ドイツの犬税に関する情報はほぼ全てが大嘘~ライターの疾患が疑われるレベル

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(Zusammenfassung)
In Japan kursieren Fehlinformationen über die deutsche Hundesteuer.
日本では、ドイツの犬税に関する情報がネット上にあふれています。しかし完全に正確なものは私は調べた限1つもありません。「ドイツでは犬税を払っている人は4分の1(25%)」(真実は未納者は15%)、「闘犬種の犬税額は一般犬種の3倍である(同額の自治体から9倍程度まで差がある)」、「犬の福祉に用いられる目的税である(財源が特定されない普通税である)」、「ペットショップの販売用の犬にも課税される(事業者の販売用犬は課税されない)」、「犬税は各州法で定められる(犬税は市町村税で根拠法は各自治体条例)」、「犬税を払わなくても処罰されない(行政罰10,000ユーロ=160万円以下の過料が科される)」等です。まさに聞いた者が悶絶死しかねない内容です。
サマリーで述べた通り、ドイツの犬税に関する情報が日本ではネット上であふれています。しかし私が確認した限り、正確なものは皆無でした。余りにもひどい、荒唐無稽な、聞いた者が悶絶死しかねない酷い内容のものをいくつか例示します。
・ペット先進国ドイツの犬税。仕組みやメリットは? 2019年2月12日
犬税は頭数が増えるほど税金が高くなる。(*)
闘犬指定種は税金が3倍かかります。(*1)
檻に入れて飼育する場合はさらに檻の中の頭数によって課税されます。(*2)
犬税として徴収された税金の一部は犬や愛犬家に関わる費用、さらに、犬によって汚された街の清掃費用として使われています。(*3)
犬税の納税者には犬が迷子になってもすぐに保護できるよう「犬の名札」が支給され、何かあってもすぐに飼い主が判明します。(*4)
・ユニークな税「犬税」|ホームメイト|パブリネット
犬税によって徴収された税金は、犬のフン害によって汚された街の清掃費用として使われるなど、主に犬や愛犬家にかかわる費用のために使われています。(*3)
・犬にも税金!?動物愛護先進国ならではの「犬税」はどんな取り組み? 2021年9月10日
闘犬指定種の場合は税金が一般的な犬より3倍も高い。(*1)
実際に犬を飼っている人の4分の1くらいの人しか犬税を納税していない。(*5)
「犬税を支払う」という法律を守らない人を取り締まる法律がない。(*6)
6時間以上室内に閉じ込めてはいけない、外の気温が21度以上になる場合は、車内に犬を置き去りにしてはいけない、などといったことが法律で定められている。(*7)
・ドイツでの愛犬に対する税金について
ドイツには『犬の税金』と呼ばれる税金があります。
この税金は愛犬一頭あたりにつき年間1万円以上を支払うこととなり、用途としては犬の糞で汚れてしまった街の清掃費用などに当てられます。(*8)
・ペット先進国「ドイツ」の動物愛護精神と日本との比較 2022年1月3日
捨てられた糞は、犬税を使用して州が定期的に回収している。(*3)
ドイツのティアハイムの譲渡率は9割を超える。(*9)
ドイツでは生体販売を行うショップが非常に少ない。(*10)
というのも、ドイツの犬税はペットショップにも課せられる。(*11)
ドイツで犬を迎える人のほとんどはブリーダーかティアハイムを利用。(*12)
(*)
ドイツの犬税は市町村税で、各市町村に税額の自由裁量権があります。したがってすべての自治体で、犬の飼育頭数が増えれば累進的に税額が高くなるわけではありません。犬の頭数が増えても1頭当たりの税額が同じ自治体もあります。
・Was ist die Hundesteuer und was kostet die Hundesteuer?
(*1)
ドイツの犬税は市長村税で、各市町村に税額の自由裁量権があります。したがって一般犬と闘犬種の犬税額の差は自治体によって大きく異なります。闘犬種と一般犬種の犬税額が同じ自治体もあれば、闘犬種の犬税額が一般犬種の約9倍という自治体があります。一般犬種の25倍という高額の犬税を課す自治体もありましたが、司法判断で適法ではないと判決されました。
・Was ist die Hundesteuer und was kostet die Hundesteuer?
