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ペットショップの売残り犬を実験動物にできない理由〜落選してもデマで愛誤票がほしい串田誠一氏






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(domestic/inländisch)

 記事、ペットショップの売残り犬は実験動物になる〜落選してもデマで愛誤票がほしい串田誠一氏、の続きです。
 「ペットショップで売れ残ったペットは実験動物になる」、「ペットショップで売れ残ったペットは保健所に殺処分される」。これらはネット上のソーシャルメディアのみならず、大手のマスコミの記事でもなどで広く拡散されている情報ですが、都市伝説と言って差し支えありません。今回は「ペットショップで売れ残った犬は実験動物になる」という情報がデマであることを書きます。このデマをツイッターで拡散してるのが先の衆議院選で落選した串田誠一氏です。現在日本国内で実験に用いられる犬は、ほぼ100%実験動物を専門に生産しているサプライヤーが供給しています。ペットショップの売残り犬は実験動物として使えないからです。



 サマリーで述べた、「ペットショップで売れ残ったペットは実験動物になる」、「ペットショップで売れ残ったペットは殺処分される」とのデマ情報を掲載したマスコミの記事をまず引用します。


ペットショップで売れなかった子犬はどうなる? 売れ残った子犬たちの悲しい運命とは 2021年11月24日

売れ残った子犬たちの運命は…?
子犬は生後3か月を過ぎた頃から徐々に値段が下げられ、何とかペットショップも飼い主を見つけようとしますが、それでも売れ残ってしまった場合は、返還したり、実験動物業者に販売、引取り屋に買い取ってもらいます。
返還されれば「繁殖の道具」や「殺処分」が待ち受けており、「実験動物」として命を落とす、引取り屋の元「劣悪な環境で暮らす」や「殺処分や遺棄される」など、ほとんどの子犬は悲惨な運命を辿ります…。



(画像)

 Drunken45rpm @mkvet  

串田 ペットショップの売れ残り 実験動物


 上記の記事の内容の「子犬は売れ残ってしまった場合は実験動物業者に販売」はデマなのですが、真実としてツイッターで拡散している前衆議院議員串田誠一氏がいます。「ペットショップでの売れ残り犬が実験動物になる」というデマ情報を拡散した串田誠一氏のツイッターの投稿と、それがデマである根拠を環境省の資料等を元に前回記事では述べました。今回は、「ペットショップで売れ残った犬が実験動物にはならない」理由を述べます。
 「ペットショップで売れ残った犬(犬以外でもそうですが)が実験動物として使われない、使うことができない理由」としては、主に以下のことがあげられます。

1、動物実験においては、施設の感染症の持ち込みを避けるために厳格な衛生管理の上で繁殖された動物しか持ち込めない。実験動物では、感染症がないことが厳格に求められる。ペットのブリーダーからペットショップへの流通経路を経た動物の衛生管理はその基準を満たしていない。
2、比較実験においては、実験動物の体質(遺伝性疾患がないことも含めて)、大きさ、月齢等が揃っていなければならない。そのために実験動物は遺伝的に近い個体を揃えるために厳格に系統管理をされている。
3、由来不明の実験動物で得られたデータでは、厚生労働省での新薬の承認が得られない。また論文でも価値がないものとみなされる。


 「1、」に関してですが、そのために現在では、大学が実験動物を専業に生産している実験動物サプライヤー以外から調達することはありえません。大阪大学、東京医科歯科大学などは大学組織内で実験動物の生産を行っていますが、これも実験動物サプライヤーとします。
 また各大学は、動物実験に関して自主規制を設けています。東京大学などは、実験動物に関するガイドラインを公表しています。独立した委員会が動物実験の計画を承認することを規定しています。使用する動物の種、数、入手先などです。生育歴不明のペットショップなどの売れ残り処分犬猫などを大学の一学部が直接入手することはありえません。なぜならば、先の述べたとおり、感染症のリスクを大学に持ち込むことにつながるからです。

