと記入した場合,ティアハイム側からは,その時間に犬はどうするのか指摘される。
この時間は家で留守番をさせると答えると,長時間犬が一匹で過ごすことになるため譲渡は成立しない。(*)
また,職場に連れていくと答えると,職場の住所を記入することになり,日中飼い主に代わり散歩に連れ出すという企業もしくは個人の散歩サービスに依頼すると答えると,その散歩サービスの住所を記入することになる。
これらは申込書に記入する情報であるが,譲渡後には,申込書に記載された情報が正しいかどうか,抜き打ちで検査が行われ,そのときに使用されるものでもある。
上記項目において,職場に連れていくと書いたにもかかわらず,抜き打ち検査の時に職場にいないと問題となり,場合によっては,譲渡後であっても再度犬はティアハイムに戻されることとなる。



 この記述の根拠は、偽ドイツ獣医師の京子アルシャー氏に対するヒアリングと、京子アルシャー氏によるティアハイム・ベルリンの「保護犬譲渡契約書」の日本語訳としています。しかし当のティアハイム・ベルリンの保護犬譲渡契約書では、上記のような「譲受人に対する犬の引渡後の抜き打ち検査」と「(強制的な)犬の返還(譲受人が飼育困難になった場合は任意で返還を受け付けるとはあるが)」は一切記述がありません
 以下に、ティアハイムベルリンの「保護犬譲渡契約書」のスクリーンショットと、私による日本語訳を付けました(しかしこの契約内容でも、裁判で争えば無効となる可能性がある条項はあります)。以下に引用します。


(画像)

 Tierschutzvertrag から。ティアハイムの保護動物の譲渡契約書ひな形。

ティアハイム 譲渡契約 ひな形

ティアハイム 譲渡契約 ひな形 1

 保護動物の引き渡し後の契約は次の通り。

3. Mit Unterzeichnung des Vertrages werden nachfolgende Punkte zwischen dem neuen Eigentümer des Tieres gegenüber dem bisherigen Eigentümer vereinbart:
● Das Tier unter Beachtung des Tierschutzgesetzes ordnungsgemäß zu halten und zu pflegen, jede Misshandlung und Quälerei zu unterlassen und alle notwendigen tierärztlichen Behandlungen sofort vornehmen zulassen.
● Das Tier bei auftretenden Problemen, z.B. Beißen, Entlaufen, Raubeinigkeit, Ungehorsam, nicht töten zu lassen, sondern sich mit dem bisherigen Eigentümer in Verbindung zu setzen, ggf. zurückzugeben.
● Eine sich bei einer unheilbaren Krankheit als notwendig ergebende Tötung des Tieres nur von einem Tierarzt vornehmen zu lassen.
● Das Tier nicht zu Tierversuchen zur Verfügung zu stellen.
● Das Tier nicht ausschließlich in einem Zwinger zu halten und nicht an die Kette zu legen.
● Dem Tier liebevollen Familienanschluss zukommen zu lassen.
● Dem Tier täglich frisches Wasser und seine Futterration zu geben.
● Der bisherige Eigentümer bietet eine Rücknahme an, wenn das Tier nicht mehr bei seinem neuen Eigentümer bleiben kann.
● Die Übernahme des Tieres durch den Empfänger erfolgt wie besichtigt, ohne Gewährleistungsverpflichtung seitens des bisherigen Eigentümers.
● Der bisherige Eigentümer übernimmt für das Tier keine Haftung bei hervorgerufenen Schäden.
Das Vorhandensein irgendwelcher Eigenschaften wird nicht zugesichert.
● Gezahlte Schutzgebühren oder Aufwandentschädigungen an den bisherigen Eigentümer sind bei Rückgabe des Tieres nicht rückzahlbar.

3. 契約に署名することにより、動物の新しい所有者と前の所有者(ティアハイム)間で、次の点が合意されます。
● 動物保護法に従って、動物を適切に飼育および世話し、虐待や拷問を行わずに必要なすべての獣医学的治療を速やかに実施するように努めなければならない。
● 咬む、逃げる、乱暴、不従順などの問題が生じた場合は、動物を殺さずにティアハイムに連絡し、必要に応じて返還すること。
●不治の疾病で必要になった場合にのみ、獣医師に殺処分をしてもらうこと。
● その動物を動物実験に提供しないこと。
● 動物を犬小屋だけで飼ったり、鎖でつないだりしないでください。
● 動物に愛情をこめて家族との絆を深めること。
● 動物に新鮮な水と飼料を毎日与えること。
● 動物が新しい所有者のもとで飼い続けることができなくなった場合は、ティアハイムが再度引取を申し出ます。
● 動物は、ティアハイムの保証義務なしに、現状有姿の状態で新しい所有者が受け入れること。
● ティアハイムは、動物に生じたいかなる損害についても責任を負いません。
あらゆる財産への影響は補償されません。
● ティアハイムに支払われた保護料または費用経費は、動物が返還された場合には返金されません。



 ドイツのティアハイムにおいては、「譲受人に対する犬の引渡後の抜き打ち検査」と「(強制的な)犬の返還(譲受人が飼育困難になった場合は返還を受け付けるとはあるが)」を盛り込んだ、保護犬等の譲渡契約を行っているところはおそらく皆無と思われます。なぜならばこれらの条項は「保護犬等の譲受人の犬の所有権を侵害する行為であり無効」という、ハンブルク地方裁判所等で複数の確定判決があるからです。この点については、私は記事にしています。

「ドイツのティアハイムは犬の譲渡後に抜き打ち検査をおこない犬を取り上げることこある」という狂人の妄想
「ティアハイム・ベルリンの犬の譲渡では単身者はお断り」は妄想作文か?
ティアハイム・ベルリンによる、保護動物の譲渡申込書(原文と日本語訳)
日本の「保護犬猫譲渡契約」は捏造論文のドイツのティアハイムの譲渡契約書が元なのか?
民間団体の保護犬猫譲渡契約の多くは違法であり無効と思われる
「保護犬等の譲渡契約書」にみられる大学教授、環境省、弁護士の呆れた無知無能ぶり


