ペットショップの売残り犬を実験動物にできない理由〜落選してもデマで愛誤票がほしい串田誠一氏

Please send me your comments. dreieckeier@yahoo.de
Bitte senden Sie mir Ihre Kommentare. dreieckeier@yahoo.de
メールはこちらへお寄せください。 dreieckeier@yahoo.de
(domestic/inländisch)
記事、ペットショップの売残り犬は実験動物になる〜落選してもデマで愛誤票がほしい串田誠一氏、の続きです。
「ペットショップで売れ残ったペットは実験動物になる」、「ペットショップで売れ残ったペットは保健所に殺処分される」。これらはネット上のソーシャルメディアのみならず、大手のマスコミの記事でもなどで広く拡散されている情報ですが、都市伝説と言って差し支えありません。今回は「ペットショップで売れ残った犬は実験動物になる」という情報がデマであることを書きます。このデマをツイッターで拡散してるのが先の衆議院選で落選した串田誠一氏です。現在日本国内で実験に用いられる犬は、ほぼ100%実験動物を専門に生産しているサプライヤーが供給しています。ペットショップの売残り犬は実験動物として使えないからです。
サマリーで述べた、「ペットショップで売れ残ったペットは実験動物になる」、「ペットショップで売れ残ったペットは殺処分される」とのデマ情報を掲載したマスコミの記事をまず引用します。
・ペットショップで売れなかった子犬はどうなる? 売れ残った子犬たちの悲しい運命とは 2021年11月24日
売れ残った子犬たちの運命は…?
子犬は生後3か月を過ぎた頃から徐々に値段が下げられ、何とかペットショップも飼い主を見つけようとしますが、それでも売れ残ってしまった場合は、返還したり、実験動物業者に販売、引取り屋に買い取ってもらいます。
返還されれば「繁殖の道具」や「殺処分」が待ち受けており、「実験動物」として命を落とす、引取り屋の元「劣悪な環境で暮らす」や「殺処分や遺棄される」など、ほとんどの子犬は悲惨な運命を辿ります…。
(画像)
Drunken45rpm @mkvet

上記の記事の内容の「子犬は売れ残ってしまった場合は実験動物業者に販売」はデマなのですが、真実としてツイッターで拡散している前衆議院議員串田誠一氏がいます。「ペットショップでの売れ残り犬が実験動物になる」というデマ情報を拡散した串田誠一氏のツイッターの投稿と、それがデマである根拠を環境省の資料等を元に前回記事では述べました。今回は、「ペットショップで売れ残った犬が実験動物にはならない」理由を述べます。
「ペットショップで売れ残った犬(犬以外でもそうですが)が実験動物として使われない、使うことができない理由」としては、主に以下のことがあげられます。
1、動物実験においては、施設の感染症の持ち込みを避けるために厳格な衛生管理の上で繁殖された動物しか持ち込めない。実験動物では、感染症がないことが厳格に求められる。ペットのブリーダーからペットショップへの流通経路を経た動物の衛生管理はその基準を満たしていない。
2、比較実験においては、実験動物の体質(遺伝性疾患がないことも含めて)、大きさ、月齢等が揃っていなければならない。そのために実験動物は遺伝的に近い個体を揃えるために厳格に系統管理をされている。
3、由来不明の実験動物で得られたデータでは、厚生労働省での新薬の承認が得られない。また論文でも価値がないものとみなされる。
「1、」に関してですが、そのために現在では、大学が実験動物を専業に生産している実験動物サプライヤー以外から調達することはありえません。大阪大学、東京医科歯科大学などは大学組織内で実験動物の生産を行っていますが、これも実験動物サプライヤーとします。
また各大学は、動物実験に関して自主規制を設けています。東京大学などは、実験動物に関するガイドラインを公表しています。独立した委員会が動物実験の計画を承認することを規定しています。使用する動物の種、数、入手先などです。生育歴不明のペットショップなどの売れ残り処分犬猫などを大学の一学部が直接入手することはありえません。なぜならば、先の述べたとおり、感染症のリスクを大学に持ち込むことにつながるからです。
「2、」に関してですが、現在実験動物で用いられる犬は、国際的にも約90%が遺伝的に系統管理されたビーグル種です。同種が多産であることや大きさが実験動物として適度、気性が温厚で扱いやすい、などがビーグル種が実験動物として選択された理由です。再現実験でも、同系統の実験動物として生産されたビーグルが用いられることがほとんどです。