 「2、」に関してですが、現在実験動物で用いられる犬は、国際的にも約90%が遺伝的に系統管理されたビーグル種です。同種が多産であることや大きさが実験動物として適度、気性が温厚で扱いやすい、などがビーグル種が実験動物として選択された理由です。再現実験でも、同系統の実験動物として生産されたビーグルが用いられることがほとんどです。
 その点に関して、日本で唯一の実験犬生産会社である、オリエンタル酵母工業株式会社の資料から引用します。同社で生産しているのは、系統管理されたビーグル種のみです。この記述では、「1、」の、実験動物の犬の飼養と出荷における衛生管理の厳しさも伺えます。ペット用の犬のブリーダー、ペットショップにおける衛生管理では、到底実験動物の管理水準を満たしません。


年 間4,000頭余の実験用 ビーグル犬 を生産 してお ります。
種犬は、RidglanResearchFarmsをはじめとする米国ブリーダーより導入されたいわゆるアメリカンビーグルに由来 しています。
近交化が進まぬように、交配は10グループに種犬を分けてローテーション交配を実施 してお ります。
私共の ファームで生まれたビーグル犬は、図1に示す ようなスケジュールで、各種検査や ヮクチネーシ ョンを実施後、 自記温度計付の専用空調車にて研究者 の皆様の もと-お届けしております。
各犬舎入 口には踏み込み消毒槽を設置 し、入退出時の長靴の消毒を励行 させています。
出荷は育成室 にて所定の検査 を終えた個体を、薬浴室にて薬浴 させ、出荷準備室にてステンレス製のスノコを敷いた輸送用プラスチックケージに収容 し、テント内に横づけ された空調車に積み込んでファームを出発 します。
従業員 は出社すると手指の消毒後 、2階部分に昇 り検査室の上 の脱衣室 にて下着 のみ となり、次のシャワー室で手洗 と手指を消毒後、隣の着衣室にて犬舎内専用衣を着用 して長靴に履きかえて作業に入 ります。



(動画)

 ★動物実験(人間の手によって苦しみながら死んでいった犬と猫です) 2013年5月13日
 古い動物実験の動画では犬の実験ではビーグル種以外の犬もありますが、これは全てビーグル種です。現在は、ほぼすべてが専業の実験動物生産者が実験用の犬を供給しており、ほとんどがビーグルです。ペットショップでの売残り犬を実験動物にしているのであれば、もっと多くの犬種があるはずだが?




(動画)

 BUAV - Tierversuche mit Hunden und Katzen / Experiments in UK Laboratory(ドイツ語) 「犬と猫を使った動物実験/イギリスの実験室での実験 2013年3月4日

 この実験施設で用いられている実験犬は全てビーグル種。




(動画)

 Das Todeslabor vor Hamburg: LPT // SOKO Tierschutz e.V. 「ハンブルクの死の実験室」 2019年10月16日

 ドイツのアニマルライツ団体がドイツ、ハンブルクにある実験施設に従業員として潜入し、その残酷な実験の様子を隠し撮りしました。ドイツの実験動物保護に関する法令がEU規則を満たしておらず、動物実験に関してはEU域内ではゆるゆるの国です。そのためにEU委員会からドイツは実験動物保護のために法改正を勧告されました。なお「EUでは動物実験を廃止した」、「ドイツでは動物実験を禁止した(天理大学教授)」という情報が日本で流布されていますが、とんでもないデマです。この動画でも、実験に用いられている犬はすべてビーグル種です。




(動画)

 Inside the Barbaric U.S. Industry of Dog Experimentation 「アメリカの野蛮な犬の動物実験施設の裏側」 2918年5月18日

 ここでも動物実験に用いられている犬は、全てビーグル種です。
 



(参考資料)

ペット業者が、売れ残り犬猫を大量に実験動物に払い下げているというのは悪意のある欺瞞
続・ペット業者が、売れ残り犬猫を大量に実験動物に払い下げているというのは悪意のある欺瞞

 10年前にも私は「ペットショップの売残りが実験動物として販売されている」という情報がデマで、都市伝説のたぐいであることを記事にしています。これらの記事では、「年間の日本国内の実験動物犬の生産数+年間の実験動物犬の輸入数」が、ほぼ「年間の実験動物の犬の使用数」と一致することから、「ペットショップでの売残り犬が実験動物として販売されている」が嘘であることを証明しました。
 今回、新しい実験動物の輸入統計数を調べましたが見つかりませんでした。しかし最近の「年間の実験動物犬の使用数」が4,700頭余りであり、「国内生産の実験犬が約4,000頭のビーグルと若干の他の品種」で、他に実験動物犬ビーグルの輸入業者があることから鑑みれば、実験動物犬の供給は、ほぼすべてが国内の専業生産者と輸入業者がになっていると考えたほうが自然です。
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ペットショップの売残り犬は実験動物になる〜落選してもデマで愛誤票がほしい串田誠一氏