 岩倉 由貴 という方は、横浜商科大学の准教授です。私は以前も、「犬の譲渡システム ―― ティアハイム・ベルリンを事例として ―― 岩 倉 由 貴」の誤りを指摘し、典拠を求めましたが一切お返事はありません。
 しかしこの荒唐無稽な妄想作文レベルのデマ論文は、訂正もされず公開され続けています。全く社会に有害と言わざるを得ません。動物保護団体に無効で一方的に譲受人に不利な保護犬等の譲渡契約がまかり通る原因になっているからです。ご本人も恥ずかしくないのでしょうかね?典拠がニセ獣医師のヒアリングと、デマ翻訳文書だけとは驚きます。この論文は他の記述でも、誤りとデマの羅列です。それは機会があればとりあげます。

 さらに、正式譲渡契約書 (犬用)では、他にも無効と思われる条項があります。「8. 正式譲渡後の事故などについて d. 譲渡された犬による咬傷事故等については、譲受者がすべての責任を負うものとします」です。
 アメリカでは動物保護団体が保護犬を譲受人に引き渡した後に、その犬が死亡事故を含む重大咬傷事故を起こす例がかなりあります。譲受人の家族の乳幼児をかみ殺した、譲受人以外の第三者に対する重大咬傷事故を起こした例など多くがあります。譲受人が保護団体に対して損害賠償を求めた裁判では、いずれも判決では高額の賠償金の支払いを保護団体に命じています。それは次回以降の記事で述べます。
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続々・「トライアル中の保護動物の治療費は譲り受け予定者が負担する」はドイツは司法判断で完全否定






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(Zusammenfassung)
Das Amtsgericht Kassel hatte über einen Fall zu entscheiden, in dem die jetzige Klägerin mit einem Verein (dem Beklagten) einen „Schutzvertrag“ im Rahmen der Übernahme eines Hundes geschlossen hatte.
Das Amtsgericht Kassel gab der Klägerin in dem konkreten Fall recht.


 記事、
「トライアル中の保護動物の治療費は譲り受け予定者が負担する」はドイツは司法判断で完全否定
続・「トライアル中の保護動物の治療費は譲り受け予定者が負担する」はドイツは司法判断で完全否定
の続きです。
 前回記事では、「ドイツの保護団体が譲渡した犬に重度の疾病があり、その治療費負担が保護団体か譲受人にあるかについてのドイツの司法判断の判決文原文」を取り上げました。判決は完全に譲受人の勝訴で保護犬を譲渡した後の、譲渡前からあった保護犬の疾病の医療費は、保護団体が全額を負担しなければならないと裁判所は判決しました。今回はその判決について解説します。



 前回記事、続・「トライアル中の保護動物の治療費は譲り受け予定者が負担する」はドイツは司法判断で完全否定で取り上げた、「ドイツの保護団体が譲渡した犬に重度の疾病があり、その治療費負担が保護団体か譲受人にあるかについてのドイツの司法判断の判決文原文」は、「続き」に引用と日本語訳を付けています。

 今回記事では、本判決の解説を行います。判決原文はこちらです。

AG Kassel, Urteil vom 24.01.2019 - 435 C 2900/18 カッセル地方裁判所 2019年1月24日判決 - 事件番号 435 C 2900/18

 本裁判では、いわゆる保護犬譲渡における、譲受人に引き渡した後の犬の治療費の負担は保護団体か、譲受人なのかが争われました。判決は、完全に原告(犬の譲受人)の勝訴となり、保護犬の引渡し後の犬の治療費は被告(動物保護団体)が負担しなければならないとしました。判決理由の骨子は次の通りです。

1、本保護犬譲渡契約の内容からは、原告(犬の譲受人)に所有権が移転したとはいえず、所有権が被告(動物非誤団体)にある。したがって当該保護犬の治療費は所有者が負担すべきものである。
2、本保護犬譲渡契約は、原告(犬の譲受人)に一方的に不利な内容であり、契約内容は無効とする。
3、犬の引渡し前の健康状態を被告(動物保護団体)は把握して、原告(犬の譲受人)に告知する義務がある。


 以下に順を追って、原文と共に判決理由の根拠となる法律条文も引用しつつ、解説します。


1、本保護犬譲渡契約の内容からは、原告(犬の譲受人)に所有権が移転したとはいえず、所有権が被告(動物非誤団体)にある。したがって当該保護犬の治療費は所有者が負担すべきである。

 ① 本件「犬保護契約」(犬譲渡契約)においては、犬そのものの代金は示されておらず(名目的に医療費、保護費、交通費などとして実費の請求と保護団体の会費のみとしている)、売買契約とは言えない。そのため犬の所有権は原告(犬の譲受人)に移転したとは言えない。
 ② 本契約では、被告(動物保護団体)は原告(犬の譲受人)に犬の引渡し後も多くの制約を課し、原告(犬の譲受人)の犬の所有権を著しく侵害している(例えばその犬の殺処分は被告の許可がいる、被告の指示した飼育方法に反すれば無条件で原告は犬を被告に返還しなければならない、当該犬の第三者への譲渡や販売の禁止など)。原告(犬の譲受人)に犬の所有権が移転したと言えず、被告(動物保護団体)に当該犬の所有権がある。
 ③ ①②より、当該犬の所有権は原告(犬の譲受人)に引き渡された後も被告(動物保護団体)にあると解される。本契約は、被告(動物保護団体)が原告(犬の譲受人)に当該犬の寄託 (日本法)(ドイツ法 Verwahrer 「物を預ける」契約)をしたに過ぎない。
 被告(動物保護団)体と原告(犬の譲受人)間の本契約では、ドイツ民法典903条(*)に従えば、売買契約ではなく被告(動物保護団体)が原告(犬の譲受人)に犬の寄託を約したに過ぎない。ドイツ民法典693条(*1)及び433条(*2)を適用すれば、犬の寄託者(被告の動物保護団体)は、当該犬の治療費を負担しなければならない

(*)
§ 903 Befugnisse des Eigentümers 「ドイツ民法典903条 所有者の権利」

Der Eigentümer einer Sache kann, soweit nicht das Gesetz oder Rechte Dritter entgegenstehen, mit der Sache nach Belieben verfahren und andere von jeder Einwirkung ausschließen.

