「オランダは動物をペットショップのショーウィンドウで販売することを禁止」という狂気のSippoのデマ記事

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Netherlands/Niederlande
記事、
・「オランダは殺処分はしておらず生体販売がない」というSippoの発狂記事、
・咬傷犬は強制的に殺処分されるオランダ〜「オランダは殺処分はしていない」というSippoの発狂記事、
・続・咬傷犬は強制的に殺処分されるオランダ〜「オランダは殺処分はしていない」というSippoの発狂記事、
の続きです。
海外の動物愛護に関する記述のほぼ全てが嘘、誤り、偏向という朝日新聞系のネットメディア、Sippoがあります。私は今までに何度も朝日新聞とSippoに反証となる出典をつけて抗議をしていますが、訂正も回答もありません。デマの拡散を意図した極めて悪質なメディアです。最近も「オランダでは殺処分はなく生体販売がない」という、驚くべきデマ記事があります。オランダは公的動物収容所での犬の殺処分は多いのです。またオランダでは日本と異なり、咬傷犬は検察庁が強制殺処分の命令を出すことができます。その数は相当数あります。またオランダではペットショップでの生体販売は普通に存在します。
Sippoの記事の、問題の記述を引用します。犬や猫の「見た目優先の繁殖」を禁じたオランダ 現地の団体に聞く実現までの道のり 2021年5月5日
殺処分のないオランダ
動物の福祉面でも、殺処分はしておらず、また街中には生体販売ショップはみられません。
『動物をペットショップのショーウィンドウで販売することを禁止』する署名を行政に提出し、実際、禁止になった。
「やはり大量に殺処分している日本は異常に感じます」。
上記の記述では、「1、オランダでは殺処分は行われていない」、「2、オランダでは生体販売ショップがなく、動物をペットショプのショーウインドウで販売することが禁止されている」と述べています。結論から言えば「1」、「2」とも事実無根の大嘘です。
これまでの連載記事では、「1、オランダでは殺処分は行われていない」が全く事実無根の大嘘であることを述べました。オランダは犬の殺処分数が極めて多い国で、さらに日本と異なり咬傷犬を強制的に殺処分する制度があります。また猫は狩猟対象で、日本の公的殺処分数の3倍を狩猟駆除しています。
今回記事からは、「2、オランダでは生体販売ショップがなく、動物をペットショプのショーウインドウで販売することが禁止されている」が全く事実無根の大嘘であることを述べます。結論から言えば、オランダには「動物をペットショプのショーウインドウで販売することが禁止されている」という事実はありません。オランダ政府のHP等を確認しましたが、そのような法令は皆無です。またオランダではショーウインドウで動物を店頭展示販売しているペットショップは多数あります。
まずオランダにおけるペットショップの法的規制ですが、オランダ政府のHPに概要が示されています。こちらです。Wet- en regelgeving 「(動物に関する)法律及び規則」(オランダ語)。こちらではペット動物を含む、すべての動物に関する法令が一覧としてあげられており、その概要が示されています。それは次のとおりです。
・Wet dieren 「動物法」
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飼育動物の扱いについて包括的に定めた法律。
・Besluit houders van dieren 「動物の飼育者に関する法律」
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すべての動物の飼育とケアに関する一般的な規則と、家畜に関する特定の規定が含まれています。また法人のアニマルシェルター、ペットの販売、繁殖に関する規則も含まれています。
・Vakbekwaamheidseisen 「ペット動物の取り扱い者の専門的能力の要件」
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上記の、Besluit houders van dieren 「動物の飼育者に関する法律」3条11項において、ペットの商業的取り扱いを行う場合におけるペットの取り扱い者の能力を規定しています。この法律では、ペットを5つのカテゴリー(テラリウム動物、犬と猫、小型哺乳類 (ウサギを含む)、魚、鳥)に分類してそれぞれの取扱業者の専門能力について定めています。
・Scheiden van dieren 「動物の親からの分離」
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Besluit houders van dieren 「動物の飼育者に関する法律」1条20項により、ペット事業者等が犬猫などの動物の仔を親から分離できる最低年齢を定めています。オランダでは犬生後7週、猫生後7週から親から分離し、販売することができます。
・Huisdierenlijst 「ペットとして販売して良い動物のリスト」
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オランダでは、Besluit houders van dieren 「動物の飼育者に関する法律」2条2項により、ペット業者がペットとして販売できる動物種を定めてリストにしています。このリストにない動物はペットとして販売できません(ポジティブリスト)。このリストDieren op de huis- en hobbydierenlijst 「一般家庭で趣味として飼える動物(ペット)」のリスト」に記載されている動物は、飼育のためには許可が必要です。その許可が必要な基準は、Besluit houders van dieren 「動物の飼育者に関する法律」 1条4項に定められており、その基準に満たない動物(犬猫など一般的なペット)は、飼育の許可は必要ありません(1条4項a)。
・Diergeneeskundige handelingen en ingrepen 「獣医師に対する規制」
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Besluit diergeneeskundigen 「獣医医薬法施行令」により、獣医師の活動が規制される。
・Identificatie & Registratie (I&R) 「犬の個体識別(マイクロチップ)と登録の義務」
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Besluit identificatie en registratie van dieren 「家畜及びペットリストに記載された動物の識別及び登録に関する規則」7条により、飼い主は犬のマイクロチップによる個体識別と登録の義務を負います。
Wet- en regelgeving 「(動物に関する)法律及び規則」(オランダ政府HP)では、オランダ国内の産業動物とペットの飼育、取り扱い、販売等を網羅して概要を記述しています。特にペットショップでのペットの販売に関する規制は、Wet dieren「動物法」と、Besluit houders van dieren 「動物の飼育者に関する法律」により定められています。しかし全文通読したところ、Sippoの記事の記述にあるような「オランダでは動物をペットショップのショーウィンドウで販売することを禁止(禁止とは強制力を伴うもので法令によらなければならない)」する規定はありませんでした。なお殺処分の禁止規定もありません。殺処分の要件については定めがあります。
後ほど朝日新聞とSippoに、「オランダでは動物をペットショップのショーウインドウで販売することを禁止」したという、出典を求めます。しかし私が調べた限り、この記述は完全なデマ、大嘘と判断せざるを得ません。
(参考資料)
・The Best 10 Pet Stores in Amsterdam, Noord-Holland, The Netherlands 「オランダ アムステルダムのペットストア ベスト10」
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店舗検索で「オランダ アムステルダム ペットストア」の検索結果。英文の説明を読めば、動物の生体を明らかに展示販売している店があります。普通、Storeとなれば、ペット生体を含めて関連用品を複合的に品揃えした店舗を意味します。フードや用品のみであれば、Pet Supplies となります。
(動画)
WERKEN IN EEN DIERENWINKEL. DAT WIL BO (12) HEEL GRAAG 2020年9月20日
オランダにおける子供のペットショップでの職業体験。このペットショップでも「動物を店頭のショーウィンドウで展示販売」しています。