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(domestic/inländisch)

 「ペットショップで売れ残った犬は実験動物になる」、「ペットショップで売れ残った犬は保健所に引き取られて殺処分される」。これらはネット上のソーシャルメディアのみならず、大手のマスコミの記事でもなどで広く拡散されている情報ですが、都市伝説と言って差し支えありません。今回は「ペットショップで売れ残った犬は実験動物になる」という情報がデマであることを書きます。このデマをツイッターで拡散してるのが先の衆議院選で落選した串田誠一氏です。現在日本国内で実験に用いられる犬は、ほぼ100%実験動物を専門に生産しているサプライヤーが供給しています。ペットショップの売残り犬は実験動物として使えないからです。


 サマリーで述べた、「ペットショップで売れ残った犬は実験動物になる」、「ペットショップで売れ残った犬は保健所に引き取られて殺処分される」とのデマ情報を掲載したマスコミの記事をまず引用します。


ペットショップで売れなかった子犬はどうなる? 売れ残った子犬たちの悲しい運命とは 2021年11月24日

売れ残った子犬たちの運命は…?
子犬は生後3か月を過ぎた頃から徐々に値段が下げられ、何とかペットショップも飼い主を見つけようとしますが、それでも売れ残ってしまった場合は、返還したり、実験動物業者に販売、引取り屋に買い取ってもらいます。
返還されれば「繁殖の道具」や「殺処分」が待ち受けており、「実験動物」として命を落とす、引取り屋の元「劣悪な環境で暮らす」や「殺処分や遺棄される」など、ほとんどの子犬は悲惨な運命を辿ります…。



 上記の記事の内容の「子犬は売れ残ってしまった場合は実験動物業者に販売」は後に述べるとおりデマなのですが、真実としてツイッターで拡散している前衆議院議員串田誠一氏がいます。それがこちらです。

Drunken45rpm @mkvet


(画像)

 上記のツィートのスクリーンショット

串田 ペットショップの売れ残り 実験動物


 串田誠一前衆議院議員は、上記のサライの記事を元に、「ペットショップで売れ残った犬は実験動物業者に販売される」とうことをツイッターで拡散しています。しかしそれはデマです。
 まず最初に、環境省がペットショップに対して行なった「売残りの犬猫の処分方法」に関する調査があります。参考資料6  第27回中央環境審議会動物愛護部会資料2 (平成23年調査)です。この資料では、「ペットショップの売残り動物の取り扱い等」という調査が12ページにあります。それによると、ペットショップが売れ残った「動物を実験動物業者に譲渡販売」は犬猫ともゼロでした。


(画像)

 参考資料6  第27回中央環境審議会動物愛護部会資料2 (平成23年調査)から。12ページ

ペットショップ 売残り


 さらに、「一般社団法人 日本生理学会」が、動物実験に関する記事をHPに掲載しています。以下に引用します。


一般社団法人 日本生理学会 2009年6月20日

4. 動物実験の実際
使用される動物種は、ショウジョウバエ、魚類からラット、マウス、イヌ、ネコ、サル等の哺乳類に至る まで挙げればきりがありません。
脊椎動物に限れば、国内でも世界的にみても、使用される動物は主にラットとマウスが90 %以上を占め、イヌ、ネコ、サルは全体の1%程度と思われます。
これら動物のほとんどは、研究用に育てられた動物を業者より購入して使用します。
イヌ・ネコ・サルは 地方自治体において殺処分になるものの一部を合法的に譲り受けることもあります。


 この「一般社団法人 日本生理学会」のHPに掲載された記事によれば、「ほとんどの実験動物は研究用に育てられたものを業者から購入する」、「イヌは地方自治体において殺処分になるものの一部を譲り受ける」とあります。つまりこの記事では、犬の実験動物は「業者により研究用に育てられたもの」と「ごく一部は自治体により譲渡を受けたもの」(*)のみとなります。
 なお平成18年(2006年)以降は自治体から研究機関へ実験用に犬猫を払い下げることが廃止されましたので、現在は実験用の犬は「業者が研究用に育てられたもの」のみとなります(上記の日本生理学会の資料は2009年のものですが、情報がやや古いと思われます)。したがって「ペットショップが売残りを実験動物業者に販売」することはありません。
 
