大阪箕面市のサル対策は、猫TNRが無意味であることも証明した
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(Summary)
You said, "I have to feed the stray cats. The reason is because there are stray cats there".
No, you are wrong.
"From you feed the stray cats, stray cat is is to exist".
記事、
みくまり峡勝手地域猫番外編~「野良猫がいるから餌をやる」のではない。「餌をやるから野良猫がいる」のだー1、
みくまり峡勝手地域猫番外編~「野良猫がいるから餌をやる」のではない。「餌をやるから野良猫がいる」のだー2、
の続きです。大阪府箕面市は、餌付けしたサルが増えすぎたため、サルを減らす対策を講じました。これらの施策は、図らずしも猫TNRが無意味であることを証明しました。
私は上記の記事で大阪府箕面市の、サル対策を紹介しました。大阪府箕面市の箕面国定公園では、1954年に野生のサルの餌付けに成功し、当初数匹しか確認できなかったサルが数年後には90匹にまで増えました。さらに最盛期には650匹まで増えました。
サルが増えすぎて住宅地や農業にまで被害が及ぶようになり、箕面市は1977年に、箕面国定公園内でサルを減らす方針に転換しました。
1977年以降箕面市は、「天然記念物食害対策事業 野猿の被害対策事業」として、①メスサルを捕獲し、経口避妊薬を投与する事業を開始しました。しかしサルの頭数増加を抑制することはできませんでした。そのため2006年には、さらに5,000万円をサルの収容施設の建築費として予算計上しました。この予算は、サルの一時収容の檻などの施設のみに対するもので、捕獲のための委託費等は含まれていません。
2007年以降は、②サルを捕獲し、動物園に引取りを依頼する、実験動物への転用などを行いましたが、それでもサルの増加傾向には歯止めがかかりませんでした。箕面のサルがふえすぎ、被害ひろがる 箕面市が捕獲の方針07年6月7日文教常任委員会。
(画像)
経口避妊薬をメスサルに投与するための捕獲作業の注意を促す看板。

2010年には、③「箕面市サル餌やり禁止条例」が制定施行されました。それ以前にも、サルへの餌やりを禁じる啓発活動は行われてきましたが、罰則規定がないため効果がなく、餌をやる観光客などが後を絶たなかったのです。2010年施行の条例では、監視員が常駐し、サルに餌やりを行っている人を見つけ次第、過料1万円を科すこととされました。
効果は1年後にすぐに現れました。条例施行後のわずか1年後には、箕面国定公園のドライブウェー付近に出没するサルはほぼゼロになりました。大阪・箕面のサルが消えた?。2011年5月4日。
(画像)
「サルへの餌やり禁止、罰則は過料1万円」の注意を促す看板。

以上より、野良猫とその被害を減少させる手段を導くことができます。まず①ですが、野良猫に対してTNRを行うのと全く同じです。箕面のサルでは、バースコントロールによる個体数減少効果は全く見られませんでした。
その理由は、バースコントロールを行う個体が限定的であること。群れ全体に占めるバースコントロール済みの比率が低く、給餌を抑制しなければ、給餌による高栄養化~繁殖能力の向上の方が、バースコントロールの効果を上回るためと考えられます。
②は、野良猫に当てはめれば、野良猫を捕獲し、自称猫ボラ活動で、飼い猫として飼ってくれる人に譲渡するのと同じです。また限定的に捕獲して、保健所に届けるのも同じでしょう。
サルの増加数は、動物園や実験動物の需要を大きく上回ります。従って、一部を捕獲して動物園や実験動物用に譲渡したとしても、サル全体の増加は止められません。ですから野良猫においても、供給>>>需要であるため、自称猫ボラ活動(野良猫を保護し一般譲渡する)では、全く野良猫の増加は防げません。
③は餌やりを徹底して禁じる方法です。私は野良猫であっても、餌やりを徹底して禁じれば、減少~ほぼゼロ化できると考えています。多くの実例もあります。先の記事で引用したテキサス大学の論文では、「給餌は繁殖力と生存率を高め、集中化効果がある」とあります。つまり餌を与えないということは、繁殖力を抑制し、生存率を下げ、分散化効果があるということです。繁殖が抑制され、生存率が下がればその動物の総数は減ります。また分散されれば、被害が顕在化しにくくなります。
「餌やり禁止」を実効性のあるものにするには、・必ず罰則規定を設けることが重要です。その他にも、・罰則付き飼い猫の放し飼いの禁止、・飼い猫と野良猫の区別のためにマイクロチップの装着を義務付ける、・限定的であっても行政による野良猫(と思われるものも含む)の捕獲と動物愛護管理法35条3項の適正運用、などが必要です。欧米ではそれがスタンダードになりつつあります。有罪となった違反者も多いですし、アメリカでは違反者は90日の懲役と罰金の併科を科している自治体も珍しくありません。
動物が縄張りを持つ理由は、その個体が生存出来るだけの食べ物が獲得できる広さが必要だからです。自然の状態では、一個体の生存のためには、広い縄張りが必要です。そのエリアにどれだの数の動物が生息できるかは、そのエリアで獲得できる餌の量によって決まります。それが限界生息数です。
従って給餌をしなければ、サルであれ猫であれ、そのエリア内では限界生息数にまで減ります。つまり異常に高密度で集中することがありませんので、被害も顕在化しません。
地域猫(TNR)は、まさしく箕面市のサルの増加抑制策が失敗した手法と同じです。さらにサルよりも条件が悪いと言わざるを得ません。サルは、他所から捨てに来る人はいないでしょう。地域猫の場合は、人為的に、他所から遺棄しにくるケースが多いのです。それは地域猫推進派も認めています。
箕面のサルの増加抑制策では、バースコントロールが失敗し、捕獲~譲渡事業でも失敗しました。「新たに遺棄されることによる増加」がない、猫TNRより条件が良くてもです。「TNR、地域猫で野良猫とその害が減る~ゼロ化」は全くのまやかしです。騙されてはいけません。
(動画)
箕面市のサル対策事業成功前の、箕面国定公園内のサルの様子。大阪 猿の王国
西宮市、阪急苦楽園口駅前を闊歩するイノシシの親仔。このビルは苦楽園口駅から徒歩3~4分の立地で、近くに都市銀行の有力支店やスーパーもある、交通量の多いところです。私はこの近くのマンション(区分)に住んでいたことが有り、このあたりはよく知っています。このマンションは今も所有して賃貸しています。いのしし親子@苦楽園口
野良猫への餌やりとそれに伴う被害、箕面のサルや神戸阪神のイノシシ問題は、すべて同根で、人と動物との関わり方を間違えていることが原因だと思います。このような事例は、人も動物も不幸という気がします。
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