「交通事故で重傷を負った犬猫などは射殺すべし」と規定しているドイツの警察法


地域猫 ブログランキングへ
Please send me your comments. dreieckeier@yahoo.de
Bitte senden Sie mir Ihre Kommentare. dreieckeier@yahoo.de
メールはこちらへお寄せください。 dreieckeier@yahoo.de
(Zusammenfassung)
Polizeiliches Grundlagenwissen für Studium und Praxis PolG NRW
Schwer verletzte Tiere
Verletzte oder kranke Tiere dürfen erschossen werden, wenn die Befürchtung besteht, dass sie sonst unter Qualen verenden würden und ein Berechtigter oder Tierarzt nicht kurzfristig zu erreichen ist.
(本記事は、8155ブログ記事中、11位を獲得しました)
ドイツでは、「交通事故などで重傷を負った犬猫などの動物を警察官が射殺すること」を合法としています。むしろそれを警察官の服務規程として推奨し、警察法で定めています。その目的は、怪我を負った犬などが暴れて市民へ危害を及ぼすことを防止するためが第一です。しかしそのような犬猫などの動物を警察官が射殺することは、「怪我を負った動物を苦痛から早く解放するので人道的に適う」ともされています。
サマリーで述べた、「ドイツでは警察官が交通事故などで重傷を負った犬猫などを射殺することが合法である。むしろ推奨されている」との根拠を挙げます。以下は、ドイツ、ノルトライン=ヴェストファーレン州警察法に関する運用指針ですが、ドイツ全州に同様の警察法の規定があります。
Polizeiliches Grundlagenwissen für Studium und Praxis PolG NRW 「研究と実践のための警察の基礎知識 ノルトライン=ヴェストファーレン警察法」(ノルトライン=ヴェストファーレン州警察法運用指針)。
§ 50 ff PolG NRW (Zwangsbefugnisse)
23 Schusswaffengebrauch gegen Sachen
Die mit Abstand häufigsten Fälle des Schusswaffeneinsatzes gegen Sachen betreffen die Fallgruppen:
・gefährliche Tiere und/oder
・schwer verletzte Tiere.
Schwer verletzte Tiere
Verletzte oder kranke Tiere dürfen erschossen werden, wenn die Befürchtung besteht, dass sie sonst unter Qualen verenden würden und ein Berechtigter oder Tierarzt nicht kurzfristig zu erreichen ist.
Beispiel
Eine Katze ist überfahren worden.
Das Tier lebt noch, obwohl die Eingeweide aus dem Bauch hängen.
Ein Polizeibeamter erschießt die Katze.
Rechtslage?
Rechtsgrundlage für die durchzusetzen Maßnahme ist § 8 PolG NRW.
Denkbar ist aber auch, durch den Schusswaffengebrauch eine Sicherstellung durchzusetzen.
Rechtsgrundlage für die durchzusetzen Maßnahme ist dann § 43 PolG NRW.
Die Polizei ist gesetzlich zur Gefahrenabwehr verpflichtet.
Eine schwerverletzte Katze oder andere schwerverletzte Kleintiere (z. B. Geflügel, Hasen, kleine Hunde etc) könnten sicher auch erschlagen werden.
ノルトライン=ヴェストファーレン州警察法 50条以降 (強制力)
23 財物(物)に対する銃器の使用
ドイツにおいては、これまでで最も多い財物(物)に対する銃器の使用の例は、次の分類に属します。
・危険な動物及び、または、
・負傷した動物
負傷した動物
負傷したり病気の動物を警察官が射殺することは、そうしなければ苦しんで死ぬ恐れがある場合、そして飼い主の求めがあった場合、もしくはすぐに獣医の治療ができない場合は可能です。
例
ある猫がクルマに轢かれました。
内臓が腹部からぶら下がっている状態ですが、猫はまだ生きています。
警察官が猫を射殺します。
それは合法ですか?
その措置を実施するための法的根拠は、ノルトライン=ヴェストフェーレン州警察法8条です。
このケースでは、銃器の使用の実行は保障されていると考えられます。
さらに、その措置を実施するための法的根拠は、ノルトライン=ヴェストフェーレン州警察法43条があります。
警察の安全対策は、法律で義務付けられています。
負傷した猫や他の負傷した小動物(例えば家禽、ウサギ、小型犬など)も、殺される可能性が確実にあります。
さらにこのような規定もあります。同じく、Polizeiliches Grundlagenwissen für Studium und Praxis PolG NRW 「「研究と実践のための警察の基礎知識 ノルトライン=ヴェストファーレン警察法」(ノルトライン=ヴェストファーレン州警察法運用指針)、から引用します。
Beispiel Ein ausgebrochener Bulle greift in der Innenstadt Personen an.
Polizeibeamte wollen das Tier sicherstellen.
Weil das Tier nicht eingefangen werden kann und um die von dem Tier ausgehenden Gefahren abzuwehren, erschießt ein Beamter den Bullen.
Der Eigentümer ist zurzeit nicht zu ermitteln.
Hat der Beamte rechtmäßig gehandelt?
§ 58 PolG NRW
Damit unmittelbarer Zwang rechtmäßig ist, muss Verwaltungszwang zulässig sein.
Der Bulle ist zwar keine Sache (§ 90 a BGB).