(*)
平成18年、動物実験への払い下げはゼロに! 2005年12月28日更新

 現在、日本で実験用の犬を生産販売してる業者は、オ リエンタル酵母工業株式会社の関連会社のみです(研究機関の自家繁殖を除く)。オリエンタル酵母工業株式会社は、年間約4,000頭の実験用ビーグルを生産しています。
 その他には、主にアメリカから実験用ビーグルを輸入する業者があります。(株)日本医科学動物資材研究所です。なお動物実験に用いられる犬は、90%以上がビーグル種です。この2社で、日本の実験用の犬の供給をほぼになっています。これらの実験動物専業の生産業者が、ペットショップから売残りを仕入れて実験動物として再販売する事はありえません。なぜならばペットショップで売れ残ったペット用の犬などの動物は、動物実験に用いることができないからです。その理由は次回記事で書きます。


(参考資料)

実験動物の年間総販売数調査 (平成28年4月~29年3月) 平成29年9月 公益社団法人日本実験動物協会

 この資料によれば、平成28年の実験用犬の販売数は4,754頭でした。日本の実験用犬の専業生産業者は、年間約4,000頭のビーグルを生産しています。またその他の品種の実験用犬の生産も若干数あります。他に実験用ビーグルの輸入業者があります。この2社の生産と輸入で、ほぼ実験用の犬の供給されているということです。ペットショップで不定期に出る売残りを買い取って実験動物にするにはスケールメリットの点からは、利益が出る商売とは思えません。

続・ペット業者が、売れ残り犬猫を大量に実験動物に払い下げているというのは悪意のある欺瞞





 「ペットショップ 売れ残り犬猫 実験動物」で検索してみました。「ペットショップは売れ残りの犬猫を大量に実験動物として横流ししている」と主張しているサイトで客観的な資料を上げているところは皆無でした。全てが根拠薄弱な書き手の推測や伝聞(~と聞いた)としています。

 私が検索してトップにヒットしたサイトを例示します。


ペットショップの売れ残りは 動物実験でも使われています~yahoo!知恵袋

ペットショップの売れ残りは 動物実験でも使われています。
九州大学は たくさんの犬が いたので 九大の人に尋ねたところ はっきり ペットショップの売れ残りの犬で 動物実験するために 犬を おいてるとのことです。
この話は 私の近所の人が はっきりと 聞いたこと。



 私が指摘したとおり、伝聞を根拠としています。何ら信頼出来る資料は明示していません。この質問についての回答をいくつか挙げておきましょう。


信憑性のない噂話を根拠にした、感傷的な自己主張でしかないですね。

あなたの主張の根本が「近所の人に聞いた」って(笑)
なんの根拠も無い「うわさ」を基にしてますよね…
九州大学に直接聞いたわけでもなく (九州大学の人…が真実を語っているのか、そもそも真実を
知っているのかどうやって確かめました?)
根も葉もない噂話を真に受けて、「見てきたような嘘」をさも真実であるかのように言い触らすあなたの態度…


 
 質問者は質問サイトで自己主張を行い賛同を求めるという規約違反をしています。さらにその根拠を客観性のない伝聞に求めるという二重の誤りを犯しています。「ペットショップの売れ残りを実験動物にしている」と主張するならば、公的な統計数値などの根拠を挙げるべきでしょう。
 ところで掲示板では、民間動物実験施設に勤める獣医師が動物実験に回答したスレッドがあります。一部を紹介しておきましょう。


動物実験施設で働いてるけど質問ある?