法律や第三者の権利に抵触しない限り、財物の所有者はその財物を自分の自由に扱うことができ、その権利の行使において他人のいかなる影響も排除することができる。


(*1)
§ 693 Ersatz von Aufwendungen 「ドイツ民法典 693条 寄託契約における費用の償還」

Macht der Verwahrer zum Zwecke der Aufbewahrung Aufwendungen, die er den Umständen nach für erforderlich halten darf, so ist der Hinterleger zum Ersatz verpflichtet.

保管者(被寄託者)が状況により必要と考えられる保管のために費用を負担する場合は、寄託者(物、動物。この場合は保護犬を預けた者)はその費用を支払う義務があります。


(*2)
§ 433 Vertragstypische Pflichten beim Kaufvertrag 「ドイツ民法典433条 売買契約における一般的なな契約上の義務」

(1) Durch den Kaufvertrag wird der Verkäufer einer Sache verpflichtet, dem Käufer die Sache zu übergeben und das Eigentum an der Sache zu verschaffen. Der Verkäufer hat dem Käufer die Sache frei von Sach- und Rechtsmängeln zu verschaffen.
(2) Der Käufer ist verpflichtet, dem Verkäufer den vereinbarten Kaufpreis zu zahlen und die gekaufte Sache abzunehmen.

(1) 売買契約においては売主は商品を買主に引渡し、商品の所有権を買主に取得することを義務付けています。 売手は、物質的および法的欠陥のない商品を買い手に提供しなければなりません。
(2) 買主は売主に合意された購入代金を支払い、購入された商品を受け入れる義務があります。



2、本保護犬譲渡契約は、原告(犬の譲受人)に一方的に不利な内容であり、契約内容は無効とする。

 例えば原告(犬の譲受人)は被告(動物保護団体)に犬の殺処分(安楽死)が必要不可欠であることを証明できなければ当該犬の殺処分(安楽死)をすることができず、もし被告の同意を得ずにその犬を殺処分(安楽死)すれば多大な違約金が課されるなどの契約条項があります。仮に当該犬がガンなどの非常に治療費がかかる疾患を患った場合、被告が同意しなければ当該犬の安楽死をすることもできません。また、「犬の治療を行わなければならない。治療費は全て原告の負担とする」という契約条項は、原告に対して数万ユーロ(数百万円)以上の治療の支払いを余儀なくされる可能性もあり、それは余りにも原告にとっては苛酷と言えます。
 ドイツにも日本と同様に民法典157条で「信義誠実の原則」に関する条文があります。(*3)判決文では直接民法典の条文は示されていませんが、上記の契約条項は「信義誠実の原則に反する」として無効と言うことです。

(*3)
§ 157 Auslegung von Verträgen 「ドイツ民法典 157条 契約の法解釈」

Verträge sind so auszulegen, wie Treu und Glauben mit Rücksicht auf die Verkehrssitte es erfordern.
契約においては一般的な慣行に配慮して誠意と公平性が求められると解釈されるべきです。



3、犬の引渡し前の健康状態を被告(動物保護団体)は把握して、原告(犬の譲受人)に告知する義務がある。

 本判決においても、契約の「信義誠実の原則」に基づけば、被告が原告に当該犬を引き渡す際に「その犬の健康状態が悪いことを知らなかった」として、判決では当該犬の医療費を原告に負担することは許されないとしています。(*4)

(*4)
§ 307 Inhaltskontrolle 「ドイツ民法典307条 契約内容の制限」

(1) Bestimmungen in Allgemeinen Geschäftsbedingungen sind unwirksam, wenn sie den Vertragspartner des Verwenders entgegen den Geboten von Treu und Glauben unangemessen benachteiligen.

1項 契約で定める条項においては信義誠実の原則(先に引用した、ドイツ民法典157条に「信義誠実の原則」の規定がある)に反する、契約の相手に不当に不利益を与える内容のである場合には、それは無効となります。



 私の感想としては、ドイツ、カッセル地方裁判所の本確定判決は妥当な判断で、非常に納得できるものです。前回記事では「日本の民法もドイツ民法典も元はプロイセン法を参考としており基本設計が似ている」と述べました。つまり日本の民法の解釈においても本カッセル地方裁判所の確定判決は、日本の保護犬猫譲渡や保護犬猫トライアル契約の有効性を判断するには非常に有効です。
 日本の保護犬猫やトライアル契約のひな型においても「犬猫の引渡し後の医療費の負担は全て譲受人もしくは譲り受予定者の負担である」や、保護犬猫の引き渡し後の飼育状況の訪問調査を受け入れる義務や飼育条件の縛り、それに反した場合の無条件の保護犬猫の返還などが定められています。ドイツ、カッセル地方裁判所の判決から判断すれば、「保護犬猫の引き渡し後の医療費は全て譲受人もしくは譲り受け予定者が負担する」との条項は、日本でももし裁判で争えば無効となる可能性大です。本カッセル地方裁判所の判決は、保護犬の「本譲渡」に関する判断です。明らかに所有権が移転していない「トライアル」での「医療費負担は譲受予定者がすべて負担する」は、明らかに無効と考えられます。
 次回記事では、具体的な日本における「保護犬猫譲渡契約」、「保護犬猫トライアル契約」、で普及している契約書のひな型を取り上げます。そ上で、それらの問題点を考察したいと思います。

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続・「トライアル中の保護動物の治療費は譲り受け予定者が負担する」はドイツは司法判断で完全否定






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(Zusammenfassung)
Das Amtsgericht Kassel hatte über einen Fall zu entscheiden, in dem die jetzige Klägerin mit einem Verein (dem Beklagten) einen „Schutzvertrag“ im Rahmen der Übernahme eines Hundes geschlossen hatte.
Das Amtsgericht Kassel gab der Klägerin in dem konkreten Fall recht.