§ 90a BGB
Weil eine gegenwärtige Gefahr für die öffentliche Sicherheit abzuwehren ist, sind die Voraussetzungen für eine Sicherstellung zur Gefahrenabwehr erfüllt (§ 43 Nr. 1 PolG NRW).
一例ですが、攻撃的なブルドッグが人が集まる市の中心部に出没しました。
警察官は、ブルドッグを確保しようとしました。
しかしブルドッグを捕獲することができず、ブルドッグが及ぼす危険を排除するために、その警官はブルドッグを射殺しました。
所有者は、その時は不明でした。
警察官の行動は、法律の範囲内でしたか?
ノルトライン=ヴェストファーレン州警察法58条
同法条文により、この警察官の射殺の行使は、行政が執行を許可しなければならないのは合法的です。
ブルドッグは民法90条aではものではありません。
民法90条a
公共の安全の確保への脅威は、安全性を確保するための前提条件として、ノルトライン警察法43条1項が優越して適用されます。
ドイツ民法(Bürgerliches Gesetzbuch)、90条aでは、「動物は物(財物、私有財産権が及ぶもの)ではない」(Tiere sind keine Sachen.)とされています。この「物」(Sache)ですが、単なる有体物としての「物」としての意味もありますが、法学で用いられる場合は、私有財産権が及ぶもの、財物といった意味です。つまり、「特別法の規定があれば、動物は財物、所有権が及ぶものとして民法の規定を受けない」ということです。警察法で定めるとことにより、警察官が適法に交通事故で重傷を負った犬を射殺した場合は、飼い主は、警察に損害賠償を求めることができません。
事実、ドイツでは警察官が交通事故などで重傷を負った犬猫、さらには傷病犬猫を射殺した例は頻繁に報道されます。例えば、私は今までにこのような記事を書いています。
・世界びっくり犬事情~ドイツでは、犬が高速道路の本線に迷いでたら即射殺です
~
高速道路の本線にさまよいでて、自動車と接触事故を起こした飼い犬を警察官が射殺。
・警察署に届けられた猫を警察官が射殺~ドイツ、ヴッパータール
~
ゴミ袋に入れられて捨てられていた猫が警察署に届けられましたが、女性警察官が射殺しました。
その猫は傷病猫であるために、女性警察官の行為は正当であるとされました。
・警察官は、パトカーで轢いた瀕死の飼い犬を正当な職務で射殺した~ドイツでは、警察官が犬などを射殺する数は年間約1万2,000頭
~
パトロールカーが、飼い主がリードをつけて散歩をしていた犬を轢きました。
犬は重傷を負い、乗務していた警察官はその場で犬を射殺しました。
・交通事故で重傷を負った猫を射殺した警察官に飼い主は憤慨~ドイツの警察官が年間約1万2,000もの犬などを射殺する根拠
~
交通事故にあった猫が重傷を負って、飼い主の家に逃げ帰りました。
猫を轢いた自動車はそのまま走り去りました。
猫の飼い主は警察官を呼んだところ、警察官はその場でその猫を射殺しました。
次回記事では、最近発生した交通事故で重傷を負った犬を警察官が射殺した他の事件をいくつか取り上げます。ひとつの事件では、交通事故で重傷を負った犬を飼い主の同意を得ずに警察官が射殺したとして、飼い主は10,000ユーロの損害賠償を警察に求めています。
ドイツでは、警察官が交通事故などで重傷を負ったなどした犬猫などを射殺した事件では、しばしば飼い主が警察官を刑事告訴、動物愛護団体が刑事告発などを行うことがあります。さらには飼い主が警察に対して民事上の損害賠償請求裁判を提起したりなどしています。しかしいずれのケースも私が知る限り、警察官や警察署は刑事、民事とも責任を問われたということはありません。刑事責任は、警察官が傷病犬猫を射殺することは合法とされているためにとえません。民事責任でも、民法で「動物は特別法の規定があれば物(財物、所有権が及ぶもの)ではない」とされているからです(続く)。
(動画)
はな工房の犬用車椅子 柴犬エース君。2014/04/02 に公開。交通事故で歩けなくなってしまった柴犬のエース君の車椅子を製作させて頂き、納車時の初歩行の様子です。
交通事故にあい、半身不随になるような重傷を負った犬は、ドイツではよくて獣医師に搬送されて安楽死、多くはその場で警察官に射殺されます。日本は犬(猫にも)優しい国だと思います。
- 関連記事
-
- 無実の犬を強制殺処分~ドイツでは咬傷犬などは強制的に殺処分され、さらに費用まで請求される
- 買った当日に犬を警察官から射殺された飼い主(涙)~ドイツ、ヘッセン州フルダ
- 続・「交通事故で重傷を負った犬猫などは射殺すべし」と規定しているドイツの警察法
- 「交通事故で重傷を負った犬猫などは射殺すべし」と規定しているドイツの警察法
- 「ドイツでは公的殺処分はないが犬猫が狩猟駆除される」は大嘘~ドイツでの警察官による犬などの射殺
- 「ドイツでは公的殺処分はないが犬猫が狩猟駆除される」は大嘘~厳格に殺処分を規定しているドイツの狂犬病規則
- 「ドイツでは公的殺処分はないが犬猫が狩猟駆除される」は大嘘~ドイツはすべての州で犬の公的殺処分制度があります