実験動物繁殖専門業者があります
ここらで人間の家などより非常にクリーンな飼育室で繁殖させて
施設や大学へ供給してます
由来不明の動物を使うことはありません
そういうので得たデータを国に出しても却下されます



 その他に、「ペットショップで売れ残ったもハムスターなどのげっ歯類は、全て実験動物として引き取られる」という記述がネット上で見られましたが、全くの誤りです。げっ歯類に関しては、100%実験動物専業サプライヤーが供給しています。
 実験動物として用いられるラット、マウス等のげっ歯類は、厳しい衛生条件で飼育されており、病原菌寄生虫などの感染が皆無であるSPFやクリーンがほとんどです。実験動物に用いられるげっ歯類の単価は、10万円以上という高価です。遺伝子操作を施したものなどは、最低でも十数万円以上します。ペットショップで売られている単価が千数百円のものは実験動物では使い物にはなりません。
 またペットとして好まれるげっ歯類はハムスターですが、ハムスターは実験では今ではほとんど用いられません。縄張り意識がラットやマウスより強いために、実験動物としての飼育が難しいからです。

 私は前回の記事で「ペットショップの売れ残りが大量に実験動物として横流しされている」という主張が誤りであることを、以下に信頼できる客観的資料を根拠としてあげました。
・環境省調査資料では、ペット業界での売れ残り犬猫の実験動物転用はゼロである(平成22年)。
・犬猫に関しては、実験動物販売総数と、実験動物専業生産者による生産数と輸入総数の合計がほぼ一致する(平成22年)。
・動物実験実施機関は動物実験に対する規定があり、ペットショップ等からの調達はほぼ不可能。

 それでも「統計なんて信用できない。もちろん環境省が発表したものでもだ。意図的にペット業者の売れ残りを動物実験に転用していることを隠すためのものだからだ」「売れ残りペットを売りさばく闇ルートがあり、表面化していないだけ」「研究機関は安い実験動物が欲しいのだ。そのためにペット業者と裏でつながっており、動物愛護に心ある人を欺くために意図的に捏造したデータを公表している。=動物実験施設、ペット業者性悪説」を繰り広げ、私の記事に十数回コメントされる方もいます。
 さらには私のことを「無知、感情的」と人格攻撃に終始し「私は動物愛護に実際に携わっているから真実を知っているのだ。ペット業者が売れ残りペットを実験動物に横流ししているのは、数え切れないほどの事実がある」と主張されます。ぜひその事実とやらを挙げていただきたいですね。

 精神医学では、集団が特定の妄想障害を持つことを「感応性妄想障害」と言います。一部の方の「ペット業界では大量に売れ残りペットを動物実験に売りさばいている」という主張は、何ら根拠がありません。しかし確信となっているようです。根拠が薄弱であるにもかかわらず、その確信が異常に堅固であることを精神医学では妄想と定義します。
 これほど多くの「ペット業界が売れ残りペットを大量に実験動物として売りさばいている」が誤りであるとの客観的資料が公表されているに、誤った自説に固執する方は、一度精神科に診てもらったほうが良いかもしれません。

ペット業者が、売れ残り犬猫を大量に実験動物に払い下げているというのは悪意のある欺瞞





 「ペット業界は、大量に売れ残った犬猫の多くを動物実験業者に払い下げている」というのは都市伝説です。なぜ誤った情報が、一部の人たちに盲信され真実として流布されているのか不思議です。恣意的なペット業界と動物実験の悪意のある情報操作の意図は何でしょうか。


 私は「ペット業者が減れば殺処分は減るのか」「続・ペット業者が減れば殺処分は減るのか」「続々・ペット業者が減れば殺処分は減るのか」で、一部に流布されている「ペット業者が売れ残った犬猫を大量に実験動物として払い下げている」という情報が誤りであることを述べました。ソースとして環境省の資料も引用しました。
 「動物愛護管理基本指針の点検(第4回)について 平成22年~23年 環境省調べ」では、ペット業界が売れ残り犬猫を実験動物として転売した数はゼロです。その資料をご紹介したところ、大変な攻撃を受けました。以下に例示します。

ペット業者が減れば殺処分数は減るのか


ネットで雑に数字を拾ってきて、それを根拠に論を組み立てる。
社会的に意味のある論とはならないでしょう。
『全く統計調査もなく「ペット業界は大量の売れ残りが生じ、動物実験に横流ししている」という情報が真実なのでしょうか。』
は真実ですよ。数えきれない事実に基づいて出てきたことです。



 しかし上記の方は、多くのコメントをされましたが何一つ私に対する反論の根拠示してはいません。さらには私に対して「無知、感情的」と言う人格攻撃に終始しています。
 今回は、私は「ペット業界は大量の売れ残りが生じ、動物実験に横流ししている」と言う情報が誤りであることを別の統計から検証したいと思います。