 記事、「トライアル中の保護動物の治療費は譲り受け予定者が負担する」はドイツは司法判断で完全否定 の続きです。
 動物保護団体が保護動物を譲渡する際に「トライアル期間」を設けるケースが多いようです。そのトライアル期間の保護動物の医療費の負担ですが、保護動物の譲受を希望する者がすべて負担するという契約をしている保護団体が多いようです。その内容の「トライアル契約書」を弁護士が監修してひな形を作成し、公開しています。しかし「譲受予定者がトライアル期間の保護動物の医療費をすべて負担する」という契約は民法に反します。またドイツでは「保護団体が保護動物をトライアル等に出した場合の引渡し前からあった疾病の治療費はすべて保護団体が負担しなければならない」という判決が確定しています。今回は、そのドイツの判決文原文を引用します。



 サマリーで示した、「保護団体が保護犬を譲渡した場合、引渡し以前からあった疾病の治療費は全額を保護団体が負担しなければならい」とした、ドイツ地方裁判所の確定判決を引用します。この保護犬譲渡では、契約の際に「すべての医療費は譲受人が負担する」と明示されていました。
 この裁判では日本の保護犬の「トライアル」ではなく「本譲渡」に該当します。当然のことながら、保護犬の所有権が完全に保護団体に属する「トライアル」では、ドイツの裁判例では「引渡し前からあった保護犬の疾病は保護団体が全額負担しなければならない」と言うことになります。今回は判決文の原文の要約と日本語訳のみ示します。解説は次回以降の記事で行います。


AG Kassel, Urteil vom 24.01.2019 - 435 C 2900/18 カッセル地方裁判所 2019年1月24日判決 - 事件番号 435 C 2900/18

Tenor
Der Beklagte wird verurteilt, an die Klägerin 889,29 € nebst Zinsen in Höhe von fünf Prozentpunkten.
Der Beklagte hat die Kosten des Rechtsstreits zu tragen.
Das Urteil ist vorläufig vollstreckbar.

Tatbestand
Die Klägerin begehrt die Erstattung von Behandlungskosten für einen Hund.
Die Klägerin übernahm am 13.05.2018 vom beklagten Verein einen Chihuahua-Hund namens A.
Hierzu schlossen die Parteien am selben Tag eine Vereinbarung auf einem vom Beklagten gestellten Formular, welches mit "Schutzvertrag" betitelt ist.
Diesem Vertrag wird die Klägerin als "Übernehmer" und der Beklagte als "Übergeber" bezeichnet.
Nach dem Vertrag hatte die Klägerin eine "Schutzgebühr" i.H.v. 350,00 € zu entrichten.
Im Vertrag ist dazu ausgeführt, dass sich diese Schutzgebühr aus mehreren Positionen zusammensetze, unter anderem aus der Position "medizinische Versorgung".
Nach der Abholung, ab dem Folgetag, stellte die Klägerin mehrere Besonderheiten fest, nämlich einen starken Geruch aus dem Maul sowie Krampfanfälle.
Die Klägerin suchte daraufhin mit dem Hund mehrfach einen Tierarzt auf.
Im Zuge der Untersuchungen wurde tierärztlich festgestellt, dass der Hund an Epilepsie und an einem Wasserkopf leide, weiter mussten acht entzündete Zähne sowie Zahnstein entfernt werden.
Die bisherigen tierärztlichen Behandlungen wurden mit zwischen dem 16.05.2018 und dem 20.08.2018 erstellten Rechnungen über insgesamt 889,29 € der Klägerin gegenüber berechnet.
Die Klägern bezahlte diese Beträge und verlangt nunmehr die Erstattung dieser Beträge sowie die Erstattung der ihr vorgerichtlich entstandenen Rechtsanwaltskosten i.H.v. 147,56 €.
Die Klägerin behauptet, ihr seien die Erkrankungen des Tieres vor der Übergabe nicht mitgeteilt worden, weder von den Vertretern des Beklagten, noch von der Pflegerin.
Sie meint, deswegen wegen der Tierarztkosten ein Schadensersatzanspruch gegen den Beklagten zu haben.

Gründe
Die Klage hat Erfolg.
Insbesondere ist zwischen den Parteien kein Kaufvertrag über den vorgenannten Hund zustandegekommen.
Denn das Wesen eines Kaufvertrages ist gemäß § 433 Abs. 1 S. 1 BGB die Verschaffung des Eigentums an der Kaufsache bzw. an dem gekauften Tier an den Erwerber.
Die Parteien bezeichnen sich darin nicht als Käufer und Verkäufer, sondern als Übergeber und Übernehmer.
Auch wird kein Kaufpreis vereinbart.
Als Entgelt fließt nach dem Vertrag nur eine Schutzgebühr.
Diese setzt sich aus fünf verschiedenen Positionen zusammen, die gerade nicht das Entgelt für das vertragsgegenständliche Tier umfassen, sondern die medizinische Versorgung, den Transport, Pensionskosten, eine Schutzgebühr und eine einjährige Fördermitgliedschaft.
Das Eigentumsrecht bedeutet gemäß § 903 BGB, dass der Erwerber einer Sache oder eines Tieres das Recht hat, im Rahmen der Gesetze nach eigenem Gutdünken so zu verfahren, dass kein Dritter, insbesondere der Verkäufer, darauf keinen Einfluss hat.
Eine solchermaßen nur noch durch das Gesetz eingeschränkte Herrschaftsordnung über das Tier soll nach dem Vertrag
der Klägerin als Übernehmerin jedoch gerade nicht zukommen.
Insbesondere sind die einem Eigentümer typischerweise zustehenden Rechte zur Veräußerung oder unentgeltlichen Weitergabe untersagt, verbunden mit der Pflicht, bei einer unvermeidbaren Abgabe des Tieres, dieses dem Beklagten entschädigungslos zurückzubringen.
Vielmehr muss sie diverse Kontrollen dulden, etwa hinsichtlich der Art und Weise der Tierhaltung, den Verlust sowohl dem Beklagten anzeigen als auch der Polizei melden, Umzüge anzeigen und muss selbst bei einer notwendigen Tötung dies gegenüber dem Beklagten nachweisen.
Darüber hinaus muss sich der Übernehmer nach dem Vertrag für zahlreiche Fälle eines Verstoßes gegen die einzelnen Regelungen neben etwaigen gesetzlichen Sanktionen auch einer Vertragsstrafenzahlung gegenüber dem Beklagten unterwerfen.
In ihrer Gesamtheit führen diese Regelungen neben den anderen hier nicht näher erwähnten Vertragsregelungen dazu, dass der Beklagte sich über den Übergabezeitpunkt hinaus maßgebliche Befugnisse über das weitere Schicksal des vertragsgegenständliches Tieres vorbehält, die eine Eigentümerstellung entgegenstehen.
Folglich bleibt der Beklagte in der Pflicht, die Kosten der notwendigen medizinischen Versorgung weiterhin zu tragen.
Nach dem Regelwerk des Vertrages ist dem Beklagten jedoch in der vorliegenden Konstellation ein schlichtes Bestreiten mit Nichtwissen nicht gestattet.
Denn die Klägerin unterliegt nach dem geschlossenen Schutzvertrag Auskunfts- und Mitteilungspflichten.