(*2)
犬税において、犬を檻に入れて飼育したことによる税額を加算する自治体は確認できませんでした。
・Hundesteuer
(*3)
犬税は使途が限られた目的税ではなく普通税です。従つて犬税は一般財源に組み込まれ、特別に犬の福祉のために支出されるわけではありません。
・Hundesteuer
(*4)
犬税登録をして犬税を納付すれば、納税した年にその年の金属のメダル状の「納税済票」が交付されます。しかしこれにはその犬の納税番号が刻印されているだけで、犬の名前や飼主等の情報は記載されていません。
(画像)
ドイツの犬税の納付済み票

(*5)
「犬を飼っている人の4分の1くらいの人しか犬税を納税していない。」ですが、犬税の未納者は、犬の飼育者全体の約15%程度と推計されています。そもそも納税義務がある者の25%しか税金を徴収できない税制度は破綻していると言ってよく、数百年も存続しません。廃止するか制度改革を行っているはずです。
・Fahnder verfolgen illegale Fifis
(*6)
「犬税を支払う」という法律を守らない人を取り締まる法律がない」ですが、犬税の未納は行政犯罪として処罰され、過料10,000ユーロ(約160万円 1ユーロ=160円)以下が科されます。
・Hund nicht angemeldet? Ein Hunde-Profi klärt auf! (Ratgeber) 2022年9月5日
(*7)
「6時間以上室内に閉じ込めてはいけない、外の気温が21度以上になる場合は、車内に犬を置き去りにしてはいけない」という、法律の明文規定はドイツにはありません。
(*8)
「(ドイツの犬税は)一頭あたりにつき年間1万円以上を支払う」ですが、1頭当たりの犬税額が数千円、もしくは犬税がない自治体もあります。
・Was ist die Hundesteuer und was kostet die Hundesteuer?
(*9)
「ドイツのティアハイムの譲渡率は9割を超える」ですが、該当する資料はドイツ語原文ではありません。ティアハイムの犬の譲渡率は概ね75%と推計されています。
・「ドイツのティアハイムの譲渡率は90%以上」は大嘘。70%台で日本の犬の公的譲渡率と変わらない
(*10)
「ドイツでは生体販売を行うショップが非常に少ない」ですが、ドイツの生体販売ペットショップの数は2020年は4,370店舗ありました。この数は人口比で日本の1.3倍です。ドイツにある世界最大のペットショップでは犬猫も売っています。
・ドイツには4,370の生体販売ペットショップがある。その数は人口比で日本の1.3倍(2020年)
(*11)
「ドイツの犬税はペットショップにも課せられる」ですが、ドイツの犬税はペットショップやブリーダー等の営為事業者の販売目的の犬には課税されません。これは全ての連邦州で適用されます。
・Befreiung von der Hundesteuer: Für wen gibt es Vergünstigungen? 2023年3月2日
(*12)
「ドイツで犬を迎える人のほとんどはブリーダーかティアハイムを利用」ですが、ドイツのブリーダーの年間の子犬生産数は6万頭台、ティアハイムの犬譲渡数は約6万頭です。対してドイツが輸入する犬の数は年間50万頭です。したがってドイツではブリーダーの販売数もティアハイムの譲渡数も、犬の取得に占めるシェアは10%か10パーセント未満です。ドイツでの犬の取得で最も多いのは外国産の犬をネットで買うことです。
・「動物愛護先進国ではほとんどが保護施設から犬を入手する」という人は自分がバカと言うことを自覚すべき
これらの記事の荒唐無稽で真逆のドイツの犬税に関する記述ですが、書き手の病的作話症か、妄想性の何らかの疾患が疑われるハチャメチャなレベルです。まじめに彼らがしかるべき機関を受診することをお勧めします。
犬税に関しては、簡単なドイツ語ワードで即情報が得られます。その様な基本的なことをせずに、自分の思い込みだけで維持を書いてしまうのか、その神経は私は理解できません。次回以降の記事では、上記に示したドイツの犬税に関するデマのドイツ語の文献による反証示し、解説したいと思います。
(動画)
LUXUSGUT HUND? Ärger um teure Hundesteuer - Ein Relikt aus dem Mittelalter 「犬はぜいたく品? 高額な犬税に対する犬の飼主に怒り それは中世から続く遺物です」 2023年5月8日
Die Hundesteuer ist eigentlich ein Relikt aus dem Mittelalter.
Die Hundesteuer, die Gemeinden von Hundebesitzern erheben, steigen von Jahr zu Jahr und spült ordentliche Summen in die Kassen der Kommunen.
Und sie ist umstritten, weil jede Gemeinde die Höhe selbst festsetzen kann.
犬税は実は中世の名残です。
自治体が犬の飼い主に課す犬税は年々増税しており、かなりの額が自治体の金庫に入ります。
そして、各自治体が金額自体を設定できるため、物議を醸しています。
概要:犬の飼主は怒っています。毎年払っている犬税は犬のために使われるわけではないからです。そしてペットで課税されるのは犬だけです。
犬税額は年々増税しています。「昨年は犬1頭80ユーロだったのが今年は100ユーロです」。犬税の課税は自治体によってバラバラです。金額に大きな違いがあります。犬の数によって累進的に税額が高くなる自治体もあれば、ない自治体もあります。闘犬種の加算もある自治体があり、ない自治体もあります。犬税自体がない自治体もあります。
自治体にとっては犬税は、税金を取りやすい「天国」なのです。犬の数が増えたために過去10年間でドイツ全土での犬税収入は44%も増え、4億1,400万ユーロになりました。犬税は特定の目的を持たない普通税です。自治体の一般会計に入れられます。
猫にも課税すべきです。猫は犬のように柵で囲われて1歩も外に自由に出られないのと違い、自由に外を徘徊します。そして猫は野鳥を捕食するなど野生動物非被害を及ぼします。その他にも救助犬などでの犬税の課税が免除されているのは不公平です。
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