「実験動物の年間(平成22年度)総販売数調査」 社団法人 日本実験動物協会

 以上の統計では、平成22年度には犬のコンベンショナルが8,326頭販売されています。猫はコンベンショナル183頭、クリーン359頭、SPF129頭それぞれ販売されています。
 ・なお実験動物における分類でのコンベンショナルは、通常飼育のことです。しかし一般にペットとして販売されるものより、はるかに飼育環境の衛生条件が厳しいです。
 ・SPFとは、specific pathogen‐free animalの略で特定の病原体、とくに指定された微生物・寄生虫をもたず、特定環境下で維持生産される動物群のことです。
 ・クリーンとは多くはSPF動物を親として生産され、清浄状態で飼育されたものです。
 ですから実験動物として販売されるものでSPF及びクリーンは、ペット業界生産個体は含まれません。

 猫に関しては、SPF、クリーン以外では年間わずか183頭です。仮にそれらが全てペット業界の売れ残りであったとしてもわずかです。
 
 犬はコンベンショナルのみ8,326頭が販売されています。実験動物として用いられる犬種はほとんどがビーグルです。ビーグルが実験動物として用いられる理由は・個々の遺伝的差異が小さい、・小型で飼育スペースをとりにくい、・多産である等です。また遺伝的に系統管理されています。
 実験動物ビーグル犬の日本での生産は数社に限られ、北山ラベス株式会社(オリエンタル酵母株式会社の子会社である。TOYOビーグルと言うブランド名がある)、日本農産工業株式会社の二社がほとんどのシェアを占めます。そのうち北山ラベス株式会社は、山口県の専用飼育施設で年間2,400頭を生産しています。

イヌ(北山ラベス株式会社:KBL)TOYOビーグル

 また実験用ビーグルは海外からも輸入されています。輸入業者は(株)日本医科学動物資材研究所等です。実験用犬の生体輸入は、2010年統計ではビーグル犬2,371頭、その他犬種707頭、合計3,078頭です。
 ちなみに実験用猫の輸入数は313頭です。

2010年(2010年1月~2010年12月)の1年間に、日本が輸入した実験用の犬猫の数

 平成22年(販売数統計は年度、輸入統計は暦年になりますが)で生産された実験用犬の、国内生産の北山ラベス株式会社の2,400頭と輸入3,078頭の合計は5,478頭です。実験用犬の生産販売数を発表していない日本農産工業株式会社の頭数が仮に、北山ラベス株式会社と同程度の年間2,400だとすれば、国内での実験動物生産者による生産数と輸入数の合計は8,000頭近くになります。また実験用犬生産では、シェアの低い小規模生産者も数社あります。
 それらを合計すれば、実験動物用に国内生産された犬と実験動物として輸入された犬が、実際に国内販売された実験用犬8,326頭の殆どを占めると考えられます。またそのほとんどがビーグルです。「ペット業界が大量に売れ残りの犬猫を実験動物として払い下げている」という結論は導けません。

 実験動物の需要側からも考察したいと思います。現在では、大学が実験動物を実験動物サプライヤー経由ではなく、直接調達することはありえません(大阪大学、東京医科歯科大学などは大学組織内で実験動物の生産を行っていますが、これも実験動物サプライヤーとします)。
 各大学は、動物実験に関して自主規制を設けています。東京大学などは、実験動物に関するガイドラインを公表しています。独立した委員会が動物実験の計画を承認することを規定しています。使用する動物の種、数、入手先などです。生育歴不明のペットショップなどの売れ残り処分犬猫などを大学の一学部が直接入手することはありえません。なぜならば、感染症のリスクを大学に持ち込むことにつながるからです。

 最後に神戸大学の、平成22年度実験動物使用数統計を挙げておきましょう。63,726頭のげっ歯類とウサギが用いられたのに対し、犬5頭、猫0頭です。なお楠・名谷地区は医学部です。
 私は今まで「医学生理学分野では犬猫を用いるのは現在では極めてまれ。大多数がげっ歯類かウサギである」と記事で述べてきました。この統計によりお分かりいただけると思います。

神戸大学平成22年度使用実験動物統計
プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
当ブログのレコード
・1日の最高トータルアクセス数 8,163
・1日の最高純アクセス数 4,956
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・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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