判決主文
被告(動物保護団体)は原告(保護犬譲受者)に対し、889.29ユーロと年5パーセントの割合による金員を支払え。
被告(動物保護団体)は訴訟費用を全額負担しなければならない。
本判決は仮に執行することができる。

事件の事実
原告(犬の譲受人)は原告が支払った犬の治療費を被告(動物保護団体)に請求している。
原告(犬の譲受人)は、2018年5月3日に、チワワ犬Aを被告動物保護協会から引き取った。
それに対して両当事者は同日に、被告(動物保護団体)が提供した書式に基づいて「犬保護契約」との契約を締結した。
本契約書では、原告(犬の譲受人)を「譲受人」、被告(動物保護団体)を「譲渡人」と記載している。
契約によれば原告(犬の譲受人)は、以下の金額の「犬保護料」(350ユーロ)を支払わなければならなかった。
契約書には、この保護料は「医療」項目を含むいくつかの項目の合計費用であると記載されている。
原告(犬の譲受人)が犬を引取った翌日以降に、原告(犬の譲受人)は、当該犬の口からの強い臭いや発作などのいくつかの犬の異常に気づいた。
(犬の譲受人)は、犬を数回獣医師のところへ治療に連れて行った。
検査の結果、獣医師はこの犬がてんかんと水頭症を患っていると診断しその後原告(犬の譲受人)は、その犬の虫歯8本の抜歯と歯石も除去しなければならなかった。
獣医師への治療費は2018年5月16日から2018年8月20日までの間で合計889.29ユーロであり、原告(犬の譲受人)に請求された。
原告(犬の譲受人)はこれらの金額を支払っており、現在、これらの金額の被告(動物保護団体)への請求と、裁判で負担した以下の額の訴訟費用の147.56ユーロを被告に対して請求している。
原告(犬の譲受人)は犬の引渡し前には、被告(動物保護団体)の代理人からも以前の飼育者からも、犬の病気について知らされていなかったと主張している。
したがって原告(犬の譲受人)は獣医師に支払った治療費を理由に被告(動物保護団体)に対して損害賠償請求権があると主張している。

判決理由
本訴訟は原告(犬の譲受人)の主張が完全に認められた。
特筆すべきは当該犬については、当事者間で売買契約が締結されていないことである。
ドイツ民法典 (BGB) の433条1項1号によれば売買契約が成立するには、購入した商品または購入した動物の所有権が買手に移転することを要する。
両当事者は自らを買手と売手としてではなく、譲渡人および譲受人として契約書に示している。
また、両当事者においては犬自体の購入価格についても合意がない。
契約によれば、犬に対しては単に保護費という名目的な料金のみが支払われている。
これは5つの異なる項目で構成されており、対象の犬そのものの代金の支払いは含まれていないが、犬にかかった医療費、輸送費、収容期間中の飼育費、保護費、動物保護団体の1年間の賛助会員権が含まれている。
ドイツ民法典 (BGB) の第 903 条によれば所有権とは、財物または動物の購入者が第三者が侵害せず、特に売り手の影響が影響を及ぼすことがなく、法律の枠内でその財物、動物に対して適切と考えられる行動をする権利を有することを意味する。
契約では、法律によってのみ制限される動物の管理が約されるべきであるが、本契約では犬の譲受人である原告には、法律の枠を超えて不利な条件となっている。
特に所有者が一般的に有する財物や動物を無償で譲渡したり販売する権利は、本契約ではやむを得ない場合は動物を補償なしで被告(動物保護団体)に返還する義務と併せて禁止されている。
むしろ本契約では原告(犬の譲受人)は犬の飼育方法などのさまざまな被告(動物保護団体)の要求を受け入れなければならず、犬を失った場合は被告(動物保護団体)に報告するのみならず警察にも届け出て、その後の経過を被告(動物保護団体)に報告しなければならず、たとえその犬の殺処分が必要な場合でも、これを被告(動物保護団体)に証明しなければならないと本契約に定めている。
さらに本契約によれば、譲受人(原告)は法的制裁に加えて、個別の規定に違反した多くの条項に違反した場合はそれに対して、被告(動物保護団体)に対する契約上の違約金の支払いもしなければならない。
本契約においては本訴訟で言及されていない他の契約上の制約に加えて、これらの被告(動物保護団体)が原告(犬の譲受人)に課す制約の全ては、被告(動物保護団体)が犬を引渡した以降も契約の対象となる犬のその後の扱いについて重大な権限を留保することを意味し、原告(犬の譲受人)の犬の所有者としての地位を妨げている。
したがって、被告(動物保護団体)は(その犬を原告譲受人に犬の所有権を移転したことにはならず、被告が当該犬の所有者であり続けているから、犬の医療費は所有者が負担すべきであり)引き続き必要な医療費を負担しなければならない。
(犬に引渡し以前から疾病があったことを被告動物保護団体が知らなかった場合は被告動物保護団体は医療費を負担しないという)本契約の規定があるにもかかわらず、犬の引渡し時の状態を被告(動物保護団体)が「知らなかった」と否認することは許されない。
原告(犬の譲受人)への、締結された保護契約に基づく(犬の健康状態等の)情報提供および通知は(被告動物保護団体の)義務の対象となる。