その点に関して、日本で唯一の実験犬生産会社である、オリエンタル酵母工業株式会社の資料から引用します。同社で生産しているのは、系統管理されたビーグル種のみです。この記述では、「1、」の、実験動物の犬の飼養と出荷における衛生管理の厳しさも伺えます。ペット用の犬のブリーダー、ペットショップにおける衛生管理では、到底実験動物の管理水準を満たしません。
年 間4,000頭余の実験用 ビーグル犬 を生産 してお ります。
種犬は、RidglanResearchFarmsをはじめとする米国ブリーダーより導入されたいわゆるアメリカンビーグルに由来 しています。
近交化が進まぬように、交配は10グループに種犬を分けてローテーション交配を実施 してお ります。
私共の ファームで生まれたビーグル犬は、図1に示す ようなスケジュールで、各種検査や ヮクチネーシ ョンを実施後、 自記温度計付の専用空調車にて研究者 の皆様の もと-お届けしております。
各犬舎入 口には踏み込み消毒槽を設置 し、入退出時の長靴の消毒を励行 させています。
出荷は育成室 にて所定の検査 を終えた個体を、薬浴室にて薬浴 させ、出荷準備室にてステンレス製のスノコを敷いた輸送用プラスチックケージに収容 し、テント内に横づけ された空調車に積み込んでファームを出発 します。
従業員 は出社すると手指の消毒後 、2階部分に昇 り検査室の上 の脱衣室 にて下着 のみ となり、次のシャワー室で手洗 と手指を消毒後、隣の着衣室にて犬舎内専用衣を着用 して長靴に履きかえて作業に入 ります。
(動画)
★動物実験(人間の手によって苦しみながら死んでいった犬と猫です) 2013年5月13日
古い動物実験の動画では犬の実験ではビーグル種以外の犬もありますが、これは全てビーグル種です。現在は、ほぼすべてが専業の実験動物生産者が実験用の犬を供給しており、ほとんどがビーグルです。ペットショップでの売残り犬を実験動物にしているのであれば、もっと多くの犬種があるはずだが?
(動画)
BUAV - Tierversuche mit Hunden und Katzen / Experiments in UK Laboratory(ドイツ語) 「犬と猫を使った動物実験/イギリスの実験室での実験 2013年3月4日
この実験施設で用いられている実験犬は全てビーグル種。
(動画)
Das Todeslabor vor Hamburg: LPT // SOKO Tierschutz e.V. 「ハンブルクの死の実験室」 2019年10月16日
ドイツのアニマルライツ団体がドイツ、ハンブルクにある実験施設に従業員として潜入し、その残酷な実験の様子を隠し撮りしました。ドイツの実験動物保護に関する法令がEU規則を満たしておらず、動物実験に関してはEU域内ではゆるゆるの国です。そのためにEU委員会からドイツは実験動物保護のために法改正を勧告されました。なお「EUでは動物実験を廃止した」、「ドイツでは動物実験を禁止した(天理大学教授)」という情報が日本で流布されていますが、とんでもないデマです。この動画でも、実験に用いられている犬はすべてビーグル種です。
(動画)
Inside the Barbaric U.S. Industry of Dog Experimentation 「アメリカの野蛮な犬の動物実験施設の裏側」 2918年5月18日
ここでも動物実験に用いられている犬は、全てビーグル種です。
(参考資料)
・ペット業者が、売れ残り犬猫を大量に実験動物に払い下げているというのは悪意のある欺瞞
・続・ペット業者が、売れ残り犬猫を大量に実験動物に払い下げているというのは悪意のある欺瞞
10年前にも私は「ペットショップの売残りが実験動物として販売されている」という情報がデマで、都市伝説のたぐいであることを記事にしています。これらの記事では、「年間の日本国内の実験動物犬の生産数+年間の実験動物犬の輸入数」が、ほぼ「年間の実験動物の犬の使用数」と一致することから、「ペットショップでの売残り犬が実験動物として販売されている」が嘘であることを証明しました。
今回、新しい実験動物の輸入統計数を調べましたが見つかりませんでした。しかし最近の「年間の実験動物犬の使用数」が4,700頭余りであり、「国内生産の実験犬が約4,000頭のビーグルと若干の他の品種」で、他に実験動物犬ビーグルの輸入業者があることから鑑みれば、実験動物犬の供給は、ほぼすべてが国内の専業生産者と輸入業者がになっていると考えたほうが自然です。
スポンサーサイト