 次回以降の記事では、上記の「ドイツ カッセル地方裁判所」の確定判決を、判決理由としているドイツ民法典等の条文も含めて解説します。ドイツの民法典等が必ずしも日本の法律に一致するとは限りませんが(もともと日本の法の近代化においては、民法等はプロイセン法を元にしており、ドイツ民法典とルーツが同じです。基本的な設計は非常に近いと思います)、参考になります。
 上記のドイツ地裁の判決に従えば、(おそらく細川敦史弁護士によるものと思われますが)、日本で広く用いられている「保護犬猫譲渡・トライアル契約書」は、ほぼ無効です。日本の民法に従っても著しく譲受人(予定者)に一方的に不利であり、問題が多く争えば無効となる可能性が高い内容です。

保護犬・保護猫のトライアルの仕方
保護犬・保護猫の正式譲渡における注意点

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ドイツの犬税はペットショップやブリーダー等の商業者には課税されない~「ドイツではペットショップにも犬税がかかるのでペットショップでの犬販売を抑制している」という大嘘






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(Zusammenfassung)
In Japan kursieren Fehlinformationen über die deutsche Hundesteuer.

 

 記事、
ドイツの犬税に関する情報はほぼ全てが大嘘~ライターの疾患が疑われるレベル
ドイツの犬税は自治体により複数犬の累進や闘犬種の加算はそれぞれ異なる
ドイツの犬税は使途が限定されない普通税。未納者は15%未満で犬税未登録の罰則は1万ユーロ以下の過料等がある
の続きです。
 日本では、ドイツの犬税に関する情報がネット上にあふれています。しかし完全に正確なものは私は調べた限り1つもありません。「犬税はペットショップにも課税されるためにペットショップを抑制する効果がある」、「犬税は1万円以上」といったデマが拡散されています。しかしこれらはすべて真逆の荒唐無稽なデマです。



 サマリーで述べた通り、ドイツの犬税に関する情報が日本ではネット上であふれています。しかし私が確認した限り、正確なものは皆無でした。余りにもひどい、荒唐無稽な、聞いた者が悶絶死しかねない酷い内容のものをいくつか例示します。


ペット先進国「ドイツ」の動物愛護精神と日本との比較 2022年1月3日

捨てられた糞は、犬税を使用して州が定期的に回収している。(*3)
ドイツのティアハイムの譲渡率は9割を超える。(*9)
ドイツでは生体販売を行うショップが非常に少ない。(*10)
というのも、ドイツの犬税はペットショップにも課せられる。(*11)
ドイツで犬を迎える人のほとんどはブリーダーかティアハイムを利用。
(*12)

 ここまでひどいとライターの精神疾患を疑います。今回は(*11)のデマを取り上げますが、(*3)(*9)(*10)(*12)も、荒唐無稽な真逆のデマであることを、連載で述べています。


ドイツでの愛犬に対する税金について

ドイツには『犬の税金』と呼ばれる税金があります。
この税金は愛犬一頭あたりにつき年間1万円以上を支払うこととなります(*8)。



  今回記事では「ドイツの犬税はペットショップにも課せられる」と「ドイツの犬税では一頭あたりにつき年間1万円以上を支払う」ががデマであることを、反証を挙げて説明します。まず犬税に関する、ドイツ語の文献からいくつか引用します。


Befreiung von der Hundesteuer: Für wen gibt es Vergünstigungen? 「犬税の免除:誰に対してその優遇がありますか?」 2023年2月2日

Außerdem müssen Sie keine Hundesteuer zahlen, wenn Sie Ihre Hunde zu gewerblichen Zwecken halten.
Das gilt z. B. für Hundezüchter oder Hundehändler.

また、商業目的で犬を保有する場合には犬税を支払う必要はありません。
これは例えば次のような場合に当てはまります:犬のブリーダーまたは犬販売業者に対して。



Hundesteuer 「犬税」 ウィキペディア

Rechtsgrundlage für die Erhebung der Hundesteuer ist die jeweilige kommunale Hundesteuersatzung.
Das Recht zur Erhebung der Hundesteuer haben die Gemeinden.
Daher variiert der Steuersatz von Gemeinde zu Gemeinde erheblich.
70 Gemeindenim Jahr 2015 Beträge zwischen 0 und 189 Euro pro Jahr fest.
Für Hunde, die zu gewerblichen Zwecken gehalten werden (zur gewerblichen Hundezucht oder für den Hundehandel, Hütehunde), darf keine Hundesteuer erhoben werden.
da die Gesetzgebungskompetenz Art. 105 Abs. 2a GG (örtliche Verbrauch- und Aufwandsteuern) nur eine Steuer für das Halten von Hunden durch natürliche Personen zu privaten Zwecken abdeckt.

犬税を徴収する法的根拠は、それぞれの自治体の犬税条例です。
地方自治体は犬税を徴収する権利を有します。
したがって税額は自治体によって大きく異なります。
2015年には70の地方自治体が年間0~189ユーロ(3万24円 1ユーロ=160円)の範囲で税額を設定していました。
商業目的(商業的な犬の繁殖または犬の売買、事業の使役に用いる牧畜犬)で飼われている犬には、犬税は課税されません。
なぜならば、ドイツ連邦基本法(憲法)第105条2a (地方消費支出税)での立法権限は、自然人による私的目的での犬の飼育に対する税のみを対象としているからです。



(*11)
「ドイツの犬税はペットショップにも課せられる」の嘘

 ドイツの犬税は、商業目的で犬を保有する場合は課税されません。それは全ての自治体においてです。なぜならば犬税の立法の根拠がドイツ基本法(憲法)105条2a に定められているからです。犬税は「地方消費支出税」の一種ですが、その課税は「自然人でありかつ私的目的」のみが課税対象となるからです。
 「犬ブリーダー、ペットショップなどの犬販売業者、牧畜犬など事業に用いる使役犬」は憲法の規定で犬税を課すことはできません。その他、地方自治体条例の多くでは、個人利用に盲導犬介助犬、個人経営のティアハイムの犬等の犬税を免除、もしくは減免しています。


(*8)
「ドイツの犬税では一頭あたりにつき年間1万円以上を支払う」の嘘

 ドイツの犬税は税額等の決定では、各自治体の自由裁量権があります。少数ですが、犬税が課されない自治体もあります。つまりゼロ円です。少額の犬税では、普通犬種で最初の一頭で1頭当たり16ユーロ(日本円で2,000円台)から186ユーロ(日本円で3万円近く)の自治体まで様々です。
 闘犬種の犬税では、1頭当たり2,000ユーロ(約32万円 1ユーロ=160円)という犬税額の自治体もありました。しかしこれは「事実上犬を絞め殺す(飼主が飼犬を殺処分に追い込む)目的で」適法ではないと裁判所が判決しました。このように犬税額はまちまちです。この件については改めて記事にします。


(画像)

 Hundesteuer - Wie hoch fällt sie aus und wer muss sie bezahlen? | Daub & Bürgelin 「犬税の税額はいくらですか-誰が支払わなければなりませんか?」 2022年10月18日 

Wusstest du, dass es Unterschiede in der Steuererhebung zwischen verschiedenen Hunderassen gibt und man in speziellen Fällen sogar von der Steuer befreit wird?

ドイツの犬税は犬種によって税金の金額に違いがあり、特別な場合には税金が免除されることもあることを、をあなたはご存知ですか?


概要:犬税は市町村税です。状況に応じて税額が変わります。
・犬が登録されている市によって。
・闘犬はかなり高額になる可能性があります。
・補助犬や盲導犬は免除を申請することもできます。
 猫には税金がかかりません。それは不公平ではないですか?


ドイツの犬税は使途が限定されない普通税。未納者は15%未満で犬税未登録の罰則は1万ユーロ以下の過料等がある






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(Zusammenfassung)
In Japan kursieren Fehlinformationen über die deutsche Hundesteuer.

 

 記事、
ドイツの犬税に関する情報はほぼ全てが大嘘~ライターの疾患が疑われるレベル
ドイツの犬税は自治体により複数犬の累進や闘犬種の加算はそれぞれ異なる
の続きです。
 日本では、ドイツの犬税に関する情報がネット上にあふれています。しかし完全に正確なものは私は調べた限1つもありません。「犬税は犬の糞清掃など犬の飼主のために使われる」、「犬税を支払っている飼い主は4分の1」、「犬税未納でも処罰する法律がない」といったデマが拡散されています。しかしこれらはすべて真逆の荒唐無稽なデマです。



 サマリーで述べた通り、ドイツの犬税に関する情報が日本ではネット上であふれています。しかし私が確認した限り、正確なものは皆無でした。余りにもひどい、荒唐無稽な、聞いた者が悶絶死しかねない酷い内容のものをいくつか例示します。


ペット先進国ドイツの犬税。仕組みやメリットは? 2019年2月12日

犬税として徴収された税金の一部は犬や愛犬家に関わる費用、さらに、犬によって汚された街の清掃費用として使われています。(*3)


ユニークな税「犬税」|ホームメイト|パブリネット

犬税によって徴収された税金は、犬のフン害によって汚された街の清掃費用として使われるなど、主に犬や愛犬家にかかわる費用のために使われています。(*3)


犬にも税金!?動物愛護先進国ならではの「犬税」はどんな取り組み? 2021年9月10日

実際に犬を飼っている人の4分の1くらいの人しか犬税を納税していない。(*5)
「犬税を支払う」という法律を守らない人を取り締まる法律がない。(*6)



ドイツでの愛犬に対する税金について

ドイツには『犬の税金』と呼ばれる税金があります。
この税金は愛犬一頭あたりにつき年間1万円以上を支払うこととなり(*8)、用途としては犬の糞で汚れてしまった街の清掃費用などに当てられます。(*3)



ペット先進国「ドイツ」の動物愛護精神と日本との比較 2022年1月3日

捨てられた糞は、犬税を使用して州が定期的に回収している。(*3)


 今回記事では「犬税として徴収された税金の一部は犬や愛犬家に関わる費用、さらに、犬によって汚された街の清掃費用として使われています」、「犬を飼っている人の4分の1くらいの人しか犬税を納税していない」、「取り締まる法律がない」がデマであることを、反証を挙げて説明します。まず犬税に関する、ドイツ語の文献からいくつか引用します。


Hundesteuer 「犬税」 ウィキペディア

Die Hundesteuer ist eine Gemeindesteuer, mit der das Halten von Hunden besteuert wird.
Der keine bestimmte Leistung (etwa das Reinigen der Straßen von Hundekot) gegenübersteht und die nach dem Gesamtdeckungsprinzip zur Finanzierung aller kommunalen Aufgaben mitverwendet wird.

犬税は犬の飼育に対して課税される市町村税です。
犬税は特定の行政サービス(道路の犬の糞の清掃など)に支出されるものではありません。
そして犬税は(普通税の)一般財源となる原則が適用され、従ってすべての地方自治体の業務に必要な資金(一般会計)を提供するために用いられます。



Fahnder verfolgen illegale Fifis 「捜査当局は違法な犬税脱税者を追及します」 

Auf 5,5 Millionen Hunde hochgerechnet, würden demnach die Halter von rund 800 000 Hunden keine Abgaben entrichten.
Damit dürfte Hinterziehung von Hundesteuer deutlich weiter verbreitet sein als Steuerflucht in die Schweiz.
Halter, die ihre Hunde verschweigen, begehen zwar keine Steuerstraftat, sondern nur eine Ordnungswidrigkeit.
Trotzdem drohen Nachzahlungen für bis zu vier Jahre sowie Geldbußen, deren Höhe von Kommune zu Kommune variiert.
Dass ein Verstoß gegen die Meldepflicht „mit einem Bußgeld von bis zu 10.000 Euro geahndet werden kann".
Noch eins drauf setzte die Schweizer Gemeinde Reconvilier im Kanton Bern.
Im Januar kündigte der Gemeinderat an, dass er plane, „Hunde, deren Besitzer die Hundesteuer nicht zahlen, einzuschläfern“.

犬の数を 550万頭と推定すると、約80万頭の犬の飼い主は犬税を払っていないことになります(註 犬税未納割合は14.5%)。
このことは犬税の脱税が、ドイツではスイスへよりもはるかに蔓延している可能性が高いことを意味しています。
ドイツでは(税金を払わないようにするために)飼い犬を隠す飼い主は、脱税という犯罪ではなく、単なる行政犯罪です。
それにもかかわらず犬税登録しなければ最長4年間にさかのぼって犬税を滞納しているとみなされ、その課税や罰金のリスクがあり、その額は自治体によって異なります。
犬税の犬の登録義務違反には「最高1万ユーロ(160万円 1ユーロ=160円)の過料が科される可能性がある」とされています。
スイスのベルン州レコンヴィリエ市は、ドイツよりも良い決定をしました。
同市議会は1月に、「飼主が犬税を支払わない犬を安楽死させる」計画を公表しました。


 この記事は、「ドイツの犬税未納者は14.5%でスイスに比べれば比率が高い。それはドイツはスイスの様に、犬税未納者から犬を取り上げて強制的に犬を殺処分する法律がなく、犬飼育者に甘いからだろう」と述べています。「ドイツでは犬税を払っている飼い主は25%」という、とんでもないデマ情報はどこから来たのでしょうか?


(*3)
「犬や愛犬家に関わる費用、さらに、犬によって汚された街の清掃費用として使われています」の嘘

 犬税は日本でいう「目的税」ではなく、税収の使途が特定されない「普通税」です。つまり日本で言えば自治体が徴収権がある固定資産税や酒税に近いものです。他の税収と共に自治体の一般財源になります。ドイツの犬税の0.01パーセント程度は犬の嘘の清掃費用に用いられているかもしれませんが、犬の糞の清掃費用は一般会計から支出されます。
 この記述が正しければ、「ドイツでは所得税や法人税の一部が犬の糞の清掃費用に使われる」も正しいことになります。「主に犬や愛犬家にかかわる費用のために使われています」は完全に誤り。繰り返しますが、犬税は一般財源になりますので、犬に用いられる比率は所得税や法人税と同じになります。「用途としては犬の糞で汚れてしまった街の清掃費用などに当てられます」の記述も誤り。これだと税収を特定の使途にしか用いることがきない目的税という意味になります。犬税は繰り返しますが、税収が使途の定めがない一般財源となる「普通税」です。


(*5)
 「(ドイツでは)実際に犬を飼っている人の4分の1くらいの人しか犬税を納税していない」の嘘

 引用した記事は公開時は不明ですが「ドイツの犬の飼育数550万頭」とありますので、15年以上前のものと思われます。この資料によれば、ドイツ全土で犬税登録をせずに犬税が未納な飼主は、14.5%とされます。それでも著者は「ドイツの犬税未納率はスイスと比べて多い」と批判しています。スイスは犬税未納の罰則として、犬を矯正的に安楽死(殺処分)させることができると、州法にあるからです。
 そもそも納税義務者のうち、25%しか納税していないとすれば、その税制度は破綻しています。数百年も続ける前に廃止するか、制度改革があるはずです。このような馬鹿げたデマを平気で書けるライターの資質とは、いったい何なのでしょうね?ドイツは市町村の犬税登録と共に、州等の犬の登録の義務化も進んでいます。もちろん罰則があります。犬の登録では犬税登録の証明が必要なので、現在はむしろ犬税無登録は減っている可能性があります。


(*6)
「『犬税を支払う』という法律を守らない人を取り締まる法律がない」の嘘

 ドイツでは、犬税登録をせず未納の人に対しては、自治体によっては処罰に幅はあるものの、おおむね「1万ユーロ以下の過料+4年間の追徴課税(これは行政側がその犬が4年前に取得したことが証明できなくても課税できる)」の罰則があります。過料等を支払わなければ、財産や給料が差し押さえられます。そもそも罰則規定がない税制度などありえないでしょう。


(動画)

 Realer Irrsinn: Hundesteuer ohne Hund in Hilden | extra 3 | NDR 「本当にくるっています:ヒルデン市では犬を飼っていないのに犬税が請求される | 番外編3 | NDR(ドイツのテレビ放送局)」 2022年8月28日

Die Stadtverwaltung von Hilden fordert einen Bürger auf Hundesteuer zu zahlen, obwohl er gar keine Hunde hat.
Doch so einfach lässt sich die Stadt nicht abspeisen.

ヒルデン市税務当局は、犬を飼っていない市民に対して犬税の支払いを督促しています。
しかし(犬を買っていないことっを説明しても)市は街は簡単には引き下がりません。


概要:ヒルデン市のクラールさんは犬を飼っていないにもかかわらず、市から犬税の督促を受けています。3年間の滞納で現在1,400ユーロとなっています。クラールさんは自分のFace Bookで自室に知人の犬がいる写真を投稿しましたが、市税務当局はそれがクラールさんが犬を飼っている証拠と主張しています。クラールさん「その犬は2時間後に帰ったのに」。クラールさんは弁護士に相談することにしました。
 このようにドイツの犬税の徴収は、かなり厳しく追及されます。「犬税を払わなくて罰する法律がない」などありえません。日本人でドイツに転居したした人が「犬を飼っていないのに犬税の督促が来て驚いた」という話もあります。日本人は日本のマスコミのドイツの犬愛護に関するデマ情報を信じて、「ドイツで犬を飼ったら楽しいだろう」と勘違いして犬を飼う人が多いのかもしれません。日本の情報を信じた人は大概失望するのですけど(笑)。

プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
当ブログのレコード
・1日の最高トータルアクセス数 8,163
・1日の最高純アクセス数 4,956
・カテゴリー(猫)別最高順位7,928ブログ中5